ジャズはとっくに死んだ音楽 


 ジャズは60年代いっぱいの音楽であり、67,8年にジョン・コルトレーンの死と共に、死んだ。あるいはマイルスが「ビッチェズ・ブリュー」を出して、死んだ。マイルスがそのアルバムでエレクトリックを採り入れたからなのです。

 60年代のジャズも、もういわゆるモダンジャズではなく、フリー・ジャズ。コルトレーンあたりがジャイアント・ステップスでやりつくしてしまったのです。オーネット・コールマンの「ジャズ、来るべきもの」がフリー・ジャズの開始で、これが60年代初頭。

 この三つの要素が「ジャズの死」であり、時代はロックとフュージョン(はじめはクロスオーヴァーと呼ばれていた)だった。70年代いっぱいなクロスオーヴァーと言われてましたね。




1964年から84年がロックのコアな時期

 そしてロックの時代が始まるのですが、大きくは1954年の「ロック・アラウンド・ザ・クロック」からがロックの始まりですね。「暴力教室」のテーマソングです。

 私の母は、ものすごく怖い映画で、恐ろしいから学校で禁止されていたと言ってました。まあ、今見ても、結構やばい映画です。ビッグ・モローが出てます。

 しかし、ロックのコアな時期はその10年後の64年から。ビートルズが「ア・ハー・ド・デイズ・ナイト」を出してからが、いわゆる「ロック・ミュージック」の始まりだ。そこから、1984年秋に、元レインボーのディオが出したアルバムが、ロックらしいロックの最後なのです。




20年間がロック最盛期

 ロック・ミュージックがロックらしかったのは、その間の20年で、自らがロックを任じていた時期だと思う。その後、80年代終盤もいいアルバムなどは出てきたが、いずれにせよロウソクの最後の火である。

 ボン・ジョビやホワイトスネイクなど日本とイギリス、北ヨーロッパでしか人気のなかったバンドがアメリカでメガヒットを繰り出した頃です。

 90年になり、ジューダス・プリーストが「ペイン・キラー」というまあまあなLPを出し、93年に、ドラムを変えて強くなったガンズ・アンド・ローゼズの「ユー・クッビー・マイン」(ターミネイター2のテーマ曲)をだし、それがロックの本当の最後の輝きで、以降、ロックは死んだのです。



83年のイングヴェイ・マルムスティーンの衝撃

 なぜロックが死んだか?ギターの発展が終わったからです。音もギターそのものも。そしてそれ以上に、イングヴェイ・マルムスティーンというスウェーデン出身の、弱冠19歳のギタリストが、それまで誰も出来なかった物凄い速弾きを完成させた。ギターがあらゆる楽器の中で最もテクニカルで「速い」楽器となり、楽器自体のテクニック進歩に終止符を打ったのです。

 91年から3年間は、音楽の中心がロスアンジェルス(それまではロンドンが中心)から、なぜかその北の年がら年中雨のシアトルに移り、グランジ=オルタナティヴ・ロックのたった3年間がある。

 それに呼応するように、ロックはアンプラグドとなり、70年代初頭のレイドバックなブルージーなものとなり、その後の復活はついになかった。

 2000年代に「オヤジロック」だの、父から子へのロック魂の継承だの(ありえませんなそんなの。矛盾してる)、ロック伝統の布教だの、女の子ロックだのと、ロリポップと懐メロ演歌の世界へと落ち続け、フジロックだのオズフェスだのと、人をばかにしたような「ロック・フェス」が始まり、ロック(に限らず音楽全て)が、黄泉の国の闇に突入して20年以上が経ったのが今だというのが、真実なのです。