と、もつ食べたあとでなんですが、もう一軒くらい行っておきますか。
まだ早い時間だし、もしかしたらアレがあるかもしれないし。ということで、宇ち多裏手
に回ります。古びた木製カウンター、焼き台からの煙の薫り、仲見世もう一店のもつ焼
きの雄、ミツワでございます。
今日も原色のおかみさんに、「席一杯かなぁ?」とお尋ねすると、年配の方が集まって
らっしゃるテーブルに相席をさせていただけます。そして、飲み物よりも先に思わず、口
をついて出た一言、「アカまだありますか?」
そう、ミツワで何が好きって、この赤身肉がたまらんのです。カシラなのかしら…カシラの
ゼラチン系の味わいではなく、純粋な肉肉しさがいいんですよね。これが、ミツワの甘め
のタレに非常によく合います。
そして、ミツワのポイントはここ、「アカ、タン混ぜタレでお願いします。」一皿二本を混ぜ
られる、これは画期的です。もつの求道者、u先生に教えていただいたのですが、本当
に一人で行った時にこれは助かります。ただでも大ぶりな焼き物ですから、正直ミツワ
の場合、焼き物は一皿で十分というのがあたしの定番ですね。
それと、お、さすがに早い時間、まだ刺身がたくさんありますね。盛り合わせで一つ、
お願いします。出てきたのは、イカにカンパチ、そしてブツの盛り合わせなんですが、
イカが甘い、カンパチの脂が濃厚、そしてなによりもブツがとろけるとですよ!ほんに
ここの刺身は美味しいですねぇ。何屋なんだろうとふと疑問にも思いつつ。
そして、飲み物は当然のようにボールをいただきます。ここのは、少し辛い系でして、
さっぱり感がより強調されています。
と、机の上ばかりを紹介してきましたが、実は昨日は相席させていただいた、お三方が
素晴らしかった。皆、気さくないい呑み助という感じの方でして、初顔の僕をやわらかく
受け止めてくれます。なかでも、山形出身の通称「なりたの」さん。成田にお住まいだか
らだそうで、山形弁が染みるねぇ。雪が積もると洒落にならないんですね、やっぱり向こ
うは…しかし、25歳は言いすぎでしょう、あたしゃ三十路真っ盛りでございますって(笑)。
いいアテ、いい話、いい仲間、思わず酒杯も重なります。軽く切り上げるつもりがついつ
い三杯、思えばこれが決め手でしたね。