春遠からじ花三景 ‐熱海梅桜&葛西水仙 | 丁稚烏龍帳

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today,detch stood live on the earth,too…

                                         1月16日しょにょ2 
丁稚飲酒帳-見ごろ前  まぐろやさんでのランチが予想外に早く終わったおかげで、駅に戻ると乗れないと思っていた伊東線の電車がホームに入ってくるとこニャ。なにせこれを逃すと30分来ないからニャあ。m蔵などは、「危うく梅園まで歩かされるところだったわい~」と、冷や汗を拭っている。

 不思議な車内は半分がボックスシートで、山側の半分がロングシートという構成。はたして海が見られるようにという配慮か、単に車体幅がなかっただけなのか、教えてテツの人!…そんな感慨を味わう間もなく、隣駅の来宮で下車。駅前の開花状況のボードには、早咲きが咲き始め、中咲き、遅咲きはこれからの表示…あらら、やっちまったニャ?まあ、ここまで来たのだから、梅園に足を向けるとしよう。

 と、ここで熱海を出る時までは晴れていた空が、山際に近づいたからか、どんよりとした厚い雲が空を覆い始めるではニャいか。「先生、これっていつものアレでゲスかねぇ~?」。

お前が言うか、丁稚よ…あーあ、冷たいものが落ちてきたじゃニャいか。しかもこの日の気温は1ケタ台、落ちてくるのは水滴ではなく、氷の塊アラレだニャあ、んちゃ!当然傘の支度などあるはずもなかったが(「天気予報は晴れだったでゲスよ~」)、アラレのおかげであまり濡れもせずに梅園までの坂を登り切る。


丁稚飲酒帳-蝋梅満開  梅園にたどり着くと、ん~入口の紅梅白梅はほんの二、三輪がほころんだところという感じだ。少し早かったかニャあ。

 などと思いつつ、広い園内を進んでいくと、蝋梅は満開だニャ。秩父手前の宝登山や高崎の達磨寺などが有名だが、紅白梅より半月ほど早く咲くこの黄色い梅は、あたりに爽やかな香りを放っている。

 それにしても、予想外に広いニャあ熱海梅園。園内には450本の梅が植わっているそうだが、韓国式庭園やなんと滝まである。
丁稚飲酒帳-梅見の滝  
丁稚飲酒帳-裏見の雨宿り  ここで雨、もといアラレが強くなるアクシデントが発生。あわてて雨宿りできる場所を探すも四阿は、見物の叔父様叔母様で一杯、と、m蔵が「滝に飛び込むんじゃあ~」と、訳のわからないことを叫びながら滝に突進していくではニャいか。ニャンコはちりめんだから縮むんニャが…「m蔵さん、準備運動してからでゲスよ~」。

 すると、滝壺の裏側に通路があるではニャいか。裏側から落ちる流れを眺めることのできる、いわゆる裏見の滝だったか、しかしよく気付いたニャ、m蔵よ。

 この梅見の滝と名付けられた滝も、季節にくれば手前のしだれ梅と相まって、綺麗に見られるのだろうニャ。



丁稚飲酒帳-梅ほころぶ  滝でアラレをやり過ごして、園内散策を再開。

 韓国庭園の足湯にもしばしの暖をとる方がひしめいているが、この寒さだと足を出したとたんに凍えそうだニャ。

 園内をそぞろ歩いてみると、ところどころに紅、白、桃とかわいらしい花弁を開いた花が見られ、早咲きのみの咲き始めというが、割に見ごたえがあったニャあ。一番綺麗に咲いていた木は、トイレの前だったが。

 熱海市のホームページを覗いてみると、今週は早咲きが見頃になったそうニャ。今行けば、さらに鮮やかな彩りが楽しめることだろう。

 

 さて、ぼちぼち熱海市内に戻るとしようか。
 来る時とは道を変えて、先ほどの梅見の滝から続く初川沿いを歩いて行くと、天然記念物に指定されているという来宮神社の大楠にも出会えたニャ。


丁稚飲酒帳-桜はまだまだ  梅園から歩くこと15分ほど、熱海市役所裏手に流れる糸川沿いの遊歩道に出る。

 ここが今日目指してきた熱海桜の名勝地になっているのだニャ。

 ところが、梅については見ごたえが楽しめたものの、やはり桜には少し早かったのか、開いていたのはほんの一、二輪。かわいらしい桃色の花は、まさに桜の花。そもそも一月も半ばだから、仕方がないかもしれないが、梅もそうだが、きっと今頃は糸川沿いも花盛りなことだろう。

丁稚飲酒帳-見頃まで一週間  川沿いには、アンコウや亀、タコなど海の生き物のオブジェも飾られていて、散策の目にも楽しい。

 海に近付くにつれて徐々に暖かさが増していくのか、だんだんと花開いた木が増えていく。一番綺麗な桜の前で記念撮影だニャ。

 小田原の梅と合わせて見られると良いのだが、咲く時期がずれて季節ごとに様々な花が楽しめるというのも、自然の配慮だろう。

 来年、タイミングが合えば、満開の時期に川沿いを散策してみたいものだ…もちろん、晴れた青空が望める日にニャ。…「グサッ、先生~、雨男能力は自分じゃコントロールできないんでゲスよ~」。おまえと来なければいいんじゃニャいか?

 「殺生な~、一緒に連れてきてほしいでゲス~」。まあ、電車賃を払うのはおまえだがニャ。さて、帰りの電車の時間が近づいてきたようだ、駅まで戻ろうか。あともう一か所回るのだろう?

 「そうでげした、二時のアクティーに乗って都内に帰るでゲスよ~」。





 電車に乗り込むと、行きの電車では効いていなかった足元暖房が利きすぎるくらいに利いている。 冷えきった身体にこの暖房、飲み過ぎた日の丁稚のように、二人ともすぐに眠りの世界に誘われていったニャ。

 


丁稚飲酒帳-夕暮れの観覧車  (二時間後)…丁稚、ほれ起きろ、そろそろ東京駅だぞ。寝ぼけ眼の丁稚を引きずって、東京駅の構内散歩。目指すは京葉線/武蔵野線のホームだが、この距離はなんとかならんものか。500mも駅の中を歩いていたら、押上線では隣の駅に着いてしまうぞ。

 さて、降り立ったのは夕暮れ間近の葛西臨海公園。予想していたことだが、やはり海風が寒い。日暮れの迫る大観覧車の景色は見ごたえ十分だが、さて日が落ちる前に観覧車の足元に急げ。
 丁稚飲酒帳-夕日に染まる水仙
 観覧車の足もとに広がるのは一大水仙畑。寒さの故か、ところどころ倒れてしまった株も見受けられたが、視界一面に白と黄色の花が飛び込んでくる景色はなかなかに壮観だ。夕日のオレンジが白い花弁に映えて、また彩りを増しているのも美しい。

 水仙といえば、下田か三崎、あるいは昨年訪ねた鋸南だと思っていたが、都内にもこれだけの景色が楽しめるところがあるとは初めて知ったニャ。聞けば下田市からの寄贈も受けて、平成17年から植えつけを始めたそうだ。現在は20万株ほどの花畑が広がっているという。


 しかし、去年の鋸南もそうだったが、水仙の名所はなぜ海が近いところが多いんだろうか。日暮れも迫っていたからか、足元から凍えてしまったニャ。

 さて、冷えた身体を温めて、今日一日を締めくくるとしようかニャ。


熱海梅園 1月23日現在 三、四分咲き(早咲き見頃)

葛西臨海公園 1月22日現在 スイセン見頃