皆さま ごきげんよう

先週末、小保方晴子さんのネイチャー誌に掲載された

STAP細胞の論文 不正疑惑問題で

理化学研究所の 調査委員長をしていた

石井俊輔 上席研究員が 辞任をしました。

上席研究員の 肩書を持つ人は 約2800人の 理研 研究者のうち、

わずか3人だけ、 顕著な業績を挙げた人に限られる

トップ・クラスの称号なのです。

4月26日付の 「産経新聞」によると、

今回の辞任は 小保方さんのSTAP細胞の論文で

〝改ざん〟とされた 画像の切り貼りと同じく

石井氏の 平成20年の論文 「乳がん抑制に関わる

タンパク質の 機能を示す データの中で、遺伝子解析の

結果を示す 電気泳動の画像が 不適切の加工されているという

〝疑義〟を受けたため。

小保方さんの 弁護士は

「(画像の切り貼りを)改ざんでないとするならば

是非 委員会に残って再調査をしてほしい。」

石井氏の説明を ホームページで 確認、

「結果に影響がなく、投稿先から 訂正が 受け入れられたら

切り貼り行為も 改ざんに 当たらないとしていた。

それならば、 小保方氏も同じことだ。

今回の発言が 石井氏の考え方ならば、

委員会で 進んで 発言していただきたい。

自身が 過去に 同じようなことをしていたのに

小保方さんの論文を 改ざんと 結論づけたことは 残念。」 と

言っています。

ただ、小保方氏の論文には 画像に 部分的に伸ばすなどの

加工がありましたが、 石井氏の論文は、学術誌も 不正ではないと

認めているのです。

学術誌側に 提出したとする 訂正画像や 実験ノート、

生データの画像などを 発表、「文章の説明の順番通りに

画像を入れ替えていた。深くおわび申し上げる。」と、

疑義が 浮上してからの 長期間、 著者による 説明がなかった

STAP論文の状況とは 対照的で、 科学者として 誠実な対応と

評価する声も あると言っています。

自然科学研究機構理事の 岡田清孝氏によると、

「疑義が指摘された遺伝子解析の 電気泳動写真は、

論文不正問題が 最も多い種類の 画像だ。

白黒写真で表示するため、加工の痕跡が 分かりにくいことも

背景にあるだろう。」

信州大学特任教授の市川家国氏は、「石井俊輔氏らの

論文が発表された 平成20年の 研究倫理の水準は

現在とは違い、過去にさかのぼり 批判を強めるべきでない。

石井氏は 今回のような事態も 覚悟した上で

委員長を 引き受けたのかもしれない。

研究者不信が これ以上強まらないよう、

研究者は 実験などの 技術面のルールを学ぶべき。」



一方、  29日には 「iPS細胞」の発見でノーベル医学・生理学賞を

受賞した 山中教授も〝謝罪〟をしたのです。

こちらの論文は iPS細胞の 発見前の研究で

山中教授が 筆頭・責任著者で 発表したもの。

インターネット上では ES細胞の遺伝子を解析した

2つの画像が酷似、実験結果の図表が 不自然、

との 指摘が出ていたのです。

山中教授は 「論文に 疑問を呈されたことは

去年の4月初めに 把握した。

共同研究者のデータは 保存していなかった。 

指摘されているデータが 自分のノートからは 出てこない。 

これは 反省するしかない。   日本の科学者の 見本と

ならないといけない立場は 十分 理解している。

心から おわび申し上げる。  しかし、、 論文内容については

一点の曇りもない。 自分の論文に 疑問を持たれるのは

死ねと言われるのに 近い 痛みを伴う。

心より、悔やんでいる。」と、 記者会見で 述べました。

山中教授が 14年前の 論文データ不備を 謝罪したのは 異例。

神戸大の 森井昌克教授は  「重箱の 隅をつつくような

間違い探しは 意味がない。  山中氏以外の 他の

著名な研究者も ありもしない疑義を かけられるかもしれない。

本質以外で 騒がれるのは 科学界にとって マイナスだ。」と

指摘しています。



30日に、 小保方氏の 代理人弁護士は

理研の調査委員会に対し、 データの〝改ざん〟や 〝ねつ造〟の

定義を確認する 質問書を 送ったのです。

質問書では、〝ねつ造〟や〝 改ざん〟を あらためて 否定。

石井氏の論文が〝改ざん〟とされないことに異議(TV)、

〝改ざん〟に当たる 具体的な行為や 正しい画像とは 別の画像を

誤って 論文に掲載しても 〝ねつ造〟にあたる理由を

尋ねているのです。

小保方氏の論文を 「不正」と判断した 最終報告書について、

弁護士は 「あの報告書が 確定してしまうと 私の知る限りだけでも

かなりの 「不正」が 出てくる。  倫理の問題と 研究不正が 混同されており

冷静に 議論をするために 質問書を送った。」 と しています。



論文の撤回については、小保方氏は 「国際的には 結論が

間違いだと 発表することになる。 結論が 正しい以上

撤回はしない。」とし、

理研 発生・再生科学総合研究センターの 笹井芳樹・副センター長は

「予断のない 高いレベルの 検証が必要なので 撤回が 最適。

小保方氏の論文は 不備があったので、 論文を 一旦 取り下げ、

隙のない 緻密な論文を 作り上げ、 再提出 してほしい。」 と しています。

理研の見解は 「不正が確定すれば 取り下げを 勧告、

小保方氏が所属する 研究センター長は 撤回を 既に 要請済み。」

と しているのです。



26日発売の 月刊 「WiLL」の中で  神経内科医 西岡昌紀氏が

「週刊誌、TV  小保方叩きの 異常」ということで

小保方氏を 擁護すると 記事を 載せています。

「〝誰かの役に立つことを 願ってやまない〟と

記者会見の席で 語った言葉があり、 誹謗、 中傷と呼ぶべき

マスコミからの バッシングを受けながらも

STAP細胞の研究を 中止にしないでほしい、と訴えたのだ。

本来ならば、小保方さんを サポートするべき

理研の「上司」達が 長く だんまりを決め込み

小保方さんだけを 悪者に仕立てた 光景を見ると

「多忙な」 共同研究者達が 彼女の書いた論文を

ろくに目も通さず、 ネイチャーに 論文を送ることを

強いていたに違いない。」と。

また、 同じく ジャーナリストの 堤堯氏と 久保紘之氏の 対談でも、

「科学は マター(事実)の問題で、マナーの問題じゃないはずだ。

だからこそ、 第三者 立会いのもと、 彼女に

実験をやらせてみれば 済む話じゃないか。 (STAP細胞の有無) 

何も 法廷に持ち込まれるような 話ではない。」と・・・。



理研の改革委員会は 連休明けに 再発防止策などの

提案書を まとめる予定だったのですが、 石井氏の辞任によって

理研全体の 研究倫理や 組織の統治が 問われるのは 必至で

信用回復は 容易でなさそうと 産経新聞の記者は 言っています。

日刊「ゲンダイ」では「 「もう一度、STAP論文について聞き取り調査を

したい」という理研に対し、「質問は書面で。」と〝拒絶〟した

小保方氏を 〝勝手だ〟、早大大学院時代に執筆した論文が

100Pのうち、20Pがコピペだった。    学生時代から

不正に手を染めていたらしい。」と 厳しい記事が出ています。

早稲田大学では 今年 4年に一度の 総長選の年。

現職の 鎌田薫総総長が 無風再選と 確実視されていましたが、

今回の 小保方氏の問題が 影響する可能性があり、

波乱が あるかもしれないとのこと。

コピペ論文を 提出した学生に  「論文盗用による

修士学位の 取り消し処分」 にしたのは、 2012年2月のこと。

学生を指導した 教授達も 口頭注意という  軽い処分で

済まされたのでした。

鎌田総長は リーダー・シップが無く、 コピペ問題に

もっと 早く 取り組むべきだったという声が 上がり、

総長選に 影響が出るのでは? とまで 言われています。



皆さま どう思われますか?