こっから先の席替えは近い、近いの何のその。


神かって思うぐらい近かったよ。


隣にはならんかったけれども。


ぶっちゃけ席は覚えてんだけども、順番があやふやだからこの辺はカット。


俺とした事がディスティニー感じちまったよ。


その中の一回、なんだか忘れちまったがあいつが午後の紅茶を飲み終わって俺に渡してきた。


「やるよ、俺もうそれいらねぇから」


俺もいらねぇよ馬鹿。殴られてぇのか?


俺はゴミ箱じゃねぇっつーの。


「ほれ」


おい、投げてんじゃねぇ。ポイ捨てすんな。


あれ、でも待てこれ、飲んじまえば間接キスじゃねぇk…


いやいやいやそれは俺危ねぇわ


とか自分の中で変な格闘をしながら達哉に空のペットボトルを突き返した。


俺の理性が危なかった1回の経験談。


あれから、達哉のとりまき(例の6人)はしつこいほどに関わってきた。


チビの社、色黒変態の深水、糸目の伊藤、父さん的な慶介、ただのアニメ好きの増田、案外攻撃的な松本君。


こいつらの連係プレーはすげぇ。


ただこいつらの兄ちゃんの達哉は、俺には関わらずに高見の見物。


いいご身分だなコラ。お前のせいで俺は生き辛ぇよ。


親友の舞も違う奴に丁度フラレた頃でネタにされていた。


喋ってんじゃねぇだろうなぁ、と、そっと後ろを振り向く。


授業中は俺よりも後ろだが遠い方ではない。


俺は後ろの奴と喋りてぇんだって、言い訳しながらあいつの方を見る。


横は、サバサバしたカッコいい、バスケが超絶上手い女の子、祐季。


この子に彼氏が居るのは知ってる。


…でも、楽しそうだった。本当に無邪気な顔で笑ってる。


こんな運動音痴で勉強は人並みより毛一本飛び出た位のつまんねぇ俺より、


趣味合う祐季の方が、楽しいよな…


本当に、羨ましかった。


でも、同じ位、俺が見たい顔見させてくれてありがとなって心で祐季に感謝したのも覚えてる。


ばーか、俺の後ろで楽しそうに笑ってんじゃねぇぞ、

翌日。あんだけ話してた達哉が話しかけてこねぇ。


「おい、言いたくて言っただけやから気にすんなよ。明日不自然とか止めろよ」


こう念を押したがめちゃくちゃ分かるんだが?


つか周りの奴ら感づいてんじゃん。馬鹿かてめぇ。


もうすぐ文化祭だってのに。席近ぇってのに馬鹿が。


そう思って授業を受けていた。


英語の時間に後ろの子が、手紙をこっそりと渡してきた。


俺が身辺調査の時に、俺と同じ想いを持ってる、って気付いた子―愛。


「なぁ、優紗元気ないけど、どうしたん?恋愛系?うちも多分同じことで落ち込んでるから辛かったら言ってな」


…こいつも告ったのか。しかも感づいてやがる。


英語の時間が終わった後、あいつが移動教室に行ってから、涙が出た。


愛とその友達、俺の幼馴染の芽衣が来て、言った。


「達哉に告ったん?うちもフラレてん。でもうちはもう吹っ切ったよ。元気出しな」


馬鹿。ほら感づかれてんじゃん。隠すの下手なんだよ…って俺もか。


「…うん、あいつの前では泣かんようにする。ありがとうな。そろそろ行こうか」


元々全部話してあった、美沙と佳織は黙って一緒についていてくれた。


もう一人の相談者は「もう告ったん!?早いなぁ…」と呆れていた。


知り合ってから一ヶ月ですもんねぇ。


俺はフラレた事よりもな、お前にシカトされるほうがショックなんだよ。


と思いながら、寂しさと悔しさを必死で怒りだと思い込んで、それからを過ごした。


それから俺が気にしてない風を装って、話しかけて、話しかけて。


本当の意味でわだかまりが無くなったのは、二ヶ月経ってからだった。