森田麻美
今回岡部様のご講演や、懇親会でのお話を伺うことで、開発の新たな側面に気づかされた。それは、開発には人が不可欠だということである。今まで、草の根協力などについて学ぶ中で、開発には人間、一人ひとりが関わっているという視点を得てきた。しかし、人が変化することなしには、本当に現地住民のためになる開発はありえないということを実感したのは今回が初めてである。
では、なぜこのような実感を得たのか考えてみる。ひとつには、岡部様が、コミュニケーションの問題が解決できると、開発プロジェクトの欠陥の80%が解決すると述べられたことがある。コミュニケーションとは人の間の関係であり、そのコミュニケーションが開発プロジェクトに多大な影響を及ぼしているということは、人が開発に多大な影響を及ぼしていることになる。このように数字によって開発に対する人の影響が表されたものを見ることが初めてであったために、インパクトを与えられたのだと思う。
二つ目は、懇親会において、岡部様が、東ティモールの事例として、現地住民は農業生産を考えた時に、ただ「トラクターをくれ」と求めたが、それだけではだめで、そのトラクターをどう管理、維持していくかという人や組織作りをすることなしに、開発は成り立たないというお話を伺ったことである。このことから私は、開発とは物づくりと人づくりがどちらも必要であり、どちらかが欠けても成り立たないことを学ぶことができた。
三つ目としては、岡部様の人づくりに対する熱い情熱である。岡部様は私たちに、人が変化するということはどんなにか嬉しいことで、さらに、その変化に自分が関わっているのなら、なおさらであると語ってくださった。この姿勢から、開発において人づくりとは、こんなにも情熱を傾けることのできる大きなものなのだと実感したのである。
最後に、今回私は開発コンサルタント班の一員として、プレゼンテーションを含む、講演会や懇親会の運営も担当したため、その反省を述べたいと思う。まず、当日のプレゼンテーションの発表について、モモからは「どこを見ているのかわからないし、響いてこなかった」というご指摘をいただいた。プレゼンテーションの発表の仕方については、私なりに伝えたいポイントは強調し、オーディエンスを見て話していたつもりだった。だが、なぜこのような指摘を受けたか振り返ってみると、私はスクリプトを文字としてわかりやすく伝えようとはしていたが、文字に込められたどんな意味を伝えたいかや、具体的に誰に伝えたいかが漠然としたままだったから響いてこなかったのではないだろうか、と考えた。このように想いが弱かったために、伝わらないプレゼンになってしまったのだと思う。今後は、自分の中で何を、誰に伝えたいのかを熟考し、明確にした後、初めて言葉を通して伝える段階に達しなければならないと思う。
自分の反省点はまだあるのだが、岡部様がご講演してくださったことで、開発には人が不可欠であるという実感を与えられたことを心から感謝したい。