ショートストーリー
いつも彼女との待ち合わせは決まっている。
どこでも駅を降りた一番近くにあるスターバックスだ。
たいていは僕が先にきて待っている。
天気がよければ、外にあるイスに座ってテーブルの上には「カフェモカ」だ。
ある小説に出てくる「カフェモカ」が印象に残っていて、
いつもオーダーしてしまう。
カフェモカが半分なくなったところで彼女はやってくる。
ほら、今日も…
「ごめん待った?」悪そうな素振もなく彼女が言う。
「そうでもないよ」と答える。僕はいつもデートの主導権を握られている。
だから今日は「ちょっと耳を貸して」と言ってみた。
そして耳元でささやいた。
「今日もカワイイね」
いつもは言わない言葉を真面目に言ってみた。
彼女は照れたような感じで「カフェモカ買ってくる」と歩いていった。
今日の主導権は僕のものだ…
編集後記
言葉って口に出して言わないと伝わらないんですよね。
このくらい分かるだろうって自分で思っていてもなかなか分かってもらえない。
そんな経験ってないですか?
「この人本当に私のこと好きなのかしら?」
そんなセリフをよく聞きます。
たぶんそれは「ちょっとした一言」がないからですね。
かくいうワタクシもそれが言えないタイプの人間です。
イタリア人みたいなセリフが言えたら人生もっと楽しいだろうなぁって思います。
でもワタクシ、生粋のニホンジンなんで…
甘えですね…