豊田貴志
まずお越しくださった大橋様に対してお礼を言いたい。今回の大橋様のお話を聞かせていただいたことで、開発とは何か、大橋様のお考えを通してNGOの役割、そして大橋様の海外協力に対する信念を学ぶことができた。まず開発とは何かというお話の中で、印象的だったのは、海外協力を行う際に大切なことは、現地の人々による問題解決、つまり当事者主体の問題解決が望まれ、現地の人々に対して哀れむ気持ちを持つのではなく、相手の視点に立った海外協力を行うことが望まれるということである。私が以前に抱いていた海外協力のイメージとは、支援をしてあげると考えていたが、大橋様のお話により、当事者が主体となれるような協力をするということが海外協力なのだと感じた。また私がイメージしている開発とは、あくまで西洋基準であったということである。開発という言葉の中には先進国、途上国という固定観念があり、この国自体の定義づけが西洋基準であり、そこで大橋様は、大学の偏差値を例に挙げられ、偏差値の価値は表面的に定義付けられているだけで、大学の内側を含めた良し悪しまでは、反映していないと述べられた。同時に大橋様は先進国、途上国というランク付けは表面的な定義づけであり、必ずしも先進国が途上国と呼ばれる国々よりも発展しているという捉え方は正しくないということをおっしゃられていたことが、自分が今までこのような固定観念にとらわれていたのだと感じた。
大橋様はNGOの役割について、多様性がある中で、現地に対応した協力が必要とおっしゃられていた。これはインドのストリートチルドレンへのNGOの対応を例に挙げられながら、説明していただいた。その中で、ストリートチルドレンを保護施設に入れる政策とストリートチルドレンであることをやめさせずに支援していく活動があることを知り、特に後者の活動が私にとって、新しい発見であった。私の中でのストリートチルドレンのイメージは保護してあげなくてはならないという前者の活動のような考えを持ち、彼らを哀れむ気持ちがあった。しかし上述にもある大橋様の望まれる海外協力は哀れむのではなく、相手の視点に立って行うということが、後者の活動に対して反映されていると感じた。そして私は後者のような相手の視点に立った活動というものも必要なのだと感じた。
大橋様の海外協力の信念として挙げられていたことは、私にとって新鮮であった。それは、「バングラデシュの問題は、日本の問題でもある」というお言葉である。この意味は、他国の問題を考える前に、まず自分の国の認識を変えていかなければならないということであるという。私は他国の問題を考える際、まずその国のことを知るということが大切であると思っていたが、このお言葉を通して、自分たちがその国に持つ偏見や固定観念といった認識を問いただし、相手の立場にたって考えるということがまず大切なのだと感じた。
今回の大橋様のお話では、自分の認識が凝り固まったものであり、そのことを疑いもしなかった自分が未熟であることを感じた。しかし今回を機に自分の固定観念を疑うということが必要であると気づくことができた。