皆さま ごきげんよう

広島の土砂災害発生から 1週間が過ぎ、26日 現在

死者 70名、 行方不明 18名 と公表されました。

犠牲になった方が一番多かったのが 〝安佐南区八木〟地区でした。

この土地は 昔 〝蛇落地悪谷(じゃらくじ あしだに)〟と呼ばれ、

蛇が降るような 水害が多かったので 「悪い谷・悪谷」と

名前がついていたそうです。

そして その山肌は 〝水の通り道だ〟と いうお話も

出ているようです。

 


130年 続く 「浄楽寺」のご住職によると

「竜がいて、 その首をはねたところから 〝蛇落地〟と

ついた。 竜は「水の神」で 水害を 収めたということかも

しれません。 記録にはないが、 語り継がれてきました。」と。

近くの「光廣神社」には 〝竜〟を討伐した 武将のかたわらを

激流が走っている 絵まで 残っているのです。

 


広島県では 平成11年の大雨・土砂災害で 31名の 犠牲者を

出していたので、 全国に先駆けて 〝警戒区域の指定〟を

進めてきていました。

しかし、 今回の土砂災害で 最も 大きな被害を受けた

安佐南区八木と 緑井については、 9年前に 土砂災害警戒地域に

指定しようと 現地調査を進めながらも  結局、調査を白紙に

戻していたのです。  土砂災害の危険があったにもかかわらず 

頻発に起きる 川の氾濫に目が向き、 川側を避け 山側に

ベッドタウンを 建設するにあたり、 金儲け主義の

不動産業者が 名前を変え 開発していった地域のようです。

しかし、 最終的に 地名を変更出来るのは 「行政」です。



いつ頃から その言い伝えは 消えてしまったのでしょうか?

先人の教えは 教訓として 語り継いで いかなければいけないと

あらためて 考えさせられます。

〝八木蛇落地悪谷(やぎ じゃらくじ あしだに)〟から 

〝八木上楽地芦谷(やぎ じょうらくじ あしだに)〟と改名され

そして現在、〝八木〟だけが 残ったのです。

土地を売るには その土地のイメージが 大事ですし

緑豊かな 自然の残る ベッド・タウンとして

売り出したのでしょうか?



今回の大災害を教訓に  各自治体は 〝タイム・ライン〟

(災害が 想定される数日前から 発生、その後の対応まで

様々な機関が 災害時に何をするかを 時間を順じ 整理した

行動計画表)などを 作成し、 備えるのも

必要なのではないでしょうか!?

自治体、 気象台、 消防、 警察、 交通機関

そして 住民と「連携」を取り、 事前に防災の為の

行動を共有するのです。

すでに 行なっていた 山口県の 佐波川タイム・ライン案では(抜粋)

24時間前 : 住民は 避難所・避難ルートの確認

14時間前 : 自治体は 自主避難者の受け入れ

11時間前 : 自治体は 避難勧告、住民は 避難開始

9時間前 : 自治体は 避難指示

0時 : 台風による 災害発生

アメリカ・ニュージャージー州の タイム・ラインから

96時間前 : 州は 避難所の計画と 準備

72時間前 : 州知事が 緊急事態宣言

36時間前 : 州知事が 避難勧告

24時間前 : 公共交通機関が 運休

0時 : ハリケーン上陸・災害発生

〝いつ、 誰が、 何をするか〟を 事前に備えているのです。

ニュージャージー州では このタイム・ラインのおかげで

約4千世帯が 全半壊したにもかかわらず 死者 0人

鉄道・バスなどの 運休予告もあったため  混乱も少なく

大きな〝減災効果〟が あったのです。



早く 行方不明の方々が 見つかるよう お祈り申し上げます。

合掌