葛城の迷宮 -37ページ目

『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』

監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:ジェイミー・ベル
(声) アンディ・サーキス
    ダニエル・クレイグ
    サイモン・ペグ
    ニック・フロスト

少年記者タンタンと愛犬スノーウィは、蚤の市を楽しんでいる時、鏡に映り込んだものを見て息を飲む。
「見ろよスノーウィ!すごい代物だ!」
彼が見つけたのは、素晴らしいディテールの帆船模型だった。
骨董屋の主人交渉をして半額に値切り、彼はその模型を手に入れる。
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帆船を持ち帰ろうとしたとき、彼は二人の男に声をかけられる。
初めの小太りの男は、買った値段の倍を出すと言う。
次に声をかけてきたのは、サッカリンと名乗る眼鏡を掛けた神経質そうな紳士。
「いくらでもいい。君の言い値でその模型を買い取ろう。」
その言葉の裏に、この帆船模型には何か秘密が隠されていると睨んだ彼は、売る気はないことを告げてスノーウィと一緒に帰宅する。

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図書館で調べてみると、ユニコーン号には様々な伝説が残っていた。
海賊船と戦って財宝を積んだまま沈んでいった軍艦だったこと。
そして船長のフランシス・アドック卿が暮らししていたムーランサール城の現在の所有者が、帆船模型を欲しがっていたサッカリンだということ。
すごい特ダネがあることを確信したタンタンだが、帰宅すると部屋は荒らされて帆船模型も消えていた。


模型を飾った棚の裏には、折れたマストに隠されていた金属製の小さな筒が落ちており、その中に羊皮紙が丸めて入れられていた。
羊皮紙に書かれている内容によると、ユニコーン号の模型は全部で3体あり、それぞれに書いてある文章を合わせると莫大な財宝の隠し場所がわかる仕掛けになっているらしい。

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すると、突然アパートのドアをノックする音が聞こえる。
ドアの向こうには、初めに模型を売ってくれと声を掛けてきた小太りの男。
「あの模型を持っていると、命に関わる危険に巻き込まれる!」
そう言ったと同時に銃声が鳴り響き、ドアの向こうで男は撃たれてしまう。
彼は気を失う前に、持っていた新聞紙に自分の血で “カラブジャン” とメッセージを残していた。

”カラブジャン” とは、一体何だろう・・・?
頭を悩ますタンタンと、刑事たち。


翌日タンタンを訪ねて男たちがやってくる。
たちまち彼は、”カラブジャン行き”と書かれた木箱に入れられて拉致される。

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タンタンを追いかけてきたスノーウィが辿り着いたのは、港に停泊していた”カラブジャン号”
サッカリンの指示で監禁されていた彼を見つけ、そのまま船の中を調べてみると、どうやら同じように監禁されていたハドック船長が目を覚ましたらしい。
この船の船長であるハドックを救出した彼らは、命からがらカラブジャン号を脱出する。

「アドックの真の血を引く者だけが秘密を知る」
歴史を変えてしまうほどの財宝を載せて消えたユニコーン号の秘密を探すため、
タンタンとスノーウィ、そしてハドック船長の冒険が始まる。


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『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』が大不評だったスティーブン・スピルバーグ。
今回はピーター・ジャクソンとタッグを組んで、ベルギーの漫画家エルジェの『タンタンの冒険旅行』 を映像化した。

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欧州では誰もが知ってるらしい、この 『タンタン』
上のイラストの人物は、誰しも一度は見たことあると思う。
ぼくも前から好きだったので、作品の映像化は待ち遠しかった!
(昔2万円のフィギュアを買った友人ほどではないけれど・・・)

今回は『なぞのユニコーン号』 『レッド・ラッカムの宝』 『金のはさみのカニ』をひとつに合わせて脚本が書かれた。
よくよく考えてみたら、『インディ~』も同じ冒険物なので、2作続けてテーマは同じ。
しかし不評だった前回の演出を反省したかのような優等生ぶり!

『007』シリーズのようなシルエットだけのオープニングがお洒落!
(もちろんシルエットはコミック版ね)

ヨボヨボインディには出来なかったアクションを、これでもか!とばかりに繰り出す。
ただ、相変わらず落ち着いた”間”や印象的な風景などはナシ!
CG作品だから仕方ないかも知れないけれど、『WALL-E』は、ため息の出るような映像を表現してたぞ。
まぁスピルバーグ作品にそんなものを求めるのがおかしいか・・・

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お馴染みの青いニットとニッカポッカに尖がった前髪。
声を担当するのは、『リトル・ダンサー』 『キング・コング』のジェイミーベル。
タンタンの設定は16歳くらいらしいので、まだあどけなさの残る表情。
産毛もあるし、薄っすらソバカスもある。
ギリギリCGっぽいけど、観ているうちは本物の人間と大差ない。
青いニットの上質さまで伝わる。

ちなみに後ろの二人は、インターポールのトムソンとトンプソン(デュポンとデュボン)刑事。
原作では、双子でも親戚でもないのにソックリという設定だったと思うけど、今回は双子という設定に変えられているみたい。
声の担当は、『ショーン・オブ・ザ・デッド』 『ホット・ファズ』で大人気のコンビ、サイモン・ペグとニック・フロスト。
脚本に関わったエドガー・ライトに連れてこられたんだろうな。

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漫画そっくりのスノーウィ。
ムーランサール城の番犬が出てくるけど、そっちはほとんど本物に見えるので、2匹が並ぶとなんだかおかしい。

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カラブジャン号の持ち主で、アドック卿の子孫でもあるハドック船長はギャグ担当。
極度のアルコール中毒で、お酒が入っているとそこそこ普通だけど、お酒が切れると妄想を見たりする。
基本的に下品なので、観ている子供たちは大喜び!
声を担当するのは『猿の惑星 創世記』のシーザー役もこなしたモーション・キャプター俳優アンディ・サーキス。
さすがの表情とリアクションで観客の心をギュッと掴む。
しかもよく見ると、チョット鼻毛が出てたりもする
WETAスタジオ、芸が細かすぎ!
口ぐせは、「ビックリ、フジツボ!」

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サッカリンを担当するのは、『007』ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグ。
神経質でいかにも悪者という感じだけど、回想シーンに出てくる海賊レッド・ラッカムは、悪役ながらカッコイイ!
アドック卿との対決はキレのある演出で、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のグダグダチャンバラを上回る!

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何か物足りない・・・と思ってたら、この作品はヒロインが出てこない!
続編を製作する予定だけど、インディやジェームズ・ボンドみたいに作品ごとにヒロインを取っ替え引っ替えするワケにはいかんしね~

手に汗にぎるアクションの連続だけど、ふと気付く。
「コレ、CGだよな・・・」
元が漫画キャラクターなので、あえてデフォルメされているけど、背景の人物なんかは普通の人間に見える。
とうとう人間を作り出す技術が完成したようだ。
アカデミー最優秀キャラクター賞が創設されるのも、時間の問題だな・・・

予定では次回作の監督は、ピーター・ジャクソン。
ちょっとグロテスクな雰囲気になったりするんだろうか。
3作目は二人で共同監督するらしいけど、どうなるのかな・・・