辛 尚美
05W2116004J 辛 尚美
私は世銀、そしてMDGsについてリサーチをしている中で、前回大橋様がおっしゃっていたことを思い返していた。私は大橋様のお話において、「開発」という概念そのものがいわゆる先進国側からの目線であり、偏った考え方であるということが自分の中で強く印象に残った。それまで、開発というものを当たり前の概念として捉えていた私にとって、大橋様のお話は自分の偏った考え方を見直すきっかけとなった。そして、あくまで問題を解決するのはその国の当事者であるということを再認識したのである。そのため、私は今回のテーマについてリサーチを進めるのがとても難しかった。なぜなら、前回開発についての考え方を見直したばかりであるのに、MDGsというのはまさにその名の通り、「開発」を目標としている。正直なところ、私は開発をどのように捉えてよいものかわからなくなっており、その目標を達成する上で重要な役割を担っている世銀に対しても、結局は先進国側からの目線で「援助」を行っているに過ぎないのだろうと、マイナスなイメージしか持つことができなかった。
しかし、今回大森様のお話を伺ってみて、そのイメージは壊された。まず、大森様はプレゼン班からの質問に対し、MDGsの認知度を上げるというよりもむしろ、途上国の問題についてグローバルな視点で見れることが一番大切である、とおっしゃっていた。このお言葉から、世銀が決して一方的な援助を行っているだけの機関ではない、ということがわかった。また、世銀の世銀内部でも開発についての考え方を見直す動きがあるということもわかり、非常に安心した。そして、生徒からの質問に対しては、イニシアティブはやはり世銀やその他の機関が持つべきものではなく、当事国が持つべきものである、とおっしゃっていたが、これは大橋様のお話と共通しており、当事者主権で問題を解決することの大切さを改めて感じた。また最後に、大森様の考える「開発」とはchangeであり、changeすることによって、そこには良くも悪くも当然何かしらのimpactがあるが、それを良いものにしていくかは、自分たちのやり方次第である、とおっしゃっていた。私はこのお言葉を通して、今まで自分は「開発」という考え方が良いか悪いか、そしてそれに携わっている機関の行っていることが良いか悪いか、という見方しかできていなかったことに気がついた。しかし、途上国の問題を解決するためにはやはり開発、つまりchangeは必要不可欠であり、その携わり方は、それぞれの機関によって変わってくるものである。今回は、世銀という金融機関の立場上、お金によって援助を行っているだけであり、その業務を一概に良い悪い、と考えることはできないのだ。ただ、政府、企業、NGOを問わず、どの立場においても共通して言えることは、本当に途上国のことを考え、当事者主権でそれぞれがやるべきことをやっているということであろう。このことがわかった今、私は物事を良い悪いの判断で考えることを辞めようと思った。やはり、世の中に絶対的に正しい答えというものは存在せず、色々な考え方、つまり多様性がある中で、自分が正しいと思ったことをやっていけばよいのだということを強く感じた。そして、今回このようなことを再度考えるきっかけを与えてくださった大森様には心から感謝したい。