『レ・ミゼラブル』
監督:トム・フーパー
出演:ヒュー・ジャックマン
ラッセル・クロウ
アン・ハサウェイ
アマンダ・セイフライド
エディ・レッドメイン
イザベル・アレン
サマンサ・バークス
サシャ・バロン・コーエン
ヘレナ・ボナム・カーター
1815年、囚人番号24601号の男は他の囚人達と一緒に、転覆した巨大な船を引き揚げていた。
男の名は、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)。
彼は19年間服役していた。
妹の子供がお腹を空かせていたことを見るに見かねた上で、たったひとつのパンを盗んだ罪によって。
囚人達を監視する役目にあったのは、法を遵守することこそが正義と信じる男ジャベール(ラッセル・クロウ)。
作業を終えて戻ろうとしていた24601号に、船のマストに取り付けられた旗を取ってこいと命じる。
彼は折れた巨大なマストを渾身の力で持ち上げ、旗を抱えてきた。
その姿はジャベールの記憶に強烈に焼付く。
仮出獄したジャンだが囚人である彼はどこへ行っても相手にされず、寒さに凍えているところを司教に助けられる。
暖かい食べ物と寝床を提供された彼だが、司教らが寝静まった夜更けに出来心から銀食器を盗んでしまった。
翌日警官に逮捕され教会へ引き摺ってこられたジャンに、司教は忘れ物だと言って銀の燭台も手渡し、全て彼に譲った物だと警官に話す。
人の優しさに触れた彼は心から悔い改め、人生を一からやり直すことを決意する。
1823年、模造宝石の工場で働いていたファンティーヌ(アン・ハサウェイ)はその美しい容姿から、
他の女工員からの嫉妬の的になっていた。
娘コゼットが急病だという内容の手紙が、預けている宿屋夫婦から送られてきた。
至急に金を工面をしなくてはならないが、私生児の存在を隠していた彼女はここぞとばかりに皆に叩かれる。
そこへ現れたのは工場の所有者であり、街の市長でもある男。
かつてジャン・バルジャンと名乗っていた男だった。
争っている女たちを仲裁しようとしていたジャンに、男が訪ねてきた。
この街の警視として就任したジャベールが、市長に挨拶をするためにやってきたのだ。
市長の容貌を見て何かが引っ掛かるジャベール。
女たちの騒ぎもそこそこに、慌てて工場から出ていくジャン。
彼が外に出た時、ひとりの男が荷車の下敷きになっていた。
大きな荷車をひとりで持ち上げる市長の姿と、古い記憶が重なってある男を思い出したジャベール。
市長こそ仮出獄中に姿を消した24601号に間違いないと、彼は確信する。
工場長にクビを通告されて送金の工面ができなくなり、途方に暮れるファンティーヌ。
美しかった髪を売り、歯を売り、とうとう身体を売る娼婦となるまで堕ちてしまった。
病に罹り人生に絶望した彼女の前を、偶然ジャンは通りかかる。
その弱りきった姿を見て、騒ぎの仲裁も放って逃げ出したことに彼は罪の意識を感じる。
宿屋を営むテナルディエ夫妻に預けた娘のことを、ファンティーヌは彼に託す。
実はミュージカル大好物なんです。
『英国王のスピーチ』で映画監督デビューを果たし、アカデミー賞の主要部門を総ナメにした
トム・フーパーの監督作品。
誰もがなんとなく名前だけは聞いたことのある、『ああ無情(レ・ミゼラブル)』のミュージカル舞台を映画化。
通常ミュージカルは、感情の盛り上がる場面を歌や踊りで表現することが多いんだけど、
この作品はセリフも全て歌う舞台版をもとにしてるので、映画版もそのまま全てのセリフを歌で表現。
みんな憧れの作品ということとオスカー受賞監督の意欲作ということで、キャストは選び放題だったに違いない。
集まったのは、考えうる最高の俳優たち。
しかしせっかくの映画化なのに、不満点は3つある。
①せっかく舞台からスケールの大きな映画にするのだから、ロケとセットの境目をなくしてほしかった
②上映時間の問題だろうけど後半を盛り上げるために、ファンティーヌのくだりまでやたらと忙しい
前半もう少し場面転換の編集に余裕を持たせて、余韻に浸らせてほしかった
③歌っている間に俳優の表情をとらえるのは映画ならではだけど、背景も含めた構図を工夫して
ため息の出るような映像を作り上げてほしかった
それだけ。
あとは素晴らしい!
手を伸ばしても俺は堕ちていく
罪の渦にのみ込まれる
そんな世界から脱け出そう
新たな人生を始めるのだ
物語の主人公であるジャン・バルジャン役には、
イケメンでスタイル抜群!
歌も踊りも抜群に上手い器用ビンボー俳優ヒュー・ジャックマン。
今回は丸坊主にするわ、ウ〇コまみれになるわの大熱演!
でもあまり印象に残らない。
怪力自慢のじいさんにしか見えないんだよなぁ。
だって出演者みんな、彼より歌が上手いんだもん!
しかも残念なことに、ジャン・バルジャンには印象に残るようなナンバーはないんだよね。
頑張った甲斐あってアカデミー賞ノミネート、おめでとう!
また司会してほしいな。
星よ 満天の星よ 暗闇に秩序と光をもたらす夜の番人よ
神よ 導きたまえ 奴を牢獄に送るまで
私は休まず探し続ける 星たちにかけて誓おう
法に従うことが絶対の正義と信じるジャベール警部。
しかしジャン・バルジャンと対峙することで、自分の信条に疑問を抱くようになってくる。
パッツンパッツンの制服に身を包んだマスティフ犬のようなラッセル・クロウが、
原作イメージそのままの素晴らしいキャスティング。
コイツに追いかけられたら、誰もが恐れて逃げ出すのも納得の強面だ。
代表曲、”星よ”を夜空の下で歌う彼の姿は、映画ならではの醍醐味。
自らのバンドでボーカルを務めるだけあって、意外と渋い歌声を聴かせてくれる。
かつてわたしは夢を見ていた
愛は不滅だという夢を見ていた
今でも私は夢に見るの
彼が戻ってくる夢を
この地獄とは まるで違う人生を
でも現実が夢を殺してしまった
女としての夢を捨て、母として生きる夢さえ叶わなかったファンティーヌ。
ミュージカル映画史上屈指の名場面となるであろう、アン・ハサウェイが歌う”夢やぶれて”
自ら髪を切ることを提案したものの、撮影直前に5分間だけ時間をもらって泣いたらしい。
だって彼女は撮影後に結婚式を控えていたから。
彼女の表情、歌声、演出が奇跡のように重なり、
きっと観た人は肌が泡立つような感覚を覚えたんじゃないだろうか。
彼女のパフォーマンスが予告で流れなければ、こんなに作品がヒットすることはなかったと思う。
ぜひともアカデミー助演女優賞を受賞してほしい。
ようそこ旦那 俺は街一番の宿屋の親父
だがご用心 最後の一滴まで搾り取るぞ
わたしにも夢があった 王子様に出会う夢
でも神さま、コレが私の王子様なの?
幼いコゼットを預かって女中のように働かせ、ファンティーヌに嘘の手紙を送りつけては
金をむしり取ってたのがこのテナルディエ夫婦。
宿屋の親父を演じるサシャ・バロン・コーエンはちょっと緊張気味みたいだけど、
女将役のヘレナ・ボナム=カーターは余裕シャクシャク。
原作と違って、きっと親父を尻に敷いてんだろうな。
とんでもなく非道な悪党夫婦なんだけど、この二人が演じるとなぜか憎めない。
私の人生
静寂の中で遠くから微かな歌声
私が待ち望んできた世界を歌ってる
もう孤独じゃない
恋をしている
ジャン・ヴァルジャンに引き取られたコゼットは、彼を父と慕ってひっそりと共に暮らす。
何一つ不自由のない生活をしてきたコゼットだが、話し相手はヴァルジャンのみ。
大人になった今でも、彼は過去のことを全く教えてくれない。
美しく成長しても籠の中の鳥のような生活。
アマンダ・セイフライドの歌声は、小鳥のさえずりのよう。
でもちょっと印象薄いかな。
赤 怒れる人々の血潮
黒 過ぎ去りし暗黒の時代
赤 僕の魂は燃えている
黒 彼女のいない世界
王党派の祖父に育てられたマリウスだが、成長後はその思想に反発し一人暮らしをしている。
ABC友の会では堅物とされていたが、決行前夜にコゼットの姿を見つける。
そして二人は一目見たときから一瞬にして恋に落ちた。
『大聖堂』で主役をしていたエディ・レッドメインのマリウスは、恋と友情の狭間で思い悩む
若きイケメンを演じるのにピッタリ。
しかしマリウスよ、ぼくの経験から助言すると、コゼット・・・つまんない女だと思うぞ。
エポニーヌの二の腕を見ろよ。
ずっと魅力的じゃないか!
孤独な夜 彼がそばにいるふりをするの
道に迷っても目を閉じれば 彼が見つけてくれる
ただの独り言よ 彼はいないわ
幸せにあふれた世界
あたしの知らない世界
あたしは一人
物語の中で、個人的に最も魅力的なキャラクターのエポニーヌ。
テナルディエ夫婦の娘として生まれ、蝶よ花よと可愛がられた子供時代。
母にこき使われていたコゼットを横目で見ていた。
なのに彼女は今は美しい衣装を纏い、マリウスの心さえも奪ってしまった。
マリウスに自分の想いが届かないこともわかっているのに、彼の役に立つだけで幸せという健気な姿が愛おしい。
キャスティングにはテイラー・スウィフトの名前も挙がったりしてたけど、この役を射止めたのは、
『25周年記念コンサート』でもエポニーヌ役で歌っていたサマンサ・バークス。
メインキャストの中では全く無名の彼女だけど、歌い出したら抜群の存在感を見せる。
”オン・マイ・オウン”を歌っている姿を見て泣きそうになった。
断然こっちが好みです。
民衆の歌が聞こえるか
怒れる人々の歌声が
二度と奴隷になるものか 人々がそう奏でる
心臓の鼓動がドラムの響きにこだまする
新たな人生が始まり 明日が訪れる
フランス革命によって王政から共和制に移行したはずの国家が、ナポレオンによる帝政を経てまたも君主制になってしまったこの時代。
ブルジョワジーに選挙権が与えられ僅かな人間が政治に参加できるようになったが、大多数を占める低層階級は日々の生活さえままならなかった。
ジャン・バルジャンは直接関わることがないように暮らしてきたつもりだけど、時代は彼の人生を翻弄していく。
法のみを信じるジャベールのような人種を生んだのも、金のみを信じるテナルディエ夫婦も、同じように時代の隙間が生んだキャラクターの代表に違いない。
様々な人生を送っていくはずだった彼らが6月暴動に向けて繋がっていく様子は、とても150年前に書かれたものとは考えられないほどの厚みを感じる。
ミュージカル化でストーリーをちょっと端折ってたけど、これもスッキリしていいな。
これから観に行く人やDVDで観る人に助言すると、
音響設計の良い劇場で観るべき
DVDならボリュームをできるだけ上げるべき
きっと感動の大きさが変わるから!
今まで読んできた物語をミュージカルにすることで、新たな感動を覚えることの幸福。
クライマックスの”民衆の歌”を歌う群衆たちのほとんどがミュージカル俳優。
これもライブで撮られたらしいというからスゴイ!
この作品のヒットで、ミュージカル映画がもっと増えたらイイな。
出演:ヒュー・ジャックマン
ラッセル・クロウ
アン・ハサウェイ
アマンダ・セイフライド
エディ・レッドメイン
イザベル・アレン
サマンサ・バークス
サシャ・バロン・コーエン
ヘレナ・ボナム・カーター
1815年、囚人番号24601号の男は他の囚人達と一緒に、転覆した巨大な船を引き揚げていた。
男の名は、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)。
彼は19年間服役していた。
妹の子供がお腹を空かせていたことを見るに見かねた上で、たったひとつのパンを盗んだ罪によって。
囚人達を監視する役目にあったのは、法を遵守することこそが正義と信じる男ジャベール(ラッセル・クロウ)。
作業を終えて戻ろうとしていた24601号に、船のマストに取り付けられた旗を取ってこいと命じる。
彼は折れた巨大なマストを渾身の力で持ち上げ、旗を抱えてきた。
その姿はジャベールの記憶に強烈に焼付く。
仮出獄したジャンだが囚人である彼はどこへ行っても相手にされず、寒さに凍えているところを司教に助けられる。
暖かい食べ物と寝床を提供された彼だが、司教らが寝静まった夜更けに出来心から銀食器を盗んでしまった。
翌日警官に逮捕され教会へ引き摺ってこられたジャンに、司教は忘れ物だと言って銀の燭台も手渡し、全て彼に譲った物だと警官に話す。
人の優しさに触れた彼は心から悔い改め、人生を一からやり直すことを決意する。
1823年、模造宝石の工場で働いていたファンティーヌ(アン・ハサウェイ)はその美しい容姿から、
他の女工員からの嫉妬の的になっていた。
娘コゼットが急病だという内容の手紙が、預けている宿屋夫婦から送られてきた。
至急に金を工面をしなくてはならないが、私生児の存在を隠していた彼女はここぞとばかりに皆に叩かれる。
そこへ現れたのは工場の所有者であり、街の市長でもある男。
かつてジャン・バルジャンと名乗っていた男だった。
争っている女たちを仲裁しようとしていたジャンに、男が訪ねてきた。
この街の警視として就任したジャベールが、市長に挨拶をするためにやってきたのだ。
市長の容貌を見て何かが引っ掛かるジャベール。
女たちの騒ぎもそこそこに、慌てて工場から出ていくジャン。
彼が外に出た時、ひとりの男が荷車の下敷きになっていた。
大きな荷車をひとりで持ち上げる市長の姿と、古い記憶が重なってある男を思い出したジャベール。
市長こそ仮出獄中に姿を消した24601号に間違いないと、彼は確信する。
工場長にクビを通告されて送金の工面ができなくなり、途方に暮れるファンティーヌ。
美しかった髪を売り、歯を売り、とうとう身体を売る娼婦となるまで堕ちてしまった。
病に罹り人生に絶望した彼女の前を、偶然ジャンは通りかかる。
その弱りきった姿を見て、騒ぎの仲裁も放って逃げ出したことに彼は罪の意識を感じる。
宿屋を営むテナルディエ夫妻に預けた娘のことを、ファンティーヌは彼に託す。
実はミュージカル大好物なんです。
『英国王のスピーチ』で映画監督デビューを果たし、アカデミー賞の主要部門を総ナメにした
トム・フーパーの監督作品。
誰もがなんとなく名前だけは聞いたことのある、『ああ無情(レ・ミゼラブル)』のミュージカル舞台を映画化。
通常ミュージカルは、感情の盛り上がる場面を歌や踊りで表現することが多いんだけど、
この作品はセリフも全て歌う舞台版をもとにしてるので、映画版もそのまま全てのセリフを歌で表現。
みんな憧れの作品ということとオスカー受賞監督の意欲作ということで、キャストは選び放題だったに違いない。
集まったのは、考えうる最高の俳優たち。
しかしせっかくの映画化なのに、不満点は3つある。
①せっかく舞台からスケールの大きな映画にするのだから、ロケとセットの境目をなくしてほしかった
②上映時間の問題だろうけど後半を盛り上げるために、ファンティーヌのくだりまでやたらと忙しい
前半もう少し場面転換の編集に余裕を持たせて、余韻に浸らせてほしかった
③歌っている間に俳優の表情をとらえるのは映画ならではだけど、背景も含めた構図を工夫して
ため息の出るような映像を作り上げてほしかった
それだけ。
あとは素晴らしい!
手を伸ばしても俺は堕ちていく
罪の渦にのみ込まれる
そんな世界から脱け出そう
新たな人生を始めるのだ
物語の主人公であるジャン・バルジャン役には、
イケメンでスタイル抜群!
歌も踊りも抜群に上手い器用ビンボー俳優ヒュー・ジャックマン。
今回は丸坊主にするわ、ウ〇コまみれになるわの大熱演!
でもあまり印象に残らない。
怪力自慢のじいさんにしか見えないんだよなぁ。
だって出演者みんな、彼より歌が上手いんだもん!
しかも残念なことに、ジャン・バルジャンには印象に残るようなナンバーはないんだよね。
頑張った甲斐あってアカデミー賞ノミネート、おめでとう!
また司会してほしいな。
星よ 満天の星よ 暗闇に秩序と光をもたらす夜の番人よ
神よ 導きたまえ 奴を牢獄に送るまで
私は休まず探し続ける 星たちにかけて誓おう
法に従うことが絶対の正義と信じるジャベール警部。
しかしジャン・バルジャンと対峙することで、自分の信条に疑問を抱くようになってくる。
パッツンパッツンの制服に身を包んだマスティフ犬のようなラッセル・クロウが、
原作イメージそのままの素晴らしいキャスティング。
コイツに追いかけられたら、誰もが恐れて逃げ出すのも納得の強面だ。
代表曲、”星よ”を夜空の下で歌う彼の姿は、映画ならではの醍醐味。
自らのバンドでボーカルを務めるだけあって、意外と渋い歌声を聴かせてくれる。
かつてわたしは夢を見ていた
愛は不滅だという夢を見ていた
今でも私は夢に見るの
彼が戻ってくる夢を
この地獄とは まるで違う人生を
でも現実が夢を殺してしまった
女としての夢を捨て、母として生きる夢さえ叶わなかったファンティーヌ。
ミュージカル映画史上屈指の名場面となるであろう、アン・ハサウェイが歌う”夢やぶれて”
自ら髪を切ることを提案したものの、撮影直前に5分間だけ時間をもらって泣いたらしい。
だって彼女は撮影後に結婚式を控えていたから。
彼女の表情、歌声、演出が奇跡のように重なり、
きっと観た人は肌が泡立つような感覚を覚えたんじゃないだろうか。
彼女のパフォーマンスが予告で流れなければ、こんなに作品がヒットすることはなかったと思う。
ぜひともアカデミー助演女優賞を受賞してほしい。
ようそこ旦那 俺は街一番の宿屋の親父
だがご用心 最後の一滴まで搾り取るぞ
わたしにも夢があった 王子様に出会う夢
でも神さま、コレが私の王子様なの?
幼いコゼットを預かって女中のように働かせ、ファンティーヌに嘘の手紙を送りつけては
金をむしり取ってたのがこのテナルディエ夫婦。
宿屋の親父を演じるサシャ・バロン・コーエンはちょっと緊張気味みたいだけど、
女将役のヘレナ・ボナム=カーターは余裕シャクシャク。
原作と違って、きっと親父を尻に敷いてんだろうな。
とんでもなく非道な悪党夫婦なんだけど、この二人が演じるとなぜか憎めない。
私の人生
静寂の中で遠くから微かな歌声
私が待ち望んできた世界を歌ってる
もう孤独じゃない
恋をしている
ジャン・ヴァルジャンに引き取られたコゼットは、彼を父と慕ってひっそりと共に暮らす。
何一つ不自由のない生活をしてきたコゼットだが、話し相手はヴァルジャンのみ。
大人になった今でも、彼は過去のことを全く教えてくれない。
美しく成長しても籠の中の鳥のような生活。
アマンダ・セイフライドの歌声は、小鳥のさえずりのよう。
でもちょっと印象薄いかな。
赤 怒れる人々の血潮
黒 過ぎ去りし暗黒の時代
赤 僕の魂は燃えている
黒 彼女のいない世界
王党派の祖父に育てられたマリウスだが、成長後はその思想に反発し一人暮らしをしている。
ABC友の会では堅物とされていたが、決行前夜にコゼットの姿を見つける。
そして二人は一目見たときから一瞬にして恋に落ちた。
『大聖堂』で主役をしていたエディ・レッドメインのマリウスは、恋と友情の狭間で思い悩む
若きイケメンを演じるのにピッタリ。
しかしマリウスよ、ぼくの経験から助言すると、コゼット・・・つまんない女だと思うぞ。
エポニーヌの二の腕を見ろよ。
ずっと魅力的じゃないか!
孤独な夜 彼がそばにいるふりをするの
道に迷っても目を閉じれば 彼が見つけてくれる
ただの独り言よ 彼はいないわ
幸せにあふれた世界
あたしの知らない世界
あたしは一人
物語の中で、個人的に最も魅力的なキャラクターのエポニーヌ。
テナルディエ夫婦の娘として生まれ、蝶よ花よと可愛がられた子供時代。
母にこき使われていたコゼットを横目で見ていた。
なのに彼女は今は美しい衣装を纏い、マリウスの心さえも奪ってしまった。
マリウスに自分の想いが届かないこともわかっているのに、彼の役に立つだけで幸せという健気な姿が愛おしい。
キャスティングにはテイラー・スウィフトの名前も挙がったりしてたけど、この役を射止めたのは、
『25周年記念コンサート』でもエポニーヌ役で歌っていたサマンサ・バークス。
メインキャストの中では全く無名の彼女だけど、歌い出したら抜群の存在感を見せる。
”オン・マイ・オウン”を歌っている姿を見て泣きそうになった。
断然こっちが好みです。
民衆の歌が聞こえるか
怒れる人々の歌声が
二度と奴隷になるものか 人々がそう奏でる
心臓の鼓動がドラムの響きにこだまする
新たな人生が始まり 明日が訪れる
フランス革命によって王政から共和制に移行したはずの国家が、ナポレオンによる帝政を経てまたも君主制になってしまったこの時代。
ブルジョワジーに選挙権が与えられ僅かな人間が政治に参加できるようになったが、大多数を占める低層階級は日々の生活さえままならなかった。
ジャン・バルジャンは直接関わることがないように暮らしてきたつもりだけど、時代は彼の人生を翻弄していく。
法のみを信じるジャベールのような人種を生んだのも、金のみを信じるテナルディエ夫婦も、同じように時代の隙間が生んだキャラクターの代表に違いない。
様々な人生を送っていくはずだった彼らが6月暴動に向けて繋がっていく様子は、とても150年前に書かれたものとは考えられないほどの厚みを感じる。
ミュージカル化でストーリーをちょっと端折ってたけど、これもスッキリしていいな。
これから観に行く人やDVDで観る人に助言すると、
音響設計の良い劇場で観るべき
DVDならボリュームをできるだけ上げるべき
きっと感動の大きさが変わるから!
今まで読んできた物語をミュージカルにすることで、新たな感動を覚えることの幸福。
クライマックスの”民衆の歌”を歌う群衆たちのほとんどがミュージカル俳優。
これもライブで撮られたらしいというからスゴイ!
この作品のヒットで、ミュージカル映画がもっと増えたらイイな。














