――幼なじみ。
俺には幼なじみがいて、小学校も中学校も、そして高校も同じだった。
幼なじみの名前は優(ゆう)。俺の名前は陸(りく)。優には言ってなかったけど高校は、優が行くと知って其処を志望校にした。
何故かって?
「優~ヒマー…」
「暇って勉強しなきゃダメじゃん。連休も明日までだし宿題片付けよ?」
「勉強キライ…」
今日は丁度連休中で大量に出された宿題を片付ける為に俺の家で勉強中だった。
といっても勉強してるのは優だけで、俺はガラステーブルに突っ伏していた。
優は勉強は出来るからスラスラと問題を解いていくが、俺は苦手だから初っ端から躓いてしまう。
そうまさに今躓いている最中だった。
「優~構ってよ~」
「勉強終わったら遊ぼうよ」
「でも俺終わる気配ないしぃ…」
「俺の答え見ていいよ」
「優のケチ~」
勉強に勤しむ優の横顔はとても可愛かった。
猫っ毛の栗色の髪の毛に白い肌、思わず吸い付きたくなるような唇。長い睫毛と大きな瞳が印象的だった。
外見は“格好いい”より“可愛い”という言葉の方が似合う。というかピッタリ。
そう、俺はずっと前から優にほの字だった。
でも優はそんな俺の気持ちには多分――…気付いてないと思う。
俺らはもう17歳。
幼なじみでずっと一緒にいるから、俺の甘えにも慣れてしまったらしい。
こうやっていつも上手くかわされてしまう。
「後で勉強するから、先に遊ぼうよ」
「陸の悪いとこだよ。嫌な事を後回しするとこ!」
「う゛っ、だって嫌なものは嫌だしさ…」
「だから俺が一緒に勉強してるんじゃない」
怒った様に口を尖らせる優もまた可愛かった。その唇に吸い付きたくなった事は内緒。
そしてシャーペンの蓋の方でコツンと額を小突いてくる姿に、ついついクスッと声に出して笑ってしまい後悔する。
優は可愛い顔して負けん気が強くて、気になる事があればとことん追及するのだ。
そんなとこも好きなとこの一つだった。
だから優はすぐに腕を引っ込めて更に口を尖らせた。
「陸~何で笑うのさぁ!」
「笑ってないって!」
「いーや笑った!陸の幼なじみ何年してると思ってんの?」
「ただの思い出し笑い!」
続→