『わたしを離さないで』
監督:マーク・ロマネク
出演:キャリー・マリガン
アンドリュー・ガーフィールド
キーラ・ナイトレイ
シャーロット・ランプリング
1952年 医学界に画期的な進歩が訪れ、不治とされていた病気の治療が可能となった。
1967年 人類の平均寿命は100歳を超えた
1987年 ヘールシャム
「この学校の生徒は特別なのです。
身体の内も外も健康を保つことが、何より重要なのです。」
学校には境界線があって、フェンスの外側へ出ることは許されなかった。
外へ出た子供たちは、皆恐ろしい目に会って死んでしまうと生徒たちは信じていた。
キャシーは、トミーのことが気になっていた。
癇癪持ちのトミーは、いつも運動や絵のことでからかわれていた。
しかし彼女と仲の良いルースは、そんなトミーを鼻で笑っていた。
担任のルーシー先生が話してくれた。
「子供は成長して何になる?
ある者は俳優としてアメリカへ行く。
ある者はスーパー・マーケットの店員。
スポーツ選手、バスの車掌、あるいはカーレーサー?何にでもなれます。
でもあなた方の人生は、すでに決められているのです。」
ある日バザーのトラックがヘールシャムにやって来た。
段ボールに詰められていたのはガラクタばかり。
しかし外の世界と完全に断絶されている彼らの目には、全てが宝物に見えた。
代用コインと呼ばれるボタンを、喜んで品物と交換していく生徒たち。
人混みを避けて部屋のそとで待っていたキャシーに、近づいてきたトミー。
彼がプレゼントしてくれたのは、ジュディ・ブリッジウォーターの
“Never Let Me Go(わたしを離さないで)”
という曲が入ったカセットテープだった。
トミーに全く関心がなかったはずのルースが、突然彼に対して積極的になった。
彼女はトミーに対して意地悪だったのに。
彼らが二人きりでいるところを偶然見かけたキャシー。
トミーへの気持ちを抑えたまま、キャシーは二人の姿を遠くから見つめることしかできなかった。
1985年 コテージ
18歳でヘールシャムでの生活を終え、三人はこの場所へと移ってきた。
10代の若い恋は長続きしないものなのに、トミーとルースの関係は続いていた。
コテージには他の施設から来た者もいた。
ここは比較的自由に生活ができ、申請すれば日帰り旅行もできるらしい。
一年前からコテージで生活しているカップルに誘われて、三人は初めてカフェに立ち寄る。
そこで彼らから、驚くべき話を聞かされる。
ヘールシャム出身者で条件に該当する者は、申請すれば3年間の猶予が与えられる。
その条件とは、男女が本当に恋をしている場合に限られるということだった。
絶望
なのに美しく愛おしい。
息もできない苦しさ。
忘れられない思い出。
涙さえ出てこない。
設定はSFだけど青春映画です。
数年前に読んだカズオ・イシグロの原作が大好きです。
映画化の話を耳にしたとき、繊細で大切な世界を壊さないでほしいと願いました。
マーク・ロマネク監督は原作のエッセンスを見事に抽出し、映像化することに成功。
カズオ・イシグロ自身が製作に加わったということでそれも納得。
オーディションで選ばれた子役たちがとても似ていて、成長しても全く違和感がない。
厳格な寄宿舎に漂う違和感。
あえて何かを引いた映像。
風景や天候さえも、物語を構築する要素として映される。
言葉で表現しようすると、口から声がこぼれた瞬間に自分の思ったこととは違ってくる。
物語に衝撃の展開を望む人なら、説明不足や安っぽいエピソードに辟易するかも知れない。
安っぽいエピソードもちゃんと理由はある。
でも、それを物語中で説明されることはない。
自然と想像できるように撮られている。
キャシーはいつも自分の感情を抑えていて、どんな不遇も受け入れられる芯の強さ。
いや、強いわけではない。
感じないようにしている。
些細なことでも気にする彼女は、努力して感じないフリができるようになった。
それでもひとり、眠れない夜に寂しさが込み上げる。
キャリー・マリガンは最近小さな作品でよく目にするけど、たいして美人じゃない。
しかし何故だか惹かれるこの魅力。
この娘を放っておける男性がこの世にいるだろうか!
子供の頃から純粋なトミー。
しかしイヤなことがあると、癇癪を起してしまう。
その純粋さゆえに感受性も鋭く、喜びや悲しみも人一倍。
アンドリュー・ガーフィールドは、『ソーシャル・ネットワーク』と本作を経て、『アメージング・スパイダーマン』でピーター・パーカーに抜擢された。
キャシーの親友だったはずのルース。
トミーと交際している彼女は、キャシーの本当の気持ちに気付かないようにしている。
孤独の恐ろしさに誰よりも早く気付いたから。
キーラ・ナイトレイはとても美しい女優だけど、ぼくは苦手。
苦手に思うからこそ、彼女の表現の上手さ、美しさが際立って見えてくる。
最近の彼女は、出演する作品選びのセンスが素晴らしい。
儚く残酷だからこそ、その生は美しい。
わかっているけど信じたくない。
運命から逃れられないことは自分でも理解している。
未来も希望もない。
ただ与えられた人生を甘んじて生きてゆくだけ。
でも、もしかしたら・・・
わたしを離さないで [Blu-ray]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

¥2,500
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原作に興味がある人は、映画を観てから読んでください。
原作を先に読むと省略されているように思えて、世界観が映像で表現されていることに気付かないかも
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)/早川書房

¥840
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出演:キャリー・マリガン
アンドリュー・ガーフィールド
キーラ・ナイトレイ
シャーロット・ランプリング
1952年 医学界に画期的な進歩が訪れ、不治とされていた病気の治療が可能となった。
1967年 人類の平均寿命は100歳を超えた
1987年 ヘールシャム
「この学校の生徒は特別なのです。
身体の内も外も健康を保つことが、何より重要なのです。」
学校には境界線があって、フェンスの外側へ出ることは許されなかった。
外へ出た子供たちは、皆恐ろしい目に会って死んでしまうと生徒たちは信じていた。
キャシーは、トミーのことが気になっていた。
癇癪持ちのトミーは、いつも運動や絵のことでからかわれていた。
しかし彼女と仲の良いルースは、そんなトミーを鼻で笑っていた。
担任のルーシー先生が話してくれた。
「子供は成長して何になる?
ある者は俳優としてアメリカへ行く。
ある者はスーパー・マーケットの店員。
スポーツ選手、バスの車掌、あるいはカーレーサー?何にでもなれます。
でもあなた方の人生は、すでに決められているのです。」
ある日バザーのトラックがヘールシャムにやって来た。
段ボールに詰められていたのはガラクタばかり。
しかし外の世界と完全に断絶されている彼らの目には、全てが宝物に見えた。
代用コインと呼ばれるボタンを、喜んで品物と交換していく生徒たち。
人混みを避けて部屋のそとで待っていたキャシーに、近づいてきたトミー。
彼がプレゼントしてくれたのは、ジュディ・ブリッジウォーターの
“Never Let Me Go(わたしを離さないで)”
という曲が入ったカセットテープだった。
トミーに全く関心がなかったはずのルースが、突然彼に対して積極的になった。
彼女はトミーに対して意地悪だったのに。
彼らが二人きりでいるところを偶然見かけたキャシー。
トミーへの気持ちを抑えたまま、キャシーは二人の姿を遠くから見つめることしかできなかった。
1985年 コテージ
18歳でヘールシャムでの生活を終え、三人はこの場所へと移ってきた。
10代の若い恋は長続きしないものなのに、トミーとルースの関係は続いていた。
コテージには他の施設から来た者もいた。
ここは比較的自由に生活ができ、申請すれば日帰り旅行もできるらしい。
一年前からコテージで生活しているカップルに誘われて、三人は初めてカフェに立ち寄る。
そこで彼らから、驚くべき話を聞かされる。
ヘールシャム出身者で条件に該当する者は、申請すれば3年間の猶予が与えられる。
その条件とは、男女が本当に恋をしている場合に限られるということだった。
絶望
なのに美しく愛おしい。
息もできない苦しさ。
忘れられない思い出。
涙さえ出てこない。
設定はSFだけど青春映画です。
数年前に読んだカズオ・イシグロの原作が大好きです。
映画化の話を耳にしたとき、繊細で大切な世界を壊さないでほしいと願いました。
マーク・ロマネク監督は原作のエッセンスを見事に抽出し、映像化することに成功。
カズオ・イシグロ自身が製作に加わったということでそれも納得。
オーディションで選ばれた子役たちがとても似ていて、成長しても全く違和感がない。
厳格な寄宿舎に漂う違和感。
あえて何かを引いた映像。
風景や天候さえも、物語を構築する要素として映される。
言葉で表現しようすると、口から声がこぼれた瞬間に自分の思ったこととは違ってくる。
物語に衝撃の展開を望む人なら、説明不足や安っぽいエピソードに辟易するかも知れない。
安っぽいエピソードもちゃんと理由はある。
でも、それを物語中で説明されることはない。
自然と想像できるように撮られている。
キャシーはいつも自分の感情を抑えていて、どんな不遇も受け入れられる芯の強さ。
いや、強いわけではない。
感じないようにしている。
些細なことでも気にする彼女は、努力して感じないフリができるようになった。
それでもひとり、眠れない夜に寂しさが込み上げる。
キャリー・マリガンは最近小さな作品でよく目にするけど、たいして美人じゃない。
しかし何故だか惹かれるこの魅力。
この娘を放っておける男性がこの世にいるだろうか!
子供の頃から純粋なトミー。
しかしイヤなことがあると、癇癪を起してしまう。
その純粋さゆえに感受性も鋭く、喜びや悲しみも人一倍。
アンドリュー・ガーフィールドは、『ソーシャル・ネットワーク』と本作を経て、『アメージング・スパイダーマン』でピーター・パーカーに抜擢された。
キャシーの親友だったはずのルース。
トミーと交際している彼女は、キャシーの本当の気持ちに気付かないようにしている。
孤独の恐ろしさに誰よりも早く気付いたから。
キーラ・ナイトレイはとても美しい女優だけど、ぼくは苦手。
苦手に思うからこそ、彼女の表現の上手さ、美しさが際立って見えてくる。
最近の彼女は、出演する作品選びのセンスが素晴らしい。
儚く残酷だからこそ、その生は美しい。
わかっているけど信じたくない。
運命から逃れられないことは自分でも理解している。
未来も希望もない。
ただ与えられた人生を甘んじて生きてゆくだけ。
でも、もしかしたら・・・
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原作に興味がある人は、映画を観てから読んでください。
原作を先に読むと省略されているように思えて、世界観が映像で表現されていることに気付かないかも
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