藤元亮太
05W2114005K 藤元亮太
今回、特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会代表理事をなさっている大橋正明様のご講演を聴き、私は2つのことを改めて認識させられた。
1つは、「先進国」と「発展途上国」という区別についてである。この区分は資本主義であり、経済的に豊かであった国が勝手に決めたものであり、各国を比較するうえで、このことが本質を問うているわけではないということは、本などから認識していたはずなのに、大橋様がご指摘してくださったように、私は何事を見るにも「先進国」という枠組みのなかで見てしまう傾向があったことが改めて認識できた。自分のなかで勝手にわかっているつもりになり、本質的には何もわかっていなかったことを恥ずかしく思うと同時に、悲しくも思う。私は作られた概念である「開発」というものを知らずに受け入れ、それを思考する際に前提として考えていてしまっていたのである。これは「開発」のことに関わらず、教育などの分野でも、私は西洋を中心とした考えを真ん中に持っていたことを痛感させられた。大橋様のおっしゃるひとつひとつの例が、私に新たな視点を与えてくれ、そう考えられなかった自分を再認識できた。特に、児童労働のことに関しては驚くしかなかった。グループワークにて児童労働のことを調べていながら、児童に稼ぐ権利を与え、彼らの生活を認めるという考え方を、まったく思いつかなかったのである。考え方は好みだと、大橋様はおっしゃられたが、私はすでに考えの選択肢を削っていた。このことに気付き、今の自分のままではいけないと強く感じた。
2つ目は、「答えはないから、苦しめ」というお言葉の重さである。途上国がかわいそうだから援助をしようなどと、短絡的な考えでは何も解決はしないということを大橋様は強くおっしゃられたが、この問題には答えはないとおっしゃられたことに大きな衝撃を受けた。専門家が何十年も考えてもわかることのない「開発」という問題は、今後の世界にとって最も重要なものであろう。しかし、解決しようとするならばまず視点をそろえなければならない。言葉にしてしまえば簡単だが、実践することは困難である。さらに答えがないとなれば、このことはどうしようもなくなってしまうだろう。だが、だからこそ苦しまなければならないのではないだろうか。同じ視点に立って考えられるよう、散々に苦しまなければ先へは進めないことを改めて感じた。
以上2点のように講演を聴けば聴くほど、自分の無知さが露呈し、反省しなければならない点が多いことを改めて認識した。しっかりした知識とさまざまな経験をなさってきた大橋様だからこそ、このようなことを感じさせてくださったと思う。気付いたことを今後に活かせるようにしていきたい。
大橋様は恵泉女学園大学の教授もなさっており、大変ご多忙ななか、遠いところよりわざわざきてくださり、たいへん楽しい講義をしてくださったことに感謝の意を表したい。