皆さま ごきげんよう

先日 紀尾井町ホールにて 朗読ミュージカル

〝山崎陽子の世界〟の観劇に行ってまいりました。

会場は 満席、 〝山崎陽子の世界〟のファンが

いかに多いかと言う 証です。

 


山崎陽子さんは 童話作家であり、 脚本家です。

宝塚歌劇団出身で 絵本、 作詞、 エッセイ、 講演など

多彩に 活躍なさっている方です。

今回の舞台は すべて 山崎さんが作り、 演出を

手掛けているのです。  (写真は全て  パンフレットより)
      
                山崎陽子さん              
 



一番目は 「おぼろ月夜」 、 演者は 大野惠美さんです。

エレベーター・ガールと 老夫婦の物語。

登場人物は 3人ですが、 それを 巧みに一人で 演じ、

エレベーターの中での 出会いから 始まります。

匠な ピアノの演奏が ともなわれます。



少し  痴呆が始まった ご主人でしょうか、  奥様が

ご主人を労り、 昔のご主人の思い出を

〝今〟として エレベーター・ガールに 彼女になってもらい

声を かけてもらうのです。

お話の中に お花畑も 登場するのですが、 言葉だけで

目の前に 情景が浮かび、 老夫婦の 幸せでありながら

ちょっぴり 老いの悲しさもあり、    気が付いたら

涙が ぽろりと 出てまいりました。

大野さんの 透き通るような歌声も 心に

沁み渡り、 見終わったあとには ジーンと 感動の

思いだけが 残りました。

 

             大野惠美さん
 



続いては 有馬稲子さんと 堂ノ脇恭子さんの

「春うらら」です。

満開の桜の下、 お墓詣りする お姑さんと お嫁さん。

一見、 仲良さそうなお二人ですが、 心の声がいろいろと・・・

お姑さん役の 有馬稲子さんと お嫁さん役の 堂ノ脇恭子さんの

掛け合いが 面白く、 会場からは 笑いが起きていました。

有馬さんは、 息子自慢に  〝ダルビッシュ〟を引出し、

ダルビッシュ以上に いい男だと言うのですが、

有馬さんは ダルビッシュの大ファンとのことでした。

よくある(?)姑と嫁の戦い(?)が ほほえましくもあり

最後は 二人で手を取り合って 素敵な関係に

なるのです。

 

         有馬稲子さん       堂ノ脇恭子さん 
  

ここで 休憩時間です。

私は 当日ご一緒した友人達と 楽屋にお邪魔しました。

私の左のお着物姿が 有馬稲子さん、 右隣が オフィス・ディーバ代表の

中條秀子さん、  山崎優子さん、  山田幸子さん、  長谷川弘子さん、

左端が 菊池美佐子さんです。

 


休憩を挟んで 次は 元宝塚星組の トップ・スターの

日向薫さんの 「岸辺の花」。  芸術祭受賞作品です。

桃の花散る 夜の川を下る小船で、 死を決意した娘に、

その乳母、 彩々が 語り聞かせる、 将軍、 光輝と 清春の愛の物語。

日向さんが 将軍役に徹している時の声を聴くと 男役スターだったことを

彷彿させ、 本当に かっこいい姿でした。

 

          日向薫さん
  

そして 最後は 森田克子さんの 「きっと明日は」です。

ハンサムな サムと 肥満体のビルは 詐欺師のコンビ。

大儲けしたいと 大金持ちで 嫌われ者の顔役、

ドーセットの息子に目をつけ、 誘拐をするのです。

しかし、その息子が やんちゃも やんちゃ、

お金を取る筈が お金を払ってでも 引き取ってもらいたいと

言う始末。 森田さんが この3人を 面白可笑しく演じ、

会場は 笑いの渦でした。 

何人もの 登場人物を 一人で歌い演じ、

舞台を動き回る 森田さん、 見ているうちに どんどん

引き込まれる自分が いました。

          森田克子さん
 



今回の会場となった 紀尾井小ホールは 舞台も ヒノキ、

まさしく〝ヒノキ舞台〟なのです。

楽屋前の廊下も  ヒノキなので、  土足厳禁は もちろんですが、

スリッパも ダメという 素敵な 会場なのです。



1台のピアノ以外は 舞台装置も 小道具も 何もない舞台で

本を手にした 演者が 歌い語る 朗読ミュージカル。

見ている私達に 想像を膨らませ、 まるで 目の前に

その情景が 見えてくるような 錯覚に陥らせ、

感動を呼び起こす 独特な 世界です。

出演者の 感情込めたセリフや 合間、合間に奏でる

ピアノの調べ、 会場の皆さま、 全員が まるで

言葉の魔法に 掛けられたように ひとつ ひとつの

物語の中に引きこまれ、 心に 暖かいものを感じ、

感動したに 違いありません。

回を積み重ねるたびに お客様が増えると

山崎さんはおっしゃっていましたが、 このような

〝山崎陽子の世界〟に どっぷりと 浸りたいと思うのは

一度 見たら 必ず思う事でしょう。

皆さま 機会がございましたら 是非 ご覧ください。