なんだかすっかり秋めいた気温になってきている今日この頃。
おかげでデパートのショーウィンドウの秋物ディスプレイに目を奪われる出勤路。
でまあ、ちょっと覗いてみたそごうのアクセサリー売場で、こちらを発見。
多分、夏物なんですが(笑)、私の中でゴールドは秋色なので勝手に秋物として購入。
リボンはちょっと渋めのピンク。
ピンクは春も良いけど、秋にも合う色ですよね~。
茶色とか黒のトップスに合わせようと思ってます。
半額で¥1,200でしたvv

- マルタ・サギーは探偵ですか?7 マイラブ (富士見ミステリー文庫 54-9)/野梨原 花南
- ¥546
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終わってしまった……。
あ、以下ネタバレです。
正直、ちょっとだけ、デアスミスとの決着が拍子抜けだったと言うか……へ?あんた、そんなキャラだったの??って感じもしなくはないんですが(苦笑)。
もうとにかく、体は17歳、中身は25歳の名探偵(笑)マルタに振り回されるバーチが可愛かったので、全部良しとします(笑)。
前回の、バーチのイレギュラーカード使用に対するペナルティネタが、まさかここで返ってくるとは……結局、マルタって結構頭良いんですよね。お勉強はできないみたいですけど(笑)。
-念願のバーチとのデートを果たしたマルタ。いい雰囲気だと思っていた矢先、バーチの正体である女性実業家・マリアンナと宝石王ランの結婚が発表される。一体どうして? バーチの本心に秘められた謎を解く、最終巻!! -
と言うあおり文句だったのに、実際に読んでみたら、その部分がかなり後半にちょっとだけ。
まあ、考えてみたら当然なんですけど。
デアスミスの件がありましたからね。
リッツのアテンダントとか。
-いつでも、愛を返して欲しかった。だから、誰かを嫌いになったりしないようにしてた。でも、もう僕はこどもじゃないから知ってる。自分にとって大事な人は、選べる。自分を軽んじない、無視しない、蔑ろにしない、尊敬できる人—好きなひと。そのひとと一緒に、僕は僕を幸せにしていいんだ。そのために、マルタ・サギーは走っていた。暗い山道を、ぼろぼろになりながら。大好きな家族のリッツを助けるために。親しくなった隣人がいるオスタスを、死の都市にしないために。そして…最愛のバーチを守るために。暗躍していたデアスミスが、ついに動き出す。リッツをさらい、『賢者の石』を手にするために、オスタスでの大量虐殺を計画するのだが!?名探偵マルタ・サギー、最大の事件簿は彼の“愛”をかけた物語—。
こっちのが正解。
のっけから熱と怪我でボロボロのマルタ。
その隙をついてリッツを攫うデアスミス。
この期に及んでもまだクレイを捨てきれないマルタが痛々しかったなぁ。
『シュバルツヘルツ』で奏がいつまでもアイザックを嫌いになれないのはイラつくんですが、マルタがクレイを嫌いになれないのは何だか切ないんですよねぇ。
相も変わらず天然タラシのマルタに、今回もあちこちで被害者続出(笑)。
バーチは元より、今回はジョゼフ犬とランへの攻撃が凄かった(笑)。
でもって、とうとう昼は犬、夜は少女になるという秘密がバレたジョゼフ犬。
それを何でもない事のように受け入れたマルタに対して、『怒りも驚きもせず、喜んでいる事に胸が痛い』と言うジョゼフはやっぱ犬であり女の子なんだなぁ、と思った。
マルタの変化を凄く敏感に察してるんだなぁ。
前巻に引き続き、今回もマルタの周囲の人達が彼の変化に戸惑い、理由は分からないけれど胸を痛めてる。そうゆう描写がそこ、ここに出てきて、何だか10ページ程読むごとに鼻かまなきゃいけない状態でした(苦笑)。
一体いつからマルタの家族設定がなされていたのか(最初からって事は、多分ないよね?)分からないけれど、あの第一巻の無気力さに理由がったと言うのが、最終巻までに自然に描かれてて凄いなぁ、と思う。
一巻でいきなり親に黙って高校をやめ、教科書を燃やすシーンが始まったこのお話。
それなりの広さの一軒屋に1人で住み、両親は仕事で海外。
まあ、放任主義の家なんだろうなぁ、と。今時の若者にありがちな無気力少年なんだろう、と。
そうゆう風に描かれてたし、大抵の人がそう受け止めていた思うんですよ。
まあ、初対面で拾ってくれて、靴擦れの手当てしてくれて、紅茶飲ませてくれて、暫く泊めてくれただけ(最後の充分恩義に感じるトコだと思うけど)のクレイに対しての執着っぷりから、愛情には飢えてたんだろうと思いましたけどね。
二巻以降も、あまりに蓑崎(元いた世界)への執着がなく、リッツやジョセフ犬など、オスタスでの仲間、家族を大切にする様子から、前の生活に未練がないのも感じ取れました。
五巻でカード戦争から弾き飛ばされ、蓑崎に戻ってしまったマルタ。
オスタスに戻るために必死に7年間を過ごす彼には、やっぱりオスタスしか見えてなくて。
それが分かっていながら彼を支える蓑崎の人達が悲しかった。
そこで初めてマルタの家族の話が出てきて……放任主義なんてレベルじゃなく、自分達の事しか考えてない親なんだなぁ、と。でもその程度の認識でしかなかったんです。
最終巻で語られる小学校の時の話。
これはもう、ネグレクトに近い。育児放棄。
自分達が楽しむ事、自分達の仕事の事しか考えてない。
食事の支度もしない。
雨の中ずぶぬれになって帰ってきても見向きもしない。
まさかここまでだったとは思いもしなかったけど、知ってみると、なる程と納得もできる。
だからマルタはクレイのしてくれた事があんなに嬉しかったんだ。
だからマルタはクレイの紅茶が忘れられないんだ。
リッツやジョセフ犬の事が大切で仕方がないんだ。
その事を話した時のマルタに対するバーチのセリフが、今回一番印象的でした。
「私の足下に転がっていれば良かったんだこの大馬鹿者がッ!!」
バーチ=マリアンナさんにしてみれば、クレイは嫌いだし、マルタの過去は切ないし、と腹立つことづくめなんだろうけど、そこに更にヤキモチまで入っちゃいますからね。
そうゆうゴチャゴチャした気持ちがストレートに出てて、何だか凄く気持ちの良いセリフでした。
きっと過去のマルタの所に行って、助けてあげたかったんだろうなぁ。
でも、今回助けに行けたからね。
神様は何もしてくれなくても、人間が、相棒と好敵手が助けにきてくれた。
ああ、ありがとう。
ありがとう。
蓑崎から戻ってきてからのマルタの言葉や思考は、深すぎて結構痛い。
でもこのふたりの登場、特にアウレカが現れたときは凄く安心しました。
トーリアスやクレイより、更に最初からマルタに係ってる相手だからね。
今や、マルタ・サギーを鷺井と呼ぶ、ただ一人の人だから。
結末は満足の行く大円団、しかもデアスミスとクレイまでそれなりに幸せになりそうな予感にビックリ。
トーリアス警部の出番が少なかったのが、ちょっと残念。
マルタがオスタスに来てから、ずっと係ってきた人だからね。
最終巻にはもっと絡んでほしかったな。
今回は印象的なセリフが結構多かった。
ランはホントに良いヤツ!
信とは二度と会えないけど、ランと言う友人を得る事ができたのは、やっぱり彼のおかげだと思うので、マルタにとってはどちらも大切な人になるんだろうなぁ。
あと、最初の頃から結構引っ張ってたラーメンネタがここにきて解決!
良かったねマルタ(笑)。
あと、マルタの前でのバーチのボロボロっぷりが可愛かった。
「どうして私が、…マリアンナがバーチだとわかったんだ?私は何かミスをしたかな?」
ミスしまくりです、ドクトルバーチ(笑)。
本業は菓子屋だってバラして、マルタを唖然とさせたじゃないですか(笑)。
いつまでもマリアンナの変装(本当の姿)をしていて、マルタに突っ込まれたじゃないですか(笑)。
まあ、正体を知ったのはカード戦争のあれこれで飛ばされた時なんで、彼女のミスじゃないんですけどね。
そうして最後の一文。
一巻が出た当初から(短編が雑誌に載った頃から?)突っ込まれまくりのタイトル『マルタ・サギーは探偵ですか?』に決着をつけるマルタの一言。
「だって、マルタ・サギーは探偵だから!」
綺麗に決まったな~。
満足×2。
出来ればcollectionsの方で、もうちょっと彼らの活躍を読みたいですけどね。