14/⑴/1章/『スコ史』 | 藤原の田中のブログ

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 単に地理的に考察してみただけでも、スコットランドの歴史の顕著な特徴のいくつかは、推測することが可能だろう。厳格な母親は息子たちを海外へ送り出した。そして、息子たちは勇敢だった。すなわち、自然の要害によってかくのごとく分断された国家は、なかなか一人の国王には支配されにくかった。その代わり、そこは外部からはなかなか征服されにくかった。たしかに南部(そこにこそ主要な敵が存在する)からは容易に攻め込まれた。また、スコットランドの最良の地は、ボーダー地方を越えてくる敵軍からは容易に届く距離にあった。しかし、たとえボーダー地方の大修道院が焼き討ちにあっても、ロジアン地方が略奪されても、北部には手強い人々によって所有された、手強い地があった。幾人もの将軍や王が、時々、ハイランド地方の深部にまで到達したが、彼らはめったにそこを完全に制圧するに至らなかった。