長島 慧史
05W1406016C 長島 慧史 今回、大森様のお話の中で、大森様は”The poor”という意味の言葉を表すときに、「貧困に苦しむ人々」という言葉を使って表していらした。大森様がどのような意味をこめてこの「貧困に苦しむ人々」という言葉をお使いになっているのかを考えたい。
この世界には64億の人々がいて、そのうち約12億人は1日1ドル以下での生活を余儀なくされている。この人たちは、”The poor”と認識され日本語では、「貧しい人々」、「貧困層」という言葉で表すことも可能である。では、「貧困に苦しむ人々」と「貧しい人々」、「貧困層」ではどのように意味が違ってくるだろう。まず、「貧しい人々」という言葉の意味について考えると、この言葉は、先進国の人々が1日1ドル以下での生活を余儀なくされている人々を経済的な視点で貧しい人々であると判断し決めているように感じる。しかも、それは自分たちとは関係ない遠い場所で起こっているような感覚を持たせる。では、「貧困層」という言葉はどうであろうか。この言葉は、経済力の低い人々を表す言葉であるが、その「貧困層」という言葉の中に、人々の存在感を感じることはできない。しかし、「貧困に苦しむ人々」はどうであろうか。この言葉も同じように、経済力の低い人々を指す言葉であるが、そこには経済力が低くても必死で生きようとしている人々の姿を想像することができる。そして、その人々の苦しみを思い浮かべさせる。大森様がこの言葉をお使いになられるのは、私たちに「貧困に苦しむ人々」の生活を自分たちと関係のない遠い国のこととして考えてほしくないからであると考える。さらに、大森様は、普段世界銀行の業務で世界の貧困をなくそうと努力していらっしゃる、その業務は直接人々の生活とかかわることが少ないであろう、しかし、業務中の大森様の熱い心の中には、いつも現地の人々の暮らしがあり、その苦しみを何とかして改善しなければという思いがあるのではないか。だから、そこに住む人々のことを無視するように「貧困層」というような言葉は使うことはできない、それで「貧困に苦しむ人々」という言葉を使われているのであると考えた。同じような意味でも、それを使う人の気持ち、願いによって言葉はまったく違うような印象を与えることになる。今回の大森様の話を聞いてそのことを強く感じた。言葉を選ばなさすぎるということは、モモも私たちに指摘してくださる部分である。言葉を選ぶということは、相手に対する思いやりである。今回の大森様の話を聞いてそう感じた。普段の生活の中で私は、ここまで気を使った言葉選びはしていなかった。英文を読んで、ノートに日本語を書く時も、私は辞書に出てきた言葉をそのまま使って書いていた。その言葉によって示される人々の生活などを想像して言葉を選ぶことなどはしていなかった。そして、この行為は相手にとって、とても失礼な行為であるということに気がついた。今後、私は一つ一つの言葉の意味をしっかり捉え、その言葉が示すもの、その言葉が人をどんな気持ちにさせるかを考えて選んでいきたい。
お忙しい中、遠いところまでお越しくださりありがとうございました。貴重なお話を伺うことができてとても勉強になりました。