西村麻美
05W2115015F 西村麻美 まず、私はこのdevelopmentライブの授業で大橋様に出会い、ご講演を聞けたことをとても嬉しく思う。私が物事を相手側の立場からも捉えるということ、つまり当事者主権という見方を十分にしきれていなかったということに気付かせてくれたからである。また、大橋様の「好きなこと・興味があることだけをやる。無理はしなくていい。」という自分自身に対して素直でまっすぐな姿勢に非常に惹きつけられるものを感じ、自分自身もそうありたいと再確認できたからである。
私は、リサーチの段階で『“市民”による海外協力』とは、助けたい・学びたいと思い、自分に何ができるのかを考えて行動するといった自主性を持った一人ひとりが、共に同じ地球上で協力して生きていく“共生”であると解釈した。しかし、大橋様のお話を聞き、私の中にあった「途上国の人は私たちが助ける対象」「先進国・途上国」などといった概念がすべて作られたものであるということに気づき、“共生”を考えるときに私は無意識に、開発を目指すこと・世界中が先進国を目指すことと捉えていたこと、その前提自体が偏ったものであったと分かった。もともと先進国・途上国といった概念は政治的に作られたものであって、ほんとの本いうことが質というものは表していないのである。ヨーロッパに追いつけ追い越せ、そして先進国を目指すこと、このことをスタンダードとしてしまっているということをもう一度考え直さないといけないと思った。単純に途上国、先進国、助ける、助けない、と分けるのではなく、問題の原因を構造的に考えなければならないということを思い知らされた。その上で、開発というものを考えなければ、開発そのものは何なのかという議論自体、空論になってしまう。私の中にある作られた概念、そして相手側の視点で物事を見ていたつもりが、それでも根底にあった自分側からの視点、これを見直す必要性を感じた。これは大橋様のお話を聞き、そして机上での勉強を通して根本的に直るものではなく、やはり自分が直に現地と関わりを持ったりするなどの経験のなかでこそ真に改善されていくものなのではないだろうか。
もう一つ、講義を聞くなかでストリートチルドレンの話が印象に残った。どうやったらストリートチルドレンを助けられるか?この場合2つの大きな思想的な違いがあると大橋様はおっしゃった。1つめに、子供は保護される権利、学ぶ権利、教育を受ける権利を所有しているから、児童労働しているストリートチルドレンはすぐに保護され、教育を受けるべきだという思想。2つめは、働く子供たちをエンパワーしようという思想。つまり、子供たちがストリートで荷物運びやごみ拾いをしていることを権利として認め、また、病気になった場合は医療を受けることができるよう保護するということである。ストリートチルドレンをストリートから引っぺがすのではなくストリートで生きていけるようにしようという考え方である。この2つの思想にはどちらが正しいとかはないのである。現地の市民社会にも多様性がある。だから、私たちがすべきことは、その多様性のなかでそれぞれの立場をサポートすることなのだ。現地には現地の市民社会があるということを私は忘れてしまっていた。このことに気づけたことはとても大きいことなのではないか。なぜならこれは、現地だけに限らず日本の中でも言えることだからだ。
ここで学んだことを次につなげるためにも、ここで得た新たなものの見方をただ受け取るだけではなく自分のものとしなければならないと感じた。そして、今後また偏ったものの見方をしてしまわぬよう、さらなる努力と勉強と経験を積み重ねていく必要があると感じた。