加藤 翼
私が大橋様から聞いた話の中で、一番考えさせられたことは大橋様にとってのdevelopmentとは何ですか という質問に対する、大橋様の答えであった。私たちは逆に大橋様から、どういったことを基準として発展したといえるのか、という問いを与えられた。その問いによって、今まで、発展していない国は発展する必要があると感じていた私は先進国としての立場から物事を見ていたのではないかということに気づいた。普段の生活の中で西洋の文化があふれている今日の日本では、西洋からの文化を必然的に正しいものと決めつけ、そうではない国(スリランカ、アフリカなど)の文化を“民族的である”という一種の偏見交じりの考えで見ることに慣れてしまっていたのだろう。しかし、大橋様のおっしゃるとおり、日本料理でもフランス料理でも、スリランカ料理でも、“ethnic”料理なのであり、発展途上国の文化をマイナスのイメージでとらえていたことは否めない。すべての文化はそれ固有の特徴を持っているのであって、ある文化はいいけど、あの文化はだめであるといった考えを持つこと自体考えてみればおかしいことである。それにもかかわらず、民族楽器の例でもあったように、私たちは発展途上国からの文化を正当なものだと認めようとしていない部分がどこかにあるのだろう。
また、大橋様はNGOのブランド化ということもおっしゃっていた。普段の生活の中でも私たちは、ともと自分の持っている価値に付け加える形でブランドを求めようとしている。学校でも、偏差値が高ければそれなりに社会的な評価が高くなるという考えから、偏差値の高い学校を受けるのであり、高額なものを買うことによって自分の購買力の高さを示そうとしている。また、有名なものはさらに人を集め、人が集まるところにブランド性を感じてしまう。大橋様がおっしゃったように、NGOでもお金の集まるNGOと、あまり集まらないNGOとの違いにも人々のブランド志向が表れているのだと感じた。
大橋様がNGOをやろうと思ったときに、バングラディッシュを変えていくことは日本を変えていくことと変わらない熱意を持っていたことを知った。大橋様にとっての海外協力とは、ただ外国で起きている問題として考えるのではなく、その国に、または自分の国に対して自分に何ができるのかということを追求していく能動的で主体的な姿勢の現れであることを強く感じた。そして、その姿勢がNGOを今後も続けていこうという思いへとつながっているのだと思う。
お忙しい中お越しいただいた大橋様に感謝したい。