その度に飛び起きれば、金色の綺麗な髪と碧眼が顔を覗き込んでくる。
それも心配の色を孕んだ瞳。
暁と云う組織に所属し大蛇丸の後釜に組んだのがコイツだ。
それからツーマンセルの任務中はずっと一緒だった。
ずっと……
「旦那は傀儡なのに夢見るのかい?その様子からして、余り良い夢じゃねぇみてーだがな、うん」
「うるせェな。テメェには関係ないだろ。オレが見てる夢なんかよ」
「ケチだなぁ。オイラと旦那は言わばコンビじゃねーかよ。まァ、芸術観は違うがオイラ達ならオイラ達の芸術を世に報しめることが出来るぜ、うん?」
一瞬で消え去るものなんかは要らない。
その一瞬の為だけに、無駄な労力を費やしたくはない。
無駄な気持ちを注ぎたくはない。
デイダラの芸術観を想起し、小さな溜息をついた。
「報しめるのは永久の美だけで良い。一瞬なんてものは要らねェんだよ」
「分かってねぇな、サソリの旦那は。たった一瞬の出来事でソイツの頭はその芸術で一杯になるんだぜ?無理矢理記憶に植え付けてよォ、一生忘れれねェ物になる」
――記憶?
オレの昔日の記憶は刻まれた侭。オレの核に染み込んでいる。
そして、デイダラが言ってるのは紛れも無い真実…だと。
確かにオレはコイツの金色と芸術観を熱心に説明する姿を一目見た時から――…
テメェで頭が一杯になった。
たった一瞬で。
このオレが……
ざまァねぇな。
赤砂のサソリと謳われた此のオレが…
こんなガキにお熱だとは。
だからこそオレはコイツを突き放す。
「……ツーマンセルだから仕方無くテメェと居るだけだ。うぜぇからさっさと寝ろ、デイダラ」
テメェもそうなんだろ?
デイダラよォ…
ツーマンセルでも何でも無けりゃァ、オレに構う事も無かった筈だ。
デイダラに背中を向けて寒さ等感じはしないが布団を首まで掛ける。
すると背中へと注がれる視線。
ひしひしとそれが伝わり次第に苛立ちは増していく。
何故苛立っているか解らない。
だけどオレは確かに苛立っている。
オレの気も知らないでコイツは――…
「つれねぇな!永久の美なんざオイラには全く理解出来ねーが、アンタを見てるのは嫌いじゃねぇしな、うん」
何を言ってんだ?
だからオレを見てるってのか?
クツクツと喉を震わせ笑う声が、闇夜と云う静寂の中響き渡る。
デイダラの声がオレの細かなパーツの隅々まで浸透していく。
こうやってテメェはオレの中に居続ける。
オレの生身の部分を突いて来る。
反応なんて返した処で、コイツもどうせいつかは居なくなる。
だけど、どうしてもそれに応えたいと感じるのは何故だ?
差し延べられた手に触れたいと感じるのは…
「――…なよ」
「んん?なんて言ったんだ?」
「チッ、何でもねェ。テメェなんざテメェの持論通りさっさと消えちまえよ」
オレの心の中から消えちまえよ。
じゃないとオレは本当にこの侭ずっと、永久に“人形になりきれなかった人間”と化してしまう。
こんな姿のオレを、温もりを与えてやれないこの傀儡(カラダ)を恨んでしまう。
オレがデイダラを手に掛けてしまわない内に…
どうか
オレの核(ナカ)から出ていってくれ
オレにテメェを
愛すると云う感情を
覚えさせないでくれ
「サソリの旦那の記憶にずっとオイラが生き続けれるならな?」
「馬鹿か」
「オイラってばアンタにオイラを植え付けようと必死なんだぜ?唯の人形なら興味はねぇが旦那は別だ、うん」
やっぱりコイツは馬鹿だ。
だけど、やっぱり
コイツが差し延べる手を掴みたいと――…
だから
もう一度だけ口にしてみる。
「オレから離れんなよ」
と。
★end★
読んでくれて有り難う

サソリの心の中には矢張り人間らしさは残ってると思うし、それを否定しても逆に積もるばかりで。
トラウマは中々克服出来ないし、サソリの場合時間が経っても出来るモノでもない。
だって、家族はもう居なくて…だけど、親しい人が現れた時、最初は戸惑うけど心を開いてくれるといいなぁと…希望!
幸せになって欲しいよ><!!
デイサソ第1弾でした
