太田雄介 | リフレクションペーパー

太田雄介

05w1302015E 太田雄介


 今回の講演を聞いて、やはり実際に働いている方は一つの物事について多面的な見方ができているなと感じた。その中で自分の中で印象に残っている箇所について順番に考察していきたい。

 一つ目は、日本政府はODAの額の減少を補うために質を上げるのではなくて、額を増やすために質を上げるという見方だった。現在ODAのGNI比が低いのは、日本が不景気であり海外にお金を出している余裕はないという意見や、議員がODAを不正に利用して儲けていたという事件、そしてインドネシアのコンタパンジャン・ダムに代表される事例[渡辺、三浦 2003:3-4]などによる日本のODAの有用性に対する不信感からくるものである。ODA額、つまりODAのGNI比をあげようと思ったら、このような国民の不信感を払拭していかなくてはならない。そのために質を上げ国民に有用性を示し、税金をより多くODAに割く事必要があるというのだ。自分の今までの考えでは質と量を対比関係にしか考えておらず、相互の及ぼす影響には目がいっていなかったため、この意見を聞くことにより柔軟に考えるための手がかりを得ることができた。

 二つ目は、よくODAの効率を上げるために政府とNGOの連携が言われるが、上田様の発言の中であったのは連携していくべき、また予定なのはNGOだけではないということだった。たとえば借款と技術協力の連携など、政府機関の内部で連携をしていくべきであるということ、また現地の政府と立案段階から関わっていこうということである。自分の頭では連携というと民と官との連携、外部との連携しか浮かばなかったが、こうした公的機関同士や内側の連携も効率化の上では欠かせないということに気づかされた。

 三つ目は、現地政府との立案段階から関わっていくべきであるとの意見、そして中国の話をされた際の、日本と中国では地理的条件が違うというお話だった。前者からは、援助というのは単にお金や個別事項の技術を提供するだけでなく、実際どのように援助を行っていくかというノウハウを提供するということも重要な要素として含まれることに気づかされた。後者からは、援助といっても地域ごとに事情は異なり、単純に自国のノウハウを押し付けるだけでは効果は見られないということだった。これらから言えることは、どのように援助を行っていくかという根本的な部分においても、やはり相互の情報交換・対話が必要であるということである。

 事前に自分で調査をした上で実務者の話を伺うというのは、有意義な機会であった。



参考文献


渡辺利夫、三浦有史(2003)「危機の時代のODA」「日本は何を実現すべきか」渡辺利夫、三浦有史『ODA(政府開発援助)』東京:中央公論新社,pp3-27,95-121。