永田寿康元衆議院議員が、ご自身の千葉選挙区から程遠い北九州で
B5のノートと空になった焼酎パックだけを残し
新年1月3日、入院先の病院を抜け出し、
近くのマンション11階から飛び降り自殺をした。


2006年2月におきたガセメール騒動。
衆議院議員予算委員会で
「ライブドア元社長の堀江貴文氏がメールで、
自らの衆院選出馬に関して武部勤自民党幹事長の次男に対し、
選挙コンサルタント費用として3000万円の振込みを指示した」
などと指摘。
だがメールが捏造だったとして一連の騒動の責任を取り、4月に議員を辞任。
当時の前原誠司民主党代表が辞任するまでに至った。


彼は慶応志木高校から東大工学部、大蔵官僚、そして衆議院議員となる。
絵に描いたような誰もが羨むエリートコースを歩み、政界に燃え
エネルギッシュで、しかも男前。
まさに順風満帆の人生だった。
そんな彼が39歳の若さで自殺とはもったいないこと。
若き政治家として、日本の未来の為に色々なことが出来ただろうに。


この真面目な未来ある青年の夢が、こんなにも脆く崩れてしまったのは、
政治家として名をあげるのに勇み足だった為か。
世間知らずで、見破れなかったのか。
それとも・・・


このガセメールは誰かにより捏造され、
彼の手に渡り彼がそのメールを本物と信じきってしまったばかりに
当時の自民党幹事長の武部氏に国会で詰め寄ってしまった。
しかしこのメールが信頼できるという根拠がなく、
後日偽造だったと判明、
その後彼が辞任させられるという転落の結末。


前原誠司民主党代表、野田佳彦国対委員長まで飛ばし、
果てには当人が自殺。
1人の未来ある議員を死に追いつめるまで破滅させた
このメールを仕組んだ人間は、犯罪者でなくて、何であろう。


にもかかわらず、なぜ、追求されないのだろうか?
なぜ、永田氏がその人の名前を口にしなかったのか?
この経緯は実に不可解だ。
ご自分の命と、犯人と、どちらが大切なのか。
名前と経緯を発表することで、
自分の落度を謝罪しながら、しかし、汚名を晴らすことも出来たであろうに。
彼が何も言わずにこの世を去らなければならないほど、
明かせなかった仕掛人とは一体誰なのか?


世間や党に恥をさらしながらも
今まで必死に耐えてきた彼の心情を考えると、やるせない。



年末は自殺者の数が増加するといわれているが、
希望や期待を胸に明るく新年を迎えるべく、
お正月である1月3日に命を絶つというのは、
どんなにか、彼が孤独で絶望的だったか察せられ、胸が痛む。


某レポーター(一説には西澤孝という人物)によって捏造された
怪メールは、ライブドア社員経由で入手したとあるが、
未だに実態は闇のまま。


しかし民主党の責任はどうなのか。
少なくとも辞任した当時の前原誠司と、野田佳彦両氏は、
誰から入手したのか永田寿康氏から聞いているはず。
もし、亡くなった永田寿康氏自身がこのメールの捏造を
初めから知ってやっていたとしたら
自ら仕掛人は自分だなどと、口が腐っても告白することは出来ない。
故に解明されぬまま謎の顛末となってしまっているのかもしれない。


とすると、西澤孝なる人物と二人で共謀したことになる。
それ以外考えられない。
ライブドア社員にメールを打たせたという組立てが正しければ
彼が何故何も言わぬまま、命を絶ったのか判る気がする。


どうかこの説が間違いでありますように・・・


ライブドア関連で、
沖縄でのエイチ・エス証券野口英昭副社長(当時38歳)の
カプセルホテルでの凄惨な自殺のように、
この事件も記憶の片隅へ消えていってしまうのだろうか。