武石 さとみ
05W2114011J 武石さとみ
今回の講演を通し私は、物事は一面だけでは捉えられないこと、善悪どちらかにくっきりは分けられないということを改めて強く感じた。
私はリサーチを始めるまで、「開発コンサルタント」というものが何かほとんど無知であったが、あまり良いイメージは持っていなかった。なぜなら私の中に「貧困に苦しむ人々」を救うために行われる国際協力は「『貧困に苦しむ人々を助けたい』という熱い気持ちをもとに行われるべきである」といった考えがあり、利益追求を第一とする民間企業の開発コンサルタントは、国際協力を自らの利益追求の場としているのではないか、と感じていたからである。しかしリサーチを通し、開発コンサルタントは専門職であり、医師や弁護士のように、自らの利益のみを追求するのではなく、困っている人を助け、それが結果的に利益につながるのだということを知った。そして、開発コンサルタントである岡部様のお話を伺い、今まで開発コンサルタントを利益追求という「悪いこと」としか結び付けていなかった自分の間違えを再認識した。
岡部様は、全てのステークホルダーにはそれぞれの役割があり、開発コンサルタントはその中でも援助をする側と受益者双方に利益があるプロジェクトを目指し業務をしなくてはいけないということをおっしゃっていた。私はリサーチを通し、開発コンサルタントは様々な組織の間に立ち中立的な立場において業務を行うということを知ったが、岡部様から直接このお話を伺ったとき、むしろ多様な組織の利害関係の中で民間企業である開発コンサルタントは、唯一自らの利益を主張せず、貧困に苦しむ人々を救うために一番必要なこと、“wants”ではなく“needs”を満たすプロジェクトを目指しているように感じ、正直奇妙な感覚に襲われた。私の「民間企業」のイメージと180°違ったからである。また、国際機関や援助国機関のプロジェクトに対し、関心表明をした開発コンサルタントのその分野における専門性の高さや地域性を考慮した上でセレクションが行われ、ショートリストが作られ最終的に受注する開発コンサルティング企業が決められるというお話の中で、岡部様はあるプロジェクトで、自分たちでもなかなか専門性の高い面子を揃えたと思っていたにもかかわらず、ショートリストにすら残れなかったということをおっしゃっていた。私はこれらの事から、改めて開発コンサルタントという職業は「国際協力の前線で活動するプロ」なのだと感じた。そして今まで「利益追求」と言うものをマイナスとしてしか捉えていなかったが、時として「利益追求」は、プロジェクトがより「貧困に苦しむ人々」のneedsに応えたものとなるよう、開発コンサルタントが互いに切磋琢磨する糧となるのだということを学んだ。国際協力において「利益追求」は時としてプラスに働くこともあるのだ。今回、「利益追求」にもプラス作用があるという視点を持てたことは、私にとってとても大きな収穫であったと思う。そして、自分が今まで当然のようにマイナスだと見做していたことのプラス面を知り、改めて「世界は白と黒の2色には分けられない」というChadさんのお言葉を思い出した。一見悪いことのように感じてしまっていた「利益追求」も、国際協力活動自体の発展をもたらすことがある。そして、それには、「『貧困に苦しむ人々』の力になりたい」という強い気持ちがなくてはならないと思う。なぜなら、そのような熱意がなくては、利益追求のみを目的としてしまい、不正をして仕事を手に入れたり、現地の人のneedsには合っていないが利益の大きい仕事をしたりする可能性があるからである。だから、熱意と利益追求の双方が必要であり、逆に言えばこれらが結び付いたとき、国際協力活動自体が発展へとつながるのではないかと感じたのだ。このように、民間企業である開発コンサルタントだからこそ国際協力の場においても成果を特に重要視し、より現地の人々のneedsに合ったプロジェクトを作り上げることができると感じ、改めて多面性を意識して物事を見ることの大切さを実感した。
また、開発コンサルタントにかかわらず一社会人として生きていく上で、成果主義や時間厳守などの大切さを学んだ。全ては結果であり、そこに行き着くまでにどんな苦労や努力があっても、結果が伴ってなくてはいけないという社会の厳しさを改めて実感した。結果を出すこと、時間を守ること。口で言うのは簡単であっても、実際にそれを行動で示さなくては0なのである。この岡部様、そしてモモのお話を噛みしめ、自らの甘さを律したい。
最後に、わざわざ遠い中央大学まで足を運び、私たちに貴重な講演をしてくださった岡部様に心から感謝の意を示したいと思います。お忙しい中、本当にありがとうございました。