武石 さとみ | リフレクションペーパー

武石 さとみ

05W2114011J 武石 さとみ 今回大橋様のお話を伺えたことは、自分自身を大きく見直すきっかけとなった。大橋様のお話は、知識をさらに深めるという以上に、今まで私が当たり前のように考えてきた概念自体を打ち砕いてくださった。

私は今まで、当然のように「先進国」「開発途上国」という言葉をつかい、途上国の人々を助ける対象と見ていた。しかし、先進国・途上国という区分自体、国民一人当たりのGDPを比べただけであって、先進国だから幸せ、途上国だから可哀想だとは決して言えないのである。そして、シャプラニールが直接途上国で支援活動をするのではなく、現地のNGOのパートナーとなって間接的な支援を行っているのは、現地のNGOにしかできなく、先進国にはできないことがあるからだというお話は、先進国の方が能力があるのだという勝手な認識を改めるきっかけとなった。「『開発』という概念は砂上の楼閣である」という大橋様の言葉には、今まで私が考え、思ってきたことを根底から揺さぶられた。特に、「今電気がなくなったらインドの方が先進国になり、日本は支援される側になる」というお話は本当に衝撃的だった。それまで当たり前のように思ってきたことに対し疑問を投げかけられ、自分がいかに西洋を基準とした指針で世界を見ていたのか気づき、正直ショックであった。話を伺っている間何度も自分を振り返ったとともに、途中涙が出そうになった。それくらい今回の講演は私にとって衝撃であったし、考えさせられるものであったのだ。このように開発に対し新たな認識を持てたことは、本当に大きな学びであると思う。

また、大橋様の「南アジアが好きだから、この活動が楽しいからやっているのであって、決して犠牲的にやっているつもりはない」という言葉が非常に印象的であった。政府の海外支援などは、まず「開発」をしようというところから始まり途上国の現地へとつながっていく。しかし大橋様の活動は逆で、まず「その国の人々が好きだから力になりたい」というシンプルな気持ちが、自然と「開発」に結びついていく。だからこそ、本当に現地の人々のことを考えた、当事者主権の海外協力ができるのではないだろうか。当事者主権とはフラットに相手と同じ目線に立つことであり、それはすごく苦しく、戦いなのだとモモはおっしゃっていた。その苦しさ、辛さに全力でぶつかれるのは、大橋様が本当に南アジアを好きだからだと感じたとともに、私もそのような形で「開発」に関わっていけたら、と思った。また、「多様性」を認めることの重要さを今回改めて感じた。大橋様はインドのストリートチルドレンを支援する2つのNGOを例に、絶対的な価値観、正しさはないのだということを教えてくださった。一番大切なのは、何が正しいのかということより、自分が何を選ぶかということ。何が正しいかに答えはなく、だから私たちは、常に自分の中の価値観を疑いながら答えを探していかなければならないのだと感じた。

きっと今回大橋様のお話を伺っていなかったら、「開発」という概念に対し疑問を感じることさえなかったかもしれない。そう思うと改めて私の価値観を見つめ直すきっかけをくれた大橋様に感謝するとともに、大橋様のお話を伺う機会を与えてくださったモモに、本当に感謝している。大橋様という熱い心を持たれた方に出会え、本当にうれしい。