魔法の言葉 -徳多和良(北千住)&一番鳥(町屋) | 丁稚烏龍帳

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today,detch stood live on the earth,too…

おかしいな、昨日の仕事の滞りがあって今日、明日はドライ(断酒)して仕事に専念する

はずが、どうして千住行きの電車に乗ってるんだろう(笑)。

事の起こりは残業中、午後七時半過ぎの一通のメールからでした。曰く「千住に集合」、

ありゃ黒さんからだよ、あのー、まだ会社なんですけど(苦笑)。

電車の時間を調べてみると、うーん九時半過ぎですか、その時間でもいいッスか?

ほ、その時間まではいらっしゃる、ではまたのちほど~。

ドライを打ち破る魔法の呪文だなあ(単なる意志薄弱という(^-^))。


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仕事を30分でまとめて、駅までダッシュ。乗り換えポイントは関屋、先日はどうも~の

モアナ前を駆け抜けて、牛田駅→北千住駅、駅から目指すは割烹くずし徳多和良。

収まりかけの小雨パラつく中、自転車を追い越して「こんばんわ~。」

お、カウンターにおいでになりますのは、かけつけましたよ黒さん。

にこやかな笑顔の親父さんが迎えてくれます。「こないだに続けて呼び出されて大変

だねえ」「今日は俺が呼び出されたんだよ」って、黒さんあんた(笑)。

走ってきたし、まずは生をいただきましょうか。黒さんのレモン水と乾杯!小ジョッキに

きれいに泡が整って供される生ビールを一口、グビッグビッグビッ……ぷは~!うま。

「おぬしもよく飲むねぇ」、「ええ、好きですから」、「こないだも相当呑んだんだろう」

そんな会話を交わしながら、おつまみはいわしの塩焼きに、あら煮をください。


黒さんはこのお店の常連さん、おやじさん、おかみさんと息のあった会話、毒もまた交

えつつ、肩の力抜いてたたずんでる姿が格好いいなあと思う瞬間です。

お、いわしは両皮目になるように串打ちするんですね、「最近はイワシも高い魚になっち

ゃったね」今日のイワシはちょっとしたお店だと、塩焼き一本で1500円もとれるようなもの

だそうです。しばし、待つうち焼き上がり。ほ、きれいな扇形ですね。まずは一口。

うーん、皮目がパリッと香ばしくて中から青魚の脂がじゅわーっと染み出ます。これは

おいしい。僕、青魚好きなんですね、一番好きなのはサバなんですけど。

5.12iwsi 5.12arani

さて、お次はあら煮が出てきましたよ。これまた甘辛の味付けが僕好み、思わず黒さん

との会話は親父さんに預けてしまい、骨の一欠けらにも身が残らぬほどに食べきって

しまいました(笑)。だって、おいしいんだもん。また、ちょっとぼけてますけど、左下に写

ってる真子がおいしいの。こういうのおうちで炊けるようになるといいのだけれど…。


そうこうするうち、飲み物は緑茶ハイを経て、生レモンサワーの生レモン抜き…いわゆる

チューハイを二つで気持ちよくなってきましたよ。黒さんも同じくレモン水を四杯飲み干し

て、そろそろ次を模索しはじめてる様子です。親父さんにお勧めを聞くと、町屋の一番鳥

という焼き鳥屋さんをご紹介いただきました。じゃ、行ってみましょうか、親父さんもまた

あとでと黒さん一言かけるのを忘れませんでした。


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駅前から最近不況話に出ていたタクシー拾い、日光街道を越えて町屋までは900円。

うーん、土地勘無く場所がイマイチ明確におぼえてないのが悲しいところですが、佇まい

はちょっとお洒落なチェーン店系、僕のよく行く雰囲気のお店とは少し毛色が違います。

さて、のぞいてみますか。中に入ると細長い店内はL字のカウンターだけ。木曜日の十時

半過ぎだっていうのに何人ものお客さんが座ってらして、これは人気のあるお店なんだな

と思いました。とりあえず、L字の短辺に腰掛けてまずはレモン水とチューハイくださいな。

そしておつまみは、マスターお勧めの砂(肝)刺しと串物は大体価格帯は200円前後ですね、

お安いということはないのですが、焼き上がりを食べてみれば納得の価格です。

そうですね、端からココロ、レバ、つくね、地鶏をもらいましょうか。


まったりとゆっくり話をしながら、まずは砂刺しの登場です。鮮紅色の砂肝が一口大に切り

分けられ、皿の端にはニンニクと生姜が添えられています。一切れ取って口に運んでみる

と、お、いいですねこの歯ざわり。コリコリッとしていて硬すぎず、次は醤油に軽くニンニク

生姜を溶いてちょいとつけて…うんま~!!!!正直、食べたことのない鳥系刺し物でした。

なんというんだろう、甘みがあって醤油の味わいが口の中に膨らむというか、砂肝の効果

なのかはわからないんですが、淡白な砂肝のはずが本当に醤油の薫りが口から鼻腔に

抜けていくような、そんな味わいでした。

5.12suna

さて、焼き物も出てきましたよ、まずはココロ、おー、このハツはまた青砥は鳥新級の大きさ

でプリプリ、ジューシィ。かみ締めるだに、口の中に鳥の脂分が染み出てきます。ハツ塩は

豚もつよりも鳥もつの方が好きなんですね。

次にレバ、これまたほろほろとした感覚が口の中に心地よく、上質ですね。そして何より驚い

たのは地鶏のタレ焼き。これはもう超絶の一品です。あの徳さんが家族で通うお店っていう

のもうなづけました。これなら190円はお値打ちですよ。5.12reba


そんな感銘に浸っているとドアがガラリと、「来ちゃったよ」親父さん、お店片付けて来てくれ

ました。いやあ、嬉しいなあ。こりゃ呑むしかないね(笑)。

店じまいしてからですから、おそらく親父さんが来てくれたのが十一時半くらい、そこから最後

店の中に三人だけになるまで、時間は大体一時位までだったかしら、楽しく美味しく語り合い

飲ませていただきました。最後はマスターお勧めの鳥スープで〆。

今日は魔法の呪文に召喚されて、本当に楽しい一夜が過ごせました。春まだ寒い風の中、

いい夜となりました。黒さん、親父さん、ありがとうございました。