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朝日、毎日、読売の3紙でNPT会議決裂に関する社説が書かれた。産経新聞は社説にとりあげなかった。
今日も各紙社説を比較していこう。
そもそもNPT会議とは何か。決裂したとはどういうことか。大まかな概要はこうだ。
“5年に1度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で意見が割れ、最終文書を採択できなかった。
その直接の原因は核を保有するとされるイスラエルを想定した「中東非核地帯構想」に関する国際会議を、来年3月1日までに開くとした最終文書案を巡り対立があったからだ。”
読売新聞より一部抜粋及び改訂
これについて各紙が思うところを各々述べている。今日の比較ポイントは被爆地広島・長崎への訪問案が中国の反対により最終文書から削除された件についてだ。これについては大きく言及した新聞もあれば、軽く流した新聞もある。
それでは一つずつ細かく見ていこう。
朝日新聞
全体として他紙と変わりのない内容となっている。強いて違いを挙げるとすれば被爆地訪問案削除への言及についてだ。朝日新聞は社説内で『日本が提案した広島、長崎への各国指導者らの訪問も、地名は削除されたものの趣旨は最終文書案に盛り込まれていた。』と、この程度しか書いていない。
読売新聞
こちらも全体として他紙とは変わりのない内容である。しかし朝日新聞と大きく違う点が被爆地訪問案削除への言及である。朝日新聞が軽く流したのに対し読売新聞は社説内で下記のように長々とこの件について言及している。
『世界の指導者や若者に広島、長崎への訪問を促す文言が最終文書案から削除された問題では、日本が粘り強く復活を求めた。その結果、被爆者の体験を共有することの重要性を確認する表現で、削除を主張した中国と折り合った。被爆地訪問の教育的効果を強調する文言が最終文書案に残ったことは、巻き返しを図った日本外交の一定の成果と言える。核保有国である中国が「日本は自らを加害者ではなく、被害者として描こうとしている」などと主張し続けたことは認められない。軍縮協議の場に歴史問題を持ち込むことは筋違いである。』
毎日新聞
今日の最優秀賞は珍しく毎日新聞にあげても良いかもしれない。非常にバランスのとれた内容となっている。あえて気になる点を言えば「持つ国」「持たざる国」という言葉を多用しているところだろうか。この言葉は第二次世界大戦のきっかけともなった植民地を「持つ国」「持たざる国」間の対立を彷彿とさせる。
良い意味でも悪い意味でもドローンというものがその知名度を上げつつある。
そもそもドローンは携帯電話などの無線通信技術と同様に軍事産業由来の技術であり、無人の航空機全般を指す言葉だった。ネット通販大手Amazonがドローンを使ったサービスを発表したことなどもあり、欧米では二年ほど前から知られつつあった。
当時、日本のメディアはドローンという言葉は使わずに小型無人飛行機という言葉を代わりに当てていた。それがいつの間にか“ドローン”という呼び名が浸透しつつある。
『ドローンは革新的なアイディアである』
このように語る企業も少なくない。
その一方でドローンを悪用した事件も起きるようになった。
先月には首相官邸の上に微量の放射線を放つドローンが墜落した。最近ではノエルという名を使ってネット上で活動していた15歳の少年がドローンを飛ばそうとしたことにより逮捕され、ドローン少年としてメディアを騒がせている。
私の個人的な意見を言うとドローンは活用すべきだろう。携帯電話やインターネットが我々の生活を一変させたようにドローンも我々の生活を一変させるかもしれない。だからこそ規制も無いに越したことはない。しかし規制への動きが加速しつつあり、規制もやむ終えないというのも事実である。
新聞各紙がドローンに対してどのような社説をこれから書くのか。非常に気になるところである。
朝日、毎日、読売、産経の4紙で“政府によるイスラム国の対応を検証した報告書”に関する社説が書かれた。
今日も各紙社説を比較して行こう。
そもそもイスラム国への政府対応検証報告書とは何か。
大まかなに言うと下記のようになる。
“イスラム国による後藤健二さんら2人の日本人人質殺害テロに関する政府首脳と有識者による検証委員会の報告書”
毎日新聞より一部抜粋及び改訂
昨年、イスラム国により行われた悲惨な邦人の人質殺害テロ。これは各メディアが連日報じたので周知のことだろう。それに関する政府の反省文とも言える報告書が出された。
これについて各紙が思うところを各々述べている。今日の比較ポイントは新聞によって批判対象が大きく二つに違っているということだ。
ある新聞は政府の報告書の不十分さを指摘し、ある新聞はテロ対策への不十分さを憂いている。
それでは一つずつ細かく見ていこう。
朝日新聞
社説の題名『IS事件検証―再発防止に資するのか』からも分かる通り朝日は典型的な政府批判型だ。特に最初の文『非道な国際犯罪の犠牲を防ぐ観点からは、極めて不十分だと言わざるを得ない』からは強い批判の意が伝わってくる。いわゆる身内のみで行われた検証委員会が議論を深める上で不十分であったというのは納得できる。しかし後述する産経新聞などと違い、政府見解をなぞった具体的なテロ対策を明確に示していない。むしろ朝日新聞は政府のテロ対応を批判することがテロ対策に繋がると言わんばかりに政府批判に徹している。言い過ぎかもしれないが、そのせいで朝日新聞を読んだ人が“政府批判=テロ対策”と混同してしまう可能性も否めない。
毎日新聞
大筋は朝日新聞と同じ政府批判型。しかし結論部分では『情報収集能力の向上やアラビア語などの専門家の育成も必要だろう』と述べており、対策批判もしているという点は毎日新聞らしい社説と言える。しかし突筆すべきはその後の部分である。
『「平和国家・日本」のイメージを揺るぎないものにすることも大切にしたい』
このような意見を書いたのは毎日新聞のみである。平和国家・日本のイメージを揺るぎないものにすればISは日本に危害を与えてこないと言えるだろうか。ISが平和国家というものを理解できるとは到底思えない。この意見はそもそも今回の社説とは話題がズレているのではないかという疑問も残る。
読売新聞
読売新聞は典型的な対策批判型である。現状の日本におけるテロ対策の不十分さを強く指摘している。政府の見解を歪みなく真に報道する姿勢は素晴らしい。全体的に良くまとまった社説と言える。1つ文句を付けるとすれば、いわゆる身内での検証委員会への指摘がないのは少し残念である。しかし私は読売新聞にも政府批判をしてもらいたいと言っているわけではない。政権寄りの新聞としての意見を示してもらいたかったということだ。
産経新聞
こちらは読売新聞よりも更に踏み込んだ対策批判型といえる。最もテロに対する危機意識が高いとも言える。具体的な対策にもしっかりと言及していて現実味があって良い。あえてマイナスポイントを挙げるとすれば読売新聞と同様、検証委員会への言及がないということである。
読売、朝日、毎日、産経の4紙でイルカ漁に関するニュースへの社説が書かれた。
今日も各紙社説を比較していこう。
そもそも何故イルカ漁が問題なのか。
大まかなあらすじはこうだ。
“日本動物園水族館協会(JAZA)は先月、イルカ漁が倫理規定に反するとして、世界協会の会員資格を停止された。イルカを追い込み漁で入手し続ければ、除名するとも通告されていた。
そして日本動物園水族館協会(JAZA)が、その要求を受け入れ、世界協会傘下にとどまることを決めた。”
読売新聞より抜粋及び改訂
しかし、捕鯨と並んでイルカ漁は日本の伝統文化である。
このことについて大手4紙は概ね同じ意見を書いている。普段意見が噛み合わない各紙からするとこれは意外なことであり、驚きである。
しかしながら細かいところには違いがあるので一つずつ見ていこう。
読売新聞
読売新聞はWAZAの日本文化を顧みない態度を批判しつつ、日本の伝統文化について国際社会の理解を得る努力を続けていかねばならないと正している。実に良くまとまった社説である。国際社会に理解を求める力、これは今回の件に限らず今の日本に求められている力と言える。
朝日新聞
朝日新聞は日本の伝統文化ではなく今の動物園、水族館の生物保護の拠点としての在り方を理解してもらうべきだとしている。日本の伝統文化としての捕鯨、イルカ漁の在り方に肯定的に言及しないところはどうかとは思うが、他紙と違った視点を持っていて良い。
毎日新聞
前半部分は朝日新聞と同じような論調、しかし結論部分では【文化や伝統の違いが生む、「残酷」との誤解を解く努力を重ねていく必要がある】と伝統や文化の相互理解への努力についても言及している。序論と結論に僅かながら誤差が出るという毎日新聞らしい社説と言えよう。
産経新聞
保守系新聞を代表する安定した社説となっている。はじめに【世界動物園水族館協会(WAZA)の通告は事実誤認と偏見に基づいてはいなかったか。孤立化をちらつかせて日本を追い込んでいく手法には憤りを覚える】と日本の現状を強く訴える姿勢も他紙には見られない。産経新聞の良い特徴と言えよう。




