皆さま ごきげんよう

名古屋市千種区にある 「古川美術館」の

分館 「爲三郎 記念館」において 現在、

「つむぐけしき よむこころ」と 題して

米山 和子氏と 祖父江 加代子氏の

二人の 現代アーティストの作品が ご覧頂けます。

 

 

「爲三郎 記念館」は、 故 古川 爲三郎氏が 1934年に

創建した 茶事を目的とした 数寄屋建築の 「爲春亭」と

四季折々の 美しさを見せる 日本庭園、 そして

その中に ひっそりと 佇む茶室  「知足庵」から

成り立っています。

 

美しく 手入れされた庭園。

 

 
 
 

米山 和子氏は お米の糊としての 特性、 和紙の

長い繊維と 柔らかな特性を活かし、 焚いたお米の

一粒一粒を 絹糸でつなぎ、 出来上がった何万もの

半透明の美しい米粒により 作り出した 空間アートを

展開する アーティストです。

一方  祖父江 加代子氏は 豊穣の秋や 日本のこころを

テーマに 彩り、 お米と和紙を 水や光などの

自然美を取り入れた作品を作る  空間コーディナーターです。

これらは売ったり、 持ち運び出来るものではない 芸術作品、

「感動」の一言に つきます。

見ている私達も その作品の中の一部であるような

空気そのものが 作品と感じる 独創的なアートです。

光までもが 作品の一部になっているのです。

 

お米を連ねた 白い絹糸が 強弱つけて 空間を飾っています。

幻想的な中に 無限の想像が 浮かびます。

不思議な感動が こみ上げてきます。

 



外は 闇、 雨がしとしとと 降っている風情の中。

数寄屋造りの 室内が ムーディーな空気を 漂わせています。





影までも 作品の一部

 

あまりの感動に 翌日 再び 明るい時間に

訪れてみました。

背景の 木々も含め アートです。

 

 
 
何万年もの 氷河の流れのような、 見る人によって

違う思い思いが ・・・・・、

和紙の 美しさが 光によって より幻想的に。

米山 和子氏の作品です。

 

和紙と 絹糸のみで 作った ウェア・ベア  「Wear Bear」。

 
 
丸窓から 覗く 光と 絹糸の美しさ

 

祖父江 加代子氏の作品 「かげてらす」。

床に置かれた 水と石、 動く光が 天井に反射し、

写し照らされ、 神秘的な動きが ・・・

〝ひさかたの ひかりのしたで かたらう〟

-秋の夕刻より始めた 二人だけの茶会、 食事の後の

薄茶を 愉しみます。 本来、 茶事は 客と亭主の 棲み分けが

必要ですが、 今回は 秋の夜長に 「ひかり」を主役に

室内に映し出される やわらかな影を 愉しみます。

黒に御簾を通して 更に 光や 風も やわらかになります。

すっかり 遅くなってしまった 夜道は 月と 馬が

道案内を してくれるでしょう。-
 
  

この部屋の作者は 祖父江 加代子氏。

 

緋毛氈の上に大きな竹が 二本、 その周りに 膳。

 

まさに 幾何学的 超モダンな和の 美しさです。

 

光を使った 作品です。 
 
 

「聖夜」  白百合、キャンドル そして 和食器。

 

そして 私達は お茶席へ ・・・

情熱的な 朱の天井。

 

呈茶の コーナーで。

山田幸子夫人と 古川裕子夫人

 
  

なお、 古川美術館では、 特別展 「交わる縁 小山 硬と

玉屋 庄兵衛 ~ その作品と 交流 ~」 を

開催中です。 日本画家の 小山 硬氏と

からくり人形師 九代 玉屋 庄兵衛氏の交流から

生まれた作品を 数多く ご覧いただけます。

とても 珍しい作品の数々、 多くのことを学べます。



古川美術館  分館 「爲三郎記念館」

〒464-0066 名古屋市千種区池下町2丁目50番地

          052-763-1991

開館時間   10:00 ~17:00 (入館は 16:30まで)

12月14日(日)まで 開催されています。

美と和の〝こころ〟が 〝つむぐけしき〟を

是非 ご堪能下さい