西原実苑 | リフレクションペーパー

西原実苑

05W1301004L 西原実苑

今回、JBICの江島様からお話をお聞きして、一番興味深かったのは、スリランカ北東部における援助についてである。スリランカは昔からタミルとシンハラの間で民族対立が続いていて、約20年間、スリランカ政府とタミル・イラーム解放の虎(LTTE)の間で民族紛争が続いていたが、2002年に停戦合意した。それゆえ、日本は現在、北東部の方にも援助を行おうとしている。リサーチの段階では、スリランカ政府とタミル・イラーム解放の虎(LTTE)の間では、停戦状態が続いているが、最近は険悪な雰囲気になっているという印象を受け取ったが、江島様の話によると、現在は停戦協定が守られているために、実際に危険な場所はあまりないという。江島様やJBICの方々が北東部の方へ行く際、事前に連絡をしておけば、危険な目にあうことはまずないそうだ。JBICのプレゼン班のプレゼンにもあったように、これまでの日本のスリランカに対する援助は南西部に集中していた。これからだんだんと北東部に対しても援助していくのだが、これまで北東部は紛争のために、インフラ等が破壊され、多くの援助を必要としている。それゆえに、北東部に対しての援助に資金を多くつぎ込みがちだが、それだと、今度は南西部の方から不満や苦情が出るという。また、江島様のお話によると、津波の影響で沿岸部は多大な被害を被ったが、それらを立て直すために、元の彼らの生活レベル(貧困レベル)ではなく、せっかくだから、スリランカの国民の平均的なレベルまであげてしまおうという話になったらしい。なぜスリランカの国民の平均的なレベルでとどめてしまうのか。もし、津波の影響で多くの被害を被ったが、復興によって、スリランカでいう平均的な生活レベルよりも生活のレベルをあげてしまったら、まわりの人たちがうらんだり、ねたんだりする。だから、まわりの地域に合わせて、援助や開発を行っていかなければいけない。このお話を聞いて、私は、開発というのはただやればいいという考えでやるのではなくて、周りを見て、バランス良くやっていくことが重要なのだと思った。また、開発というのは、その地域ごとに個々にやることではなくて、国全体を見て、その国にあった開発のやり方でやることが大切だということも学んだ。

江島様は「development」とは何かという問いに対して、途上国の人々が明日食べるものを考えるのではなく、5年後、10年後のことを考えることができることだと答えてくださった。このとき私は、途上国で生活している人々と私たちの今の生活について考えた。私たちは明日食べるものは当たり前にある状況だから、明日何を食べようかと真剣に悩むことはない。私たちが普段考えることは、明日何をしようか、から始まって将来の先の先のことまで夢を持って描くことができる。一方、途上国に住む人々は、一日一日をどう生き延びるかを考えなければいけない厳しい現実と向き合っている。私はまだ一度も自分の目で途上国の現状を見たことがない。それゆえに、実際に開発に携わって、途上国の実状を見てきた江島様から出たこの言葉は私の心に重くのしかかった。

最後に、忙しい中、遠い多摩まで来てくださった江島様、江島様のお話を聴く機会を作ってくださったモモ、講演会をがんばってプロデュースしてくれたプレゼン班のみなさんに感謝したい。