渡辺愛李
05W2116012E 渡辺愛李 私は今回の江島様のお話を伺い、スリランカにおけるJABICの役割を知るとともに、開発を行うにあたっての心構えや大切なことなど、大きな枠で開発を捉え、さらに大きく、社会との関わり方についても学ぶことができた。
授業において最も印象に残った言葉は、「江島様にとっての『development』とは何ですか」というプレゼン班からの最後の質問に対するご返答である。「発展途上国の人々が明日の食べ物を心配するのではなく、5年後、10年後の子どもや国を考えられる社会であるようにすること。」この言葉より、目先の建設工事や食糧支援よりも、子どもや孫を考えた教育や医療などへの投資による開発の重要性を強く感じた。そして、持続可能な開発の大切さも考えることができた。
また、プレゼン班の内容の、要請主義的ではなく共同形成主義的なプロジェクトを、といった結論の提示同様、私がリサーチしたなかでもJBICは今まであまり現地の人の声を聞いていなかったのではないか、という印象を持っていたので、是非この点についてのご意見を伺いたいと思っていた。実際に江島様の「100億円のプロジェクトも1つの会話から」というお話から、地元住人の声をしっかりと聞いていることが分かり、自分の考えが大きな誤解であったと気が付いた。日本のODAやNGOでは草の根が盛んに叫ばれているが、私には今一つ遠い言葉であった。しかし、スリランカにおいて、JBICの代表であり、現地での対応はJBICの対応であると受け止められるという責任重大な立場にいらっしゃった江島様より直接お話を伺うことにより、地元での草の根の努力が開発の成功の大きなカギとなることに実感が湧いた。このお話のなかにあった、「現地の人との対話を通して開発を進める」「原則全員に要望・意見を聞く」そして「これらの経験をして初めて気付くことを大切にする」これらの貴重な体験談から、JBICなどのODAにとどまらず、人と人との係わり合いの基本も教わることができた。
スリランカの津波支援に対する寄付金が巨額であったというお話も興味深かった。スリランカには余るほどの寄付金が集まったのに対し、パキスタンやスーダンへの支援はあまり寄付金が集まらなかったことにとても驚き、スリランカには白人の外国人が多かったためという理由には衝撃を受けた。同じ民族に対しては世界中から支援が集まるが、言葉も習慣も異なる民族に対しては支援を行わない。私は災害の支援にも人種差別がある現状を知らなかった。自分と似ているから助ける、全く異なっているから見向きもしないではなく、自分が生きている地球の災害であるという意識を持って支援活動に臨む人を増やすにはどうしたらよいのか、しっかりと考えていかなければならない問題であるが、非常に難しい問題ではある。
また、津波支援に関して、小・中期的資金協力のお話も出ていた。私は日本が津波支援に非常に協力的なことはリサーチの上で知っていたが、欧米が緊急事態への対応の段階で止めてしまったことに対し、日本は新しい小・中期的資金協力計画をうち立て、援助を続けていることは新しい知識であった。普段耳にするニュースでは知ることのできない現場の事実である。
江島様のお話により、馴染みの薄かったJBICを身近に感じることができた。資料を調べているだけでは知りえない、現地で活動なされたからこそお聞きすることのできる貴重な体験談を伺う機会を与えて下さった江島様に、心よりお礼申し上げたい。