愛しくて
堪らなくて
だけどオレは
テメェを傀儡にはしないんだ
欲してんのは
“ 温 も り ”
━ 大切なモノ ━
「――…ッ!?」
突然夜中に跳び起きた。
夢を見たからだ。
一つの遠い日の記憶、夢。
人はそれを思い出だと云う。
オレにはもう関係の無い事――…そう思っていた。
だが容赦なくそれは襲い掛かって来る。
そして決まってその後に聞こえるのは……
「大丈夫かい?旦那?」
アイツの声。
そうオレは最近になって、眼を閉じればあの日が甦った様に脳裏にフラッシュバックする。
そう幸せだった日々とそれが崩れ去った日。
オレが心を捨てた日の夢。
温もりを欲するのを止め、人を求めるのも…止めた。
もう哀しみを味わわない様に心を封印し、己をも傀儡と化した。
誰も信じれない、信じない。信じていても裏切りは必ず遣ってくる。
母様と父様がオレの前から居なくなった様に……
あんな想いをするなら、感情なんて要らない。
感情の無い人形になってしまえばいいんだ…そうすれば、もう待つ事も悲しむ事もなくなるから。
「クク、誰に物を言ってやがる。テメェに心配される筋合いはねェよ。デイダラ」
「相変わらずだな、旦那は。オイラはただ旦那が故障にでもなったら任務に支障が出るのが嫌なだけだ、うん」
“故障”か。
傀儡のオレを示す単語にはピッタリだ。
鼻で笑い再度布団に横になると瞼を落とす。
傀儡だから痛みを感じない。
だが生身の唯一の部分の核が痛いほど覚えている記憶を直接オレに流し込んでくる。
夢等見れる筈の無いオレに。
愛される喜び
愛する喜び
深い繋がり……絆。
――家族
そして次に襲い来るは絶望
奈落へと突き落とされたような絶望
孤独感……
続く→