『つぐない』
監督:ジョー・ライト
出演:ジェームズ・マカヴォイ
キーラ・ナイトレイ
シアーシャ・ローナン
ロモーラ・ガライ
ヴァネッサ・レッドグレイヴ
1935年のイングランド。
タイプライターを打つ音が響く屋敷の中、政府官僚の次女であるブライオニー(シアーシャ・ローナン)は13歳、想像力が豊かで小説家を夢見る少女だった。
兄が友人を連れて帰って来るこの夜に、従姉妹のローラやその双子の弟たちと一緒に演じるための戯曲を執筆中。
彼女は使用人の息子であるロビー(ジェームズ・マカヴォイ)を兄のように慕う気持ちと同時に、幼いながらも淡い恋心を抱いていた。
幼なじみでケンブリッジ大学の同窓生でもあるロビーと長女セシーリア(キーラ・ナイトレイ)は、お互いに意識はしているものの、身分の壁もあって距離を置いていた。
ある昼下がりの中庭で、彼はセシーリアとの些細な諍いから高価な花瓶を割ってしまい、その欠片を噴水の中へ落としてしまう。
彼女はその欠片を拾うため、その場の勢いで下着姿になって噴水に飛び込む。
水から上がってきたセシーリアの透けた素肌を目にした彼は、視線を逸らしてその場に立ち尽くす。
その一部始終を、ブライオニーは部屋の窓から覗いていた・・・
ロビーはさっきの不作法に対する謝罪の手紙を、セシーリアに宛ててタイプしていた。
彼は上手い表現がなかなか出来ずに苛立ち、いたずらで彼女に対しての卑猥な願望を綴った手紙を打ってしまう。
自分の行動に苦笑するロビー。
気持ちが落ち着き、当たり障りのない文章を書いた彼は、その手紙を庭で草を薙いでいたブライオニーにセシーリアへ渡してほしいと託す。
しかし託した手紙の中身は、卑猥な文章を綴った方だったことをロビーは思い出す。
「ブライオニー!!」
慌てて彼女の名前を叫んで呼び戻すが、彼女の耳には届かない。
ロビーが姉に宛てた手紙の内容が、気になるブライオニー。
封を開けて綴られた文章を読んでみると、少女には想像し難いほどの汚らわしい言葉がそこには並んでいた。
中身の手紙だけを姉に渡したブライオニーは、何事もなかったかのように兄との再会を喜ぶ。
セシーリアは手紙の内容を見て驚くが、ブライオニーがこの手紙に目を通したことを心配する。
その夜、夕食に招かれていたロビーが屋敷の呼び出しベルを鳴らすと、セシーリアが直接出迎える。
手紙の間違いについて謝罪するロビーだったが、彼女にはあの手紙によって彼の情熱が十分に伝わっていた。
そのまま二人は図書室でお互いの肉体を求め合う・・・
姉を探して図書室にやってきたブライオニーは、二人の行為を目撃してしまう。
か細い声で姉の名前を呼んだまま、恐怖で動けなくなるブライオニー。
何事もなかったかのように、別々に夕食の席に着く二人。
夕食の時間、ブライオニーが双子を呼びに行くと、退屈に耐えられずに置手紙をして家出をしていた。
夜も更けていたため、皆で手分けして双子を探すことに。
しかしその捜索の最中、闇の中でローラが何者かに暴行されてしまう。
その現場で、男の後ろ姿を目撃したブライオニー。
捜査に来た警察に対して彼女は、
「犯人はロビーに違いない」
と証言してしまう。
手紙の内容と汚れた行為を目撃したことで、彼に対して激しい嫌悪感と嫉妬を抱いていた。
双子を連れて帰ってきたロビーは、その場で警察に逮捕されてしまう。
連行される彼の耳元で、セシーリアが囁く。
「愛しているわ。戻ってきて。私のところへ。」
4年後、ドイツとの戦いは非常に厳しくなっていた。
ロビーは減刑と引き換えに、海外派遣軍兵士としてフランスの最前線へと出征する。
晴れて自由の身となり、一刻も早く愛するセシーリアのもとへ戻るために。
18歳になり看護婦となったブライオニー(ロモーラ・ガライ)は、4年前の証言を後悔していた。
幼さゆえの過ちと、それによって引き裂かれた二人の運命に対する、償い方を探して・・・
戦争へと向かっていた英国を舞台に、少女の些細な思い込みが招いた悲劇の恋人同士を描くドラマ。
最近重い映画ばかり観ていたので、少しロマンティックな作品をもう一度観ようと思って選んだら、これがまたとんでもなく重かったことを忘れてた・・・
結局好きなんだな、重厚なドラマが。
監督のジョー・ライトはキーラ・ナイトレイ主演の『プライドと偏見』を撮った人物で、どうも文芸作品が得意みたい。
丁寧に演出された場面は、しっとりとしてキラキラしていて、それでいて時に残酷で美しい。
光の溢れる庭園は、美術館で見掛ける絵画のよう。
ダンケルク撤退のシーンは、ほとんど色彩を感じない冷たさ。
時間を逆回転させたり、別の視点から同じシーンを撮ったり、とんでもない長回しでスケール感を出したり、さりげなくスゴい表現を見せるところに監督のセンスを感じる。
ほぼ同年代なんだな、ぼくとこの人。
ロビー役のジェームズ・マカヴォイは、ぼくのブログでは最多登場。
クラシックなスター映画ならともかく、最近は出演俳優で観る作品を選ばないから、きっと観たい作品と彼の作品選びとが重なるのかな。
正直で高潔だけど、時に感情を抑えられないロビーを自然に演じている。
自然すぎて印象に残らないけど。
『ナルニア国物語』のタムナスさんが、随分と立派な俳優になってくれた。
セシーリア役のキーラ・ナイトレイは『パイレーツ・オブ・カリビアン』に出演した頃は、まだ18歳だったらしい。
ベテラン並みの演技力とキャリアだけど、まだ26歳。
華奢な身体に秘めた情熱を、とても上手く表現している。
美しい衣装を纏ってるときは、そんなに魅力的に見えないのに、アパート暮らしや看護婦姿のほうが美しく感じさせるのは、ロビーと一緒になる運命を信じているから?
彼女の顔立ちは、こういう文芸作には良く似合う。
少女時代のブライオニーを演じたシアーシャ・ローナンが素晴らしい。
思春期の少女が持つ性への興味と嫌悪感が、この物語を動かしていく。
憧れが憎しみに変わる瞬間。
彼女が大人に成長するための代償としては、あまりにも大きな過ちだったと思う。
この作品の主役は彼女であることは間違いない。
最近は海外でも日本でも、素晴らしい子役女優が現れるけど、上手い男の子が出てこないのはどうしてなんだろ?
(加藤清史郎くんや鈴木福くんはかわいいけど、決して上手くはないしなぁ)
アカデミー作曲賞を受賞したダリオ・アリアネッリの、タイプを打つリズムと哀愁漂うメロディを合わせたスコアが印象的。
この作品を観た後は、普通に歩いてもタイプの音が頭の中で流れてた。
どこまでが真実で、どこからが虚構なのか
誰に対しての”つぐない”のか
”つぐなう”とは、どういう行為なのか
多感な少女の瞳には、大人の恋愛が汚れたものに映ってしまった。
しかし彼らにも、あの図書室での出来事が全てであった。
つぐない 【Blu-ray ベスト・ライブラリー100】/キーラ・ナイトレイ,ジェームズ・マカヴォイ,シーアシャ・ローナン

¥1,980
Amazon.co.jp
出演:ジェームズ・マカヴォイ
キーラ・ナイトレイ
シアーシャ・ローナン
ロモーラ・ガライ
ヴァネッサ・レッドグレイヴ
1935年のイングランド。
タイプライターを打つ音が響く屋敷の中、政府官僚の次女であるブライオニー(シアーシャ・ローナン)は13歳、想像力が豊かで小説家を夢見る少女だった。
兄が友人を連れて帰って来るこの夜に、従姉妹のローラやその双子の弟たちと一緒に演じるための戯曲を執筆中。
彼女は使用人の息子であるロビー(ジェームズ・マカヴォイ)を兄のように慕う気持ちと同時に、幼いながらも淡い恋心を抱いていた。
幼なじみでケンブリッジ大学の同窓生でもあるロビーと長女セシーリア(キーラ・ナイトレイ)は、お互いに意識はしているものの、身分の壁もあって距離を置いていた。
ある昼下がりの中庭で、彼はセシーリアとの些細な諍いから高価な花瓶を割ってしまい、その欠片を噴水の中へ落としてしまう。
彼女はその欠片を拾うため、その場の勢いで下着姿になって噴水に飛び込む。
水から上がってきたセシーリアの透けた素肌を目にした彼は、視線を逸らしてその場に立ち尽くす。
その一部始終を、ブライオニーは部屋の窓から覗いていた・・・
ロビーはさっきの不作法に対する謝罪の手紙を、セシーリアに宛ててタイプしていた。
彼は上手い表現がなかなか出来ずに苛立ち、いたずらで彼女に対しての卑猥な願望を綴った手紙を打ってしまう。
自分の行動に苦笑するロビー。
気持ちが落ち着き、当たり障りのない文章を書いた彼は、その手紙を庭で草を薙いでいたブライオニーにセシーリアへ渡してほしいと託す。
しかし託した手紙の中身は、卑猥な文章を綴った方だったことをロビーは思い出す。
「ブライオニー!!」
慌てて彼女の名前を叫んで呼び戻すが、彼女の耳には届かない。
ロビーが姉に宛てた手紙の内容が、気になるブライオニー。
封を開けて綴られた文章を読んでみると、少女には想像し難いほどの汚らわしい言葉がそこには並んでいた。
中身の手紙だけを姉に渡したブライオニーは、何事もなかったかのように兄との再会を喜ぶ。
セシーリアは手紙の内容を見て驚くが、ブライオニーがこの手紙に目を通したことを心配する。
その夜、夕食に招かれていたロビーが屋敷の呼び出しベルを鳴らすと、セシーリアが直接出迎える。
手紙の間違いについて謝罪するロビーだったが、彼女にはあの手紙によって彼の情熱が十分に伝わっていた。
そのまま二人は図書室でお互いの肉体を求め合う・・・
姉を探して図書室にやってきたブライオニーは、二人の行為を目撃してしまう。
か細い声で姉の名前を呼んだまま、恐怖で動けなくなるブライオニー。
何事もなかったかのように、別々に夕食の席に着く二人。
夕食の時間、ブライオニーが双子を呼びに行くと、退屈に耐えられずに置手紙をして家出をしていた。
夜も更けていたため、皆で手分けして双子を探すことに。
しかしその捜索の最中、闇の中でローラが何者かに暴行されてしまう。
その現場で、男の後ろ姿を目撃したブライオニー。
捜査に来た警察に対して彼女は、
「犯人はロビーに違いない」
と証言してしまう。
手紙の内容と汚れた行為を目撃したことで、彼に対して激しい嫌悪感と嫉妬を抱いていた。
双子を連れて帰ってきたロビーは、その場で警察に逮捕されてしまう。
連行される彼の耳元で、セシーリアが囁く。
「愛しているわ。戻ってきて。私のところへ。」
4年後、ドイツとの戦いは非常に厳しくなっていた。
ロビーは減刑と引き換えに、海外派遣軍兵士としてフランスの最前線へと出征する。
晴れて自由の身となり、一刻も早く愛するセシーリアのもとへ戻るために。
18歳になり看護婦となったブライオニー(ロモーラ・ガライ)は、4年前の証言を後悔していた。
幼さゆえの過ちと、それによって引き裂かれた二人の運命に対する、償い方を探して・・・
戦争へと向かっていた英国を舞台に、少女の些細な思い込みが招いた悲劇の恋人同士を描くドラマ。
最近重い映画ばかり観ていたので、少しロマンティックな作品をもう一度観ようと思って選んだら、これがまたとんでもなく重かったことを忘れてた・・・
結局好きなんだな、重厚なドラマが。
監督のジョー・ライトはキーラ・ナイトレイ主演の『プライドと偏見』を撮った人物で、どうも文芸作品が得意みたい。
丁寧に演出された場面は、しっとりとしてキラキラしていて、それでいて時に残酷で美しい。
光の溢れる庭園は、美術館で見掛ける絵画のよう。
ダンケルク撤退のシーンは、ほとんど色彩を感じない冷たさ。
時間を逆回転させたり、別の視点から同じシーンを撮ったり、とんでもない長回しでスケール感を出したり、さりげなくスゴい表現を見せるところに監督のセンスを感じる。
ほぼ同年代なんだな、ぼくとこの人。
ロビー役のジェームズ・マカヴォイは、ぼくのブログでは最多登場。
クラシックなスター映画ならともかく、最近は出演俳優で観る作品を選ばないから、きっと観たい作品と彼の作品選びとが重なるのかな。
正直で高潔だけど、時に感情を抑えられないロビーを自然に演じている。
自然すぎて印象に残らないけど。
『ナルニア国物語』のタムナスさんが、随分と立派な俳優になってくれた。
セシーリア役のキーラ・ナイトレイは『パイレーツ・オブ・カリビアン』に出演した頃は、まだ18歳だったらしい。
ベテラン並みの演技力とキャリアだけど、まだ26歳。
華奢な身体に秘めた情熱を、とても上手く表現している。
美しい衣装を纏ってるときは、そんなに魅力的に見えないのに、アパート暮らしや看護婦姿のほうが美しく感じさせるのは、ロビーと一緒になる運命を信じているから?
彼女の顔立ちは、こういう文芸作には良く似合う。
少女時代のブライオニーを演じたシアーシャ・ローナンが素晴らしい。
思春期の少女が持つ性への興味と嫌悪感が、この物語を動かしていく。
憧れが憎しみに変わる瞬間。
彼女が大人に成長するための代償としては、あまりにも大きな過ちだったと思う。
この作品の主役は彼女であることは間違いない。
最近は海外でも日本でも、素晴らしい子役女優が現れるけど、上手い男の子が出てこないのはどうしてなんだろ?
(加藤清史郎くんや鈴木福くんはかわいいけど、決して上手くはないしなぁ)
アカデミー作曲賞を受賞したダリオ・アリアネッリの、タイプを打つリズムと哀愁漂うメロディを合わせたスコアが印象的。
この作品を観た後は、普通に歩いてもタイプの音が頭の中で流れてた。
どこまでが真実で、どこからが虚構なのか
誰に対しての”つぐない”のか
”つぐなう”とは、どういう行為なのか
多感な少女の瞳には、大人の恋愛が汚れたものに映ってしまった。
しかし彼らにも、あの図書室での出来事が全てであった。
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