先日の 1月28日に 国会中継で「代表質問」が 参議院本会議場から中継


されており、 お仕事のご都合などで、 ご覧になれなかった方々のために、


国会民主党・新緑風会の広野ただし議員、 自民党・参議院議員の 


ありむら治子議員の 代表質問を ご紹介させていただきました。


今回は、たちあがれ日本 参議院代表 藤井孝男議員の代表質問を


ご紹介させていただきます。


〝 私は、 たちあがれ日本・新党改革を代表して、 菅内閣総理大臣の


所信表明演説に対し、 質問をいたします。


 さて、 民主党政権が国民の期待を裏切り、 もはや政権党の名に値しない


ことは、 世論調査の数字を見るまでもなく 明らかであります。


 なぜ、 民主党・菅政権が 多くの国民から見限られたのか、 それは昨日の


わが国の国債格付け引き下げに対する 総理の発言ひとつとっても日本国の


リーダーとしての資質に 欠けることはもちろんのこと、 民主党政権が、


我が国の領土・領海はもとより 国民の生命も 財産をも守ろうという気概も


責任感も 全く感じられないということがはっきりと分かったからであります。


「友愛の海」だとか「日本は日本人だけのものではない」などという鳩山前総理


の発言。 尖閣諸島領海侵犯事件での 毅然としない対応。 頻発する


集中豪雨被害や、 首都圏直下型大地震などの脅威に晒され防災対策としての


公共事業を本気で考えなければならない わが国なのに「コンクリートから人へ」


「命を守る」と叫びながら、 公共事業を削減して 「日本人の命を脅威に晒して


いる」という本末転倒。 マニフェストにも書いていない夫婦別姓や外国人参政権


を推し進めようとする 政治姿勢を見れば、 民主党には、 日本の歴史や伝統や


文化に対する理解も敬意もない、 わが国が 直面する危機に対する認識も


将来に対するビジョンも 国家理念もないということを 満天下に知らしめた


ということであり、 このような政権は わが国の主権、 独立国家としての存続を


危うくするものと 言わざるを得ません。


 さて、 私は、 わが国の安全保障とデフレ問題の二点について質問させて


いただきます。


尖閣諸島領海侵犯事件の反省に立って、 政府は国の安全保障について真剣


に取り組まなければならないにも かかわらず、 総理の 施政方針演説では、


ほんの僅かしか 触れられておりません。 しかも 内容は、 大型巡視船の


更新を早めるということと 海上警察権の強化を 検討するというだけで、


法改正を含む具体的な内容は 残念ながら 皆無でありました。


 北朝鮮の核開発や 韓国への武力挑発、 中国海軍の著しい軍拡をはじめ


東アジアの情勢は緊迫し、 多くの国民が 国の安全ということに不安を


抱いております。 総理はこのような国際情勢を 国家の危機と捉えられている


のかどうか、 一体 わが国の安全保障について どのような基本的な戦略・


展望をお持ちなのか、まず 総理の所見を 伺います。


昨年の、 尖閣諸島での 領海侵犯事件を見ればわかるように、 現在わが国は


領海侵犯という犯罪行為に対して、 「外国人漁業規制法」や「公務執行妨害」と


いった法律で対処しているお粗末な状況であります。


昨年九月に海上保安庁の巡視船に 体当たりをしたあの悪質な中国人船長で


さえも無罪放免であります。 従って何度でも 領海侵犯や違法操業が 繰り返


されております。


わが党はこの事件以来、 領域警備法の整備を訴えておりますが、 まずこれら


の主権侵害行為を 取り締まる根拠として「領海侵犯罪」を新設し、 違法外国


漁船に対しては 罰金や罰則を付与する 立法措置を執るべきだと考えます。


また、 命がけで任務に当たっている 海上保安庁職員がその責務を果たせる


よう、 立ち入り検査のための 武器使用要件の緩和や装備の充実も早急に


行うべきであります。


このことに関し、 昨年十月二十二日、 国土交通委員会での私の質問に対し、


当時の 馬淵国土交通大臣は 海上保安庁の体制を抜本的に見直し、 「海上


警備大綱」のようなものを 策定する意向である答弁をされ、 去る一月七日に


「海上警察権のあり方に関する検討の国土交通大臣基本方針」を公表され


ました、 現政権はこの方針を継続するのか、 また いつまでに法整備を含む


結果を出すつもりなのか、 国土交通大臣の所見を伺います。


 一方、 驚くことに わが国を防衛する自衛隊には 平時における領域警備


任務が与えられておりません。 確かに自衛隊は毎日、 領土・領海の


パトロールを行っていますが、 他国の軍隊と異なり、 領海で外国船舶の


違法行為を発見しても、 海上保安庁に通報するだけで、 直接、 外国船舶


に警告を発することもできないのです。 このような状況を放置するのは


政治の不作為であり、 国民の生命を守り、 領土・領海を守るという 国家の


責任を 棄するものであると思います。


私は、 安全保障問題こそ 超党派で議論する場を設け、 速やかに 自衛隊に


対して 平時における領域警備任務を付与するべく、自衛隊法改正を行うべき


だと考えますが、 総理並びに 防衛大臣の所見を伺います。


 また、 多くの国民が、 中国の軍拡と 日本政府の対応に不安を感じています。


 実際、 中国政府は平成四年に「領海法」を制定し、 我が国固有の領土である


尖閣諸島や東南アジア諸国と争っている 南沙(なんさ)諸島や西沙(せいさ)


諸島を中国領土だと、 一方的に宣言しました。


更に、 昨年、中国政府は 「海(うみ)島(しま)保護法」 という法律を制定して、


尖閣諸島を含む無人島を 中国の管轄下に置くことを宣言し、 東シナ海全体を


支配するための態勢強化を着々と進めています。 政府は、このことについて


中国政府に抗議や対処をしたのでしょうか。 外務大臣の所見を伺います。


私は、 国の安全と国民の安心が政治の最大の使命だと思っております。


その根本は「自分の国は自分で守る」という当たり前のことを 政治が責任を


持って遂行することですが、 これがなかなか実行されてこなかった。


その最大の理由は 憲法にあると思います。


それは「日本国憲法」の前文「平和を愛する諸国民の 公正と信義に信頼して


われらの安全と生存を保持しようと決意した」という文言によって「自分の国


は自分で守る」ことを放棄したことです。 自国の生存を他国にゆだねるような


憲法は他には一つもありません。


たちあがれ日本は、 綱領の第一に 自主憲法の制定を 挙げております。


我々は、 平和と安全を 保持するために 早急に憲法審査会を開始して、


憲法改正について タブーのない議論を 始めるべきだと思いますが、


民主党の代表として 菅総理の所見を 伺います。


 さて、 私たちの暮らし、 経済は一向に良くなるという実感が得られません。


日本経済が復活しない理由は、  言うまでもなく 日本がデフレという病気に


かかっているからであります。


民間の需要が収縮する中、 デフレから脱却するには 不足している需要を


公で供給する、 すなわち政府による需要拡大を 行うことが不可欠で


あります。


リーマンショックで 世界経済が震撼した時、 米国をはじめ多くの国々が


公共投資を積極的に増大し内需拡大に成果を上げました。


私は公共事業の集中投資によって、 本気で 早急にデフレを脱却し、 正常な


成長路線を復活させることを優先すべきだと考えます。 これによって、 税収は


自然に回復します。 GDPを現実に成長させない限り 財政再建はありえないと


思いますが 総理の所見を 伺います。


実は わが国が必要としている 公共事業は山のようにあります。 たとえば


高度経済成長期に建設された さまざまな 橋が、 いま一気に 寿命を迎えつつ


あります。 地方が管理している 大規模橋梁は 約十三万橋ありますが、


その約七割は 未点検で放置されております。 全国の老朽化した橋を補修


するには八十兆円程度かかると 試算されていますが、 橋が落ちれば


人的被害のみならず、 都会であれ地方であれ、 その地域では 日常の


経済活動に甚大な影響が 出ることは 言うまでもありません。


日本経済は それを支えているインフラによって維持されております。


ところが、わが国は この十五年間ずっと公共投資を削減し続けて


きました。 内閣府の試算によれば デフレギャップは三十兆円から


三十五兆円とも言われます。 であれば、 年十兆円規模の 積極的な


公共投資を少なくとも 三年程度継続すれば 日本経済のアンバランスが


改善されます。 財政法上認められ、 同じ借金でも 赤字国債とは違い、


資産として残る インフラ整備のための 建設国債を財源とすることは


「つけを後世に回すことにはならない」 と思いますが、


総理の所見を 伺います。


最後に一言申し上げます。 論語に「民(たみ)信無くんば立たず」という言葉が


あります。「政治に最も大事なことは信頼である」という意味であります。


菅内閣で経済財政を司る特命担当大臣は 経済演説の中で「政治家としての


原点は、 日本の豊かさを 失いたくないということ」だと強調されましたが、


あなたはその前に人間として、 また政治家としての「信」を失ってしまいました。


どのような立派な政策を並べようとも、 人間の信頼が失われた中でいい仕事が


できるわけがありません。


 同じことが、 この約二年間、 沖縄県民の信頼を裏切り、 日米関係の信頼を


損なってきた民主党政権全体にも 当てはまることは言うまでもありません。


政治の原点は「国と国、人と人との信頼である」ということを重ねて申し上げて


私の質問を終わります。  〟



みなさん、 率直なご意見をお寄せ下さい。