西村麻美
05W2115015F 西村麻美 まず、大変お忙しい中お越しくださった大森様、本当にありがとうございます。わたしは今回、大森様のお話を伺ったなかでもっとも印象に残ったお言葉がある。「国連が、あるいは世銀がイニシアティブをとれるといったような話ではなく、当事者である人がきちんと運転席に座っている必要がある。」という言葉である。わたしはこの言葉を聞いて、前回うかがった大橋様のお話から「当事者主権」のものの見方の大切さを理解し、自分でもそれを心掛けていたつもりであったが、まだ、物事を考えるときに、一方向的で未熟な見方から抜け出しきれていないということを実感させられた。「世界銀行がイニシアティブをとれる」という世銀班のプレゼンテーションに対して、果たして世界銀行がイニシアティブをとる必要があるのか、援助を受ける貧困に苦しんでいる現地の人々もイニシアティブをとる必要があるのではないかと大森様はおっしゃった。 「貧困のない世界を作る」というひとつの目標を達成するためには、率先して行動するということを世界銀行と現地の双方が行う必要がある。双方がイニシアティブをとることによって初めて成しえることなのだ。これは世界銀行に限らず、政府・JBIC・NGOなどあらゆる機関にあてはまることである。
また、大森様のお話からMDGsに対してのわたしの考えが改まった。わたしは、MDGsに関してリサーチする中で、MDGsとは、「貧困をなくす」という漠然とした先の見えにくい目標を、「1日1ドル未満で暮らす人口比率を半減する」などといった具体的な数値を明示した目標として掲げ、またその目標達成期間を定めることによって、貧困というものを、早急に解決に向けて取り組むべきものとして現実味を帯びて私たちにせまらせるという点で非常に重要なものだと考えていた。つまりわたしは、具体的な目標を掲げたという点に注目していた。しかし、そうではなく、189カ国・147元首がこのMDGsに合意したということが重要なのだと気づかされた。貧困や環境といった地球規模の問題の解決には、世界各国が心をひとつにして活動するということが非常に重要なのである。これを率先して実践することができるのは、国際機関である世界銀行だからこそだと感じた。また、国際機関としての世界銀行は、各国をまとめ、そして互いの連携を図って効率的に活動を推進させることができるという長所を持っているに過ぎず、「貧困のない世界を作る」ということを実現できるのは、それぞれの国々、そしてそこに暮らす人々なのであるということを忘れてはいけないと思った。大森様が日本でのMDGsの広報活動において重要視しているのは、MDGsについて知ってもらうということではなく、そのMDGsを掲げるにあたった背景を知ってもらうということだとおっしゃっていた。より多くの人々が、途上国で起きている問題について知り、さらにそれをグローバルな視点で考えるということが大事なのだ。そして自分には何ができるのかを考え、行動するのである。そうすることによって、国という枠でなく、世界全体として「貧困のない世界」を目指せるのではないだろうか。世界銀行は、国や、あらゆる機関を動かしている遠い組織のように感じていたが、このようなきっかけを私たちに与えるという、身近であり、重要な役割も果たしていると分かった。