マット・デイモンさんがなぜか中国にいて、野蛮な盗賊なんかに襲われていたと思ったらいきなり目の前に巨大な城壁が! 「な。。。なんじゃこりゃぁ!」などと松田優作ばりに驚きつつその全貌に唖然。それはまさかの「万里の長城」であった。などという、派手に泥酔でもしていないと思いつかないようなプロローグで観客の度肝を抜く『グレートウォール』は全人類必見です。
「万里の長城」と言えば、誰もが知っている世界最大の歴史的建造物。全長6000キロメートルもある大城壁なわけですが、そんなものをなぜ作ったのかというと、実はこういう理由があったのでした。だはは。とかいいながら語られる物語は、あまりにもデタラメすぎて、マジメに映画を観ることの愚かさを改めて教えてくれました。
映画を観て豊かな感受性を養おうとか、知的欲求を満たそうとか、人生の糧になるような教訓を得ようとか、そんなご立派な動機で劇場に足を運んだ天真爛漫な観客がいるのであれば、そんな人たちは全員ことごとくクソをぶっかけられた気持ちになること間違いなしのこの作品。
まず「万里の長城」の存在理由がとんでもなくデタラメ、登場するキャラたちの設定がデタラメ、敵とのバトルシーンがデタラメ、作戦もデタラメ、敵の行動がデタラメ、味方の行動もデタラメ、クライマックスもデタラメ、ラストもデタラメ。つまり頭から尻尾まですべてデタラメ。
あまりにもデタラメすぎて、デタラメであることが正義になってしまう感覚ってわかりますか?
もともと「映画」なんてのはデタラメなものなんです。でも、観客はそれを許さない。
「映画」というフィクションの世界でも、常識とか道徳とか、愛とか夢とか、リアリティを求めてしまう人が多い。
歴史映画を見れば「史実と違う」と文句をつける。
SFを見れば「科学的根拠がない」とか、恋愛映画に「彼女の行動が理解できない」とか、あげく最後には「ありえない」とか文句を言う。
「ありえない」モノが観たいから映画館に来たんじゃねーのかよオマエ!と。
この『グレートウォール』という作品は、ありえないことしか起きません。「納得」も「共感」も「根拠」も「理解」も何ひとつできない。
しかし、最初から最後までクソ面白くて、エキサイティングで、見たことのない出来事や素っ頓狂な展開がずっと続きます。
冒頭からテンションだけで乗り切る気マンマンというか、何をやっているのか全然わかんないけどとにかく展開だけはやたらと早くて、アクションだけはやたらと凄い。
うおおおおおおおおおお!とびっくりしている間に1時間43分過ぎてしまうというスゲー作品。
圧倒されるほどデタラメなものを見せなければ映画じゃない。
てことは、この作品はまぎれもなく「映画の中の映画」!
映画の根性、見せてもらいました!
100点満点!




