「やだ…はぁ…こなの、おかしい…」
「お願い、優…」
「お願い…されても…」
一旦唇を解放して顔一杯にキスの雨を降らせる。まずは顎に、そして両の頬に、両の瞼に、額に。
俺の声は驚く程響いていた。キスを贈る度に徐々に優の身体からは力が抜けていき、最終的には完全に背を凭れて来た。
それを身も心も俺に預けてくれたと感じた。
再び唇へとキスしようとニッコリ笑顔で顔を近付けると――…
――かぷっ
「イタァァ~!?」
鼻の頭を噛まれてしまった。
その隙を狙い、優は俺の腕からするりと逃れ部屋の隅へと行ってしまった。
ハッと此処で理性が一本勝ちをして暫しの間、本能児の俺とはお別れだ。
ヒリヒリと痛む鼻を撫でつつ、隅っこへ行っちゃった優に足の爪先を向けた。
「待って!優っ」
「来ないで!さ、さっきのアレ…なに?俺に解るように五文字以内で説明してよ!」
「五文字!?今回は五文字かよっ」
「そうだよ!俺が納得出来る答えじゃないと許してあげないから」
優にはちょっと不思議な所があって、喧嘩したり理不尽な事があると必ず“○文字以内で説明して”と言ってくる癖があった。
しかも今回は五文字。少ないにも程がある。
でもこのまま許して貰えずに連休を過ごすのなんて真っ平ごめんだ。
だって今夜はお泊りの予定だから。
「じゃあ正直に言うよ。本当はムードあるときに言いたかったんだけどさ…」
「五文字以内だからね?」
しっかりと念を押された。やっぱ五文字じゃなきゃ駄目なんだな。
だけど偶然なのか必然なのか、俺の言いたい言葉とピッタリだった。
「“好きだから”これが理由。納得してくれた?丁度五文字」
「…………。」
「……優?」
「本当?」
「うっわー!恥ずかしっ」
いざ口にすると恥ずかしさが溢れてしまった。
照れをごまかす様に大きな声で言葉を発し、優を改めて見てみると頬がリンゴの様に真っ赤だった。
それを見ると俺はいてもたってもいれず、優に走り寄り抱きしめた。
今度は前からぎゅっと腕を思い切り回した。
「陸っ…あの、俺…男だよ!?好きって、その……」
続→