居酒屋超特急、西へ -夏休み接待旅行① | 丁稚烏龍帳

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today,detch stood live on the earth,too…

丁稚飲酒帳-ひかりニャンコ                                  9月27日(日) 
 ニャンコである。

 夏も去りゆきて久しい九月最終の日曜日、珍しい場所に来ている。なんと東京駅の新幹線ホームである。

 くちばしの長いペリカンのような700系新幹線と記念撮影をしてみるニャ。次にいつ撮れるかわからんしニャ。「先生、入場券買って、お見送りって手もあるでゲスよ」。

 そんなこと言ってるからm蔵に呆れられるんだぞ。そう、日頃飲み歩きに付きあってもらっているm蔵の接待をしようということで立ち上がった今回の旅、スケジュールもm蔵の夏休みに合わせて、この時期になったというわけニャ。まあ、丁稚にしては感心な心がけだニャ。



丁稚飲酒帳-独逸麦酒に舌鼓  「先生、電車が動き出したから、プシュッと行くでゲスよ」。在来線だろうと新幹線だろうと、乗る電車が居酒屋になるのはいつもと変わらんが。

 「今日は乗り心地と、飲んでるものが違うでゲス~。豪華居酒屋超特急でゲスよ~」。まあ確かにロングシートでもないし、ボックスシートと違ってリクライニングもするしニャ。しかし、700系ということで居住環境も劇的に向上しているかと思ったが、シート自体は以前の新幹線と大差ないんだニャ。足置きもないし、これニャらながらの方がよいかもしれんぞ、m蔵よ。

 ちなみに丁稚が飲んでるドイツビールは、昨日会社の先輩がドイツ旅行のお土産にくれたもので、別にこやつの生活環境が向上したわけではないので念のため。 「ん~、香辛料のような香草のような、独特の香りが強いでゲスね。甘味があって泡がきめ細かいのはいいんでゲスが、もう少し苦味がほしいかもでゲス~」。さすがに一杯目は味がわかるか。



丁稚飲酒帳-あてはやっぱり  どれ、先ほどグランスタでm蔵が買ってきたおこわ屋の弁当でもつまませてもらおうかニャ。

 「先生、あたいのお弁当はこれでゲス」。お前、また倉井のハンバーグ持ち込んだのか、隣の外国の方が怪訝そうな顔してるぞ。匂いが強いからいかんとm蔵にも注意されとったろうに。

 「ところがこれがホッピーにはたまらんでゲスよ。なにより倉井のこのミートソースの旨味とごろごろ入った玉ネギの甘味が、白ご飯とあいまって、ホッピーが進むでゲス~」。

 なるほどホッピーの瓶が二本も入ってたから、肩がちぎれんばかりに荷物が重かったのか。電車を居酒屋にして楽しもうという、その努力は認めるが…。 「ちなみに予備に赤星も持ってきたでゲスよ。なにせ三時間でゲスからね~」そこまで行くと、居酒屋バカも大したものだ。


丁稚飲酒帳-車窓に流れて  しかし、この新幹線という乗り物、確かに移動速度が早いのはありがたいが、車窓の眺めがあまり楽しめないのが璧に瑕だニャ。どうしても防音壁で遮られる区間が多い。時折垣間見える景色は、速さ故なのか、あまり現実感のない箱庭のようだニャ。

 「でしょ、先生やっぱり旅は鈍行でゲスよね~」。お前、m蔵が寝てると思って好き勝手言ってるだろう。どうれそろそろ、東寺の五重塔が見えてきた、あと一駅15分ほどで新大阪だ、居酒屋も後片付けの時間だぞ。「先生、もう一杯だけ~」。そのまま岡山まで行っとれ!