『ミッション : 8 ミニッツ』
監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:ジェイク・ジレンホール
ミシェル・モナハン
ヴェラ・ファーミガ
ジェフリー・ライト
「ショーン?」
「ショーン、聞いてる!?」
目を覚ました男(ジェイク・ジレンホール)は、そこが列車の中だということに気付く。
「ありがとう、最高のアドバイスだわ」
向かい側の席に座る女性が親しげに声をかけてくるが、記憶にはない顔。
通りがかる客の溢したコーヒーが、彼の靴にかかる。
「俺はショーンじゃない、君は誰だ?」
「面白い冗談だわ!!」女性が笑う。
車掌が切符を切りに近づいてくるが、切符を入れた場所がわからない。
男の胸ポケットから女性が切符を取って、車掌に渡す。
不審に思った男は、列車のトイレに入る。
恐る恐る鏡を覗き込むと、そこに映ったのは見知らぬ男。
所持している身分証には、“ショーン・フェントレス:教師”と記されている。
男が真っ青な顔でトイレから出ると、「大丈夫!?」と女性が心配そうにドアの前まで来ていた。
乗っている列車の横を、貨物列車が通過する。
その瞬間、列車が大爆発を起こし、二人も炎に飲み込まれる。
・・・男が意識を取り戻すと、薄暗いコックピットのような密室。
「こちら、“包囲された城”。応答せよ、こちら“包囲された城”」
モニターに映る軍服姿の女性が、こちらに声をかけている。
自分のことが思い出せない。
すると、モニターにトランプのカードが5枚。
そして、フクロウの鳴き声を聞かされる。
すぐに自分のことを思い出したコルター・スティーブンス大尉。
「爆弾を仕掛けた犯人は見つかった?」
と聞かれるが、状況はわからないまま。
「これは極秘任務です。列車内に必ず犯人がいるので手掛かりを掴んでください!」
彼女がそう言った途端、コルターは強制的に転送される。
・・・目を覚ますと、先程と同じ列車の中。
「ありがとう、最高のアドバイスだわ」
さっきと同じように話しかけてくる女性は、クリスティーナ(ミシェル・モナハン)というらしい。
靴に溢されるコーヒー、切符を見て回る車掌、全てがさっきと同じように見える。
しかし、わずかに違って見えるのは、自分のとった行動が少し変わったからだ。
冷静に事態を把握したコルターは、犯人らしい人間を捜すために携帯電話やPCを触っている男を強引に調べるが、やはり貨物列車が通過すると同時に爆発を起こし、密室で目を覚ます。
「こちら“包囲された城”、犯人の特定はできましたか!?」
モニター越しに話しかけてくる女性は、グッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)。
「少しでいい、状況を説明してくれ!」そう迫るコルター。
「今朝、シカゴ行きの列車が爆破されました。乗客は全員死亡。
犯人は第2の犯行を予告してきました。
シカゴ市民200万人が避難行動に出て、現在パニック状態です。」
「作戦の責任者を出してくれ。話したいことがある!」
この作戦の責任者であるラトレッジ博士(ジェフリー・ライト)の説明によると、
特定の人間の死亡する8分前の記憶を再現することができるプログラム”ソースコード”を開発することに成功したらしい。
その乗客の記憶と彼の意識をリンクさせ、手掛かりが掴めるまで何度でも8分間のミッションを繰り返すのだという。
「お願いだ、父と連絡を取らせてくれ!」
「タイムリミットが迫っている。作戦に成功したら考えてやる!」
有無を言わさず、再度強制的に彼は転送される。
この密室はいったいどこなのか?
アフガンでヘリコプターの特殊部隊に配属されていたはずの自分が、何故ここにいるのか。
なぜ自分がこの任務に選ばれたのか?
事件の犯人どころか爆弾の場所さえ見当がつかない・・・
さまざまな疑問に戸惑いながらも、コルターは何度も8分間のミッションを繰り返す。
そして、その都度目の前で死んでいくクリスティーナに対して、特別な思いを寄せるようになる。
何とか彼女を救う方法はないかと考えるコルター。
初めは自分の置かれた状況さえわからなかったが、爆弾犯を探し出すためにソースコードと密室を行き来する中で、徐々に分かって来る真相。
そしてその先に待ち受けていたのは、想像を絶する運命だった…
疲れているので、ココは一本映画を観て体調を整えよう・・・と思って選らんだ作品がこれ。
選んだ理由は、上映時間が短かったから。
というのは冗談で、この監督に非常に興味があるからです。
鑑賞した後で、どうも意見が分かれる作品らしい。
①SF映画なのに、CGなどの派手な演出やスゴい映像がなくて期待はずれ
②スター俳優が出演していないので、映画館じゃなくてもいいかも
③CMではB級SF映画っぽいのに、掘り出しモノの素晴らしい作品
ぼくの感想は、もちろん③
久しぶりに物語で感心する作品を観た。
これは昔良く読んでいたハヤカワSF文庫の世界ではないか!
あぁっ、誰か観た人と話がしたいっ!!
監督のダンカン・ジョーンズは、”あのデヴィッド・ボウイの息子”ということで話題になったけど、デビュー作の『月に囚われた男』を観てビックリ!
シンプルで静かなSF映画だけど、シュールな映像と淡々とした物語の中で引き込まれるような演出力。
最近では、なかなか見られない正統派のSF映画だった。
この作品は長編二作目、しかもジェイク・ジレンホールの持ち込み企画らしい。
たぶん、脚本だけを読んだらほとんで同じことの繰り返しで、退屈に思えるかも知れない。
だって作品の舞台となるのは、列車の中 ⇒ 密室 ⇒ 作戦管理室 のほぼ三カ所だけ。
プログラム内では、少し行動範囲が広くなっても8分間の制限付き!?(←この変アヤシイ・・・)
現実世界では密室に閉じ込められたまま。
製作予算はSF映画としては低予算の3000万ドル。
(なのでCGは列車爆発シーン以外、ほとんどナシ)
スター俳優不在。(ジェイク・ジレンホールが大好きな人は別です)
登場人物はほぼ四人だけ。
制限だらけなのに、この面白さ!
SF設定も、初めは小ムズカシイことばかり説明されて、ワケ分からんねーって思うけど、最後まで観るとそんなに気にしなくていいことがわかる。
SFレベルとしては、
フィリップ・K・ディック(設定からして難しい)
↓
筒井康隆(『時をかける少女』等の現実の中のSF設定)
↓
ドラえもん(藤子・F・不二雄のSF、Sukoshi Fushigi)
くらいに変化していくので、SF映画が苦手!っていう人も大丈夫。
量子力学の解釈で、タイム・パラドックスによるパラレルワールドの可能性とかも考えられるけど、難しいのでコレは無視。
カオス理論の説明で使われる“バタフライ効果”にも影響を受けている感じもあるけど、そんなの気にしない。
『インセプション』を観て、
「レオかっこいいけど、話わかんない」
「映像すごいけど、内容ついて行けない」
という人も、この作品は全然問題ナシ!
展開が進む度に少しずつ謎の答えが明かされていくので、全然退屈しない!
衝撃的な映像が無いかわりに、物語の全体がバランス良く見渡せる!
作家性とエンターテイメント性を両立させた上に、完成度も高く、
なおかつエンドクレジットも含めて、93分でまとめてる・・・すげぇセンスだ、この監督!
ジェイク・ジレンホールは、演技派の個性俳優として『遠い空の向こうに』とか『ゾディアック』、
『ブロークバック・マウンテン』なんかのドラマ出演が多いけど、軍人役もしているので説得力はある。
スターのオーラは無い。(彼のファンの方、ごめんなさい)
でも、良質な作品に出演することが多いので、外れは少ないかな。
あと、やたらとトビー・マグワイアの代役として噂が上る。
ヒロインのクリスティーナ役を演じたミシェル・モナハン。
この女優は初めて見たな。
個人的に言うと、ルックスは好みです。
ヴェラ・ファーミガが演じるグッドウィン大尉は、初めは作戦上のコンビとして冷静に指示を与えるだけだったけど、徐々に主人公に心を開いてくれる。
絶望しそうなコルターも、彼女の持っている母性に救われたに違いない。
『ディパーテッド』や『エスター』、『マイレージ・マイライフ』に出演していた彼女、どんどん良い作品に恵まれてきている。
ジェフリー・ライト、いいオヤジになってきた。
かつてのバスキアも、今回は”200万人の命を救うために主人公を利用する博士”
という、善人だか悪人だか分かんないラトレッジ役がピッタリ!
予告では、『映画通ほどダマされる』っていうキャッチコピーが流れてるけど、映画を観慣れてる人にはだいたい物語の方向に予想がついてくる。
ただ予想と比較して、方向は同じだけれど、
ずっと高みを通過して、遥か向こうに着地する。
ドンデン返しなど必要ない!という監督の自信が、ひしひしと伝わる。
だって映画館を出るときには、
爽快感と幸福感で胸がいっぱいになるのだから・・・
しかし、映画を観に行く前の想像からすると、かなり印象が違うな~
何だかSF映画を観にきたのに、恋愛映画を観てスクリーンを後にする気持ち。
そう考えると、あのキャッチコピー、ダサいけれど当たってるのか・・・むぅ、なんかクヤシイ。
出演:ジェイク・ジレンホール
ミシェル・モナハン
ヴェラ・ファーミガ
ジェフリー・ライト
「ショーン?」
「ショーン、聞いてる!?」
目を覚ました男(ジェイク・ジレンホール)は、そこが列車の中だということに気付く。
「ありがとう、最高のアドバイスだわ」
向かい側の席に座る女性が親しげに声をかけてくるが、記憶にはない顔。
通りがかる客の溢したコーヒーが、彼の靴にかかる。
「俺はショーンじゃない、君は誰だ?」
「面白い冗談だわ!!」女性が笑う。
車掌が切符を切りに近づいてくるが、切符を入れた場所がわからない。
男の胸ポケットから女性が切符を取って、車掌に渡す。
不審に思った男は、列車のトイレに入る。
恐る恐る鏡を覗き込むと、そこに映ったのは見知らぬ男。
所持している身分証には、“ショーン・フェントレス:教師”と記されている。
男が真っ青な顔でトイレから出ると、「大丈夫!?」と女性が心配そうにドアの前まで来ていた。
乗っている列車の横を、貨物列車が通過する。
その瞬間、列車が大爆発を起こし、二人も炎に飲み込まれる。
・・・男が意識を取り戻すと、薄暗いコックピットのような密室。
「こちら、“包囲された城”。応答せよ、こちら“包囲された城”」
モニターに映る軍服姿の女性が、こちらに声をかけている。
自分のことが思い出せない。
すると、モニターにトランプのカードが5枚。
そして、フクロウの鳴き声を聞かされる。
すぐに自分のことを思い出したコルター・スティーブンス大尉。
「爆弾を仕掛けた犯人は見つかった?」
と聞かれるが、状況はわからないまま。
「これは極秘任務です。列車内に必ず犯人がいるので手掛かりを掴んでください!」
彼女がそう言った途端、コルターは強制的に転送される。
・・・目を覚ますと、先程と同じ列車の中。
「ありがとう、最高のアドバイスだわ」
さっきと同じように話しかけてくる女性は、クリスティーナ(ミシェル・モナハン)というらしい。
靴に溢されるコーヒー、切符を見て回る車掌、全てがさっきと同じように見える。
しかし、わずかに違って見えるのは、自分のとった行動が少し変わったからだ。
冷静に事態を把握したコルターは、犯人らしい人間を捜すために携帯電話やPCを触っている男を強引に調べるが、やはり貨物列車が通過すると同時に爆発を起こし、密室で目を覚ます。
「こちら“包囲された城”、犯人の特定はできましたか!?」
モニター越しに話しかけてくる女性は、グッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)。
「少しでいい、状況を説明してくれ!」そう迫るコルター。
「今朝、シカゴ行きの列車が爆破されました。乗客は全員死亡。
犯人は第2の犯行を予告してきました。
シカゴ市民200万人が避難行動に出て、現在パニック状態です。」
「作戦の責任者を出してくれ。話したいことがある!」
この作戦の責任者であるラトレッジ博士(ジェフリー・ライト)の説明によると、
特定の人間の死亡する8分前の記憶を再現することができるプログラム”ソースコード”を開発することに成功したらしい。
その乗客の記憶と彼の意識をリンクさせ、手掛かりが掴めるまで何度でも8分間のミッションを繰り返すのだという。
「お願いだ、父と連絡を取らせてくれ!」
「タイムリミットが迫っている。作戦に成功したら考えてやる!」
有無を言わさず、再度強制的に彼は転送される。
この密室はいったいどこなのか?
アフガンでヘリコプターの特殊部隊に配属されていたはずの自分が、何故ここにいるのか。
なぜ自分がこの任務に選ばれたのか?
事件の犯人どころか爆弾の場所さえ見当がつかない・・・
さまざまな疑問に戸惑いながらも、コルターは何度も8分間のミッションを繰り返す。
そして、その都度目の前で死んでいくクリスティーナに対して、特別な思いを寄せるようになる。
何とか彼女を救う方法はないかと考えるコルター。
初めは自分の置かれた状況さえわからなかったが、爆弾犯を探し出すためにソースコードと密室を行き来する中で、徐々に分かって来る真相。
そしてその先に待ち受けていたのは、想像を絶する運命だった…
疲れているので、ココは一本映画を観て体調を整えよう・・・と思って選らんだ作品がこれ。
選んだ理由は、上映時間が短かったから。
というのは冗談で、この監督に非常に興味があるからです。
鑑賞した後で、どうも意見が分かれる作品らしい。
①SF映画なのに、CGなどの派手な演出やスゴい映像がなくて期待はずれ
②スター俳優が出演していないので、映画館じゃなくてもいいかも
③CMではB級SF映画っぽいのに、掘り出しモノの素晴らしい作品
ぼくの感想は、もちろん③
久しぶりに物語で感心する作品を観た。
これは昔良く読んでいたハヤカワSF文庫の世界ではないか!
あぁっ、誰か観た人と話がしたいっ!!
監督のダンカン・ジョーンズは、”あのデヴィッド・ボウイの息子”ということで話題になったけど、デビュー作の『月に囚われた男』を観てビックリ!
シンプルで静かなSF映画だけど、シュールな映像と淡々とした物語の中で引き込まれるような演出力。
最近では、なかなか見られない正統派のSF映画だった。
この作品は長編二作目、しかもジェイク・ジレンホールの持ち込み企画らしい。
たぶん、脚本だけを読んだらほとんで同じことの繰り返しで、退屈に思えるかも知れない。
だって作品の舞台となるのは、列車の中 ⇒ 密室 ⇒ 作戦管理室 のほぼ三カ所だけ。
プログラム内では、少し行動範囲が広くなっても8分間の制限付き!?(←この変アヤシイ・・・)
現実世界では密室に閉じ込められたまま。
製作予算はSF映画としては低予算の3000万ドル。
(なのでCGは列車爆発シーン以外、ほとんどナシ)
スター俳優不在。(ジェイク・ジレンホールが大好きな人は別です)
登場人物はほぼ四人だけ。
制限だらけなのに、この面白さ!
SF設定も、初めは小ムズカシイことばかり説明されて、ワケ分からんねーって思うけど、最後まで観るとそんなに気にしなくていいことがわかる。
SFレベルとしては、
フィリップ・K・ディック(設定からして難しい)
↓
筒井康隆(『時をかける少女』等の現実の中のSF設定)
↓
ドラえもん(藤子・F・不二雄のSF、Sukoshi Fushigi)
くらいに変化していくので、SF映画が苦手!っていう人も大丈夫。
量子力学の解釈で、タイム・パラドックスによるパラレルワールドの可能性とかも考えられるけど、難しいのでコレは無視。
カオス理論の説明で使われる“バタフライ効果”にも影響を受けている感じもあるけど、そんなの気にしない。
『インセプション』を観て、
「レオかっこいいけど、話わかんない」
「映像すごいけど、内容ついて行けない」
という人も、この作品は全然問題ナシ!
展開が進む度に少しずつ謎の答えが明かされていくので、全然退屈しない!
衝撃的な映像が無いかわりに、物語の全体がバランス良く見渡せる!
作家性とエンターテイメント性を両立させた上に、完成度も高く、
なおかつエンドクレジットも含めて、93分でまとめてる・・・すげぇセンスだ、この監督!
ジェイク・ジレンホールは、演技派の個性俳優として『遠い空の向こうに』とか『ゾディアック』、
『ブロークバック・マウンテン』なんかのドラマ出演が多いけど、軍人役もしているので説得力はある。
スターのオーラは無い。(彼のファンの方、ごめんなさい)
でも、良質な作品に出演することが多いので、外れは少ないかな。
あと、やたらとトビー・マグワイアの代役として噂が上る。
ヒロインのクリスティーナ役を演じたミシェル・モナハン。
この女優は初めて見たな。
個人的に言うと、ルックスは好みです。
ヴェラ・ファーミガが演じるグッドウィン大尉は、初めは作戦上のコンビとして冷静に指示を与えるだけだったけど、徐々に主人公に心を開いてくれる。
絶望しそうなコルターも、彼女の持っている母性に救われたに違いない。
『ディパーテッド』や『エスター』、『マイレージ・マイライフ』に出演していた彼女、どんどん良い作品に恵まれてきている。
ジェフリー・ライト、いいオヤジになってきた。
かつてのバスキアも、今回は”200万人の命を救うために主人公を利用する博士”
という、善人だか悪人だか分かんないラトレッジ役がピッタリ!
予告では、『映画通ほどダマされる』っていうキャッチコピーが流れてるけど、映画を観慣れてる人にはだいたい物語の方向に予想がついてくる。
ただ予想と比較して、方向は同じだけれど、
ずっと高みを通過して、遥か向こうに着地する。
ドンデン返しなど必要ない!という監督の自信が、ひしひしと伝わる。
だって映画館を出るときには、
爽快感と幸福感で胸がいっぱいになるのだから・・・
しかし、映画を観に行く前の想像からすると、かなり印象が違うな~
何だかSF映画を観にきたのに、恋愛映画を観てスクリーンを後にする気持ち。
そう考えると、あのキャッチコピー、ダサいけれど当たってるのか・・・むぅ、なんかクヤシイ。










