H28年司法試験刑事訴訟法
設問1について
設問1は、事実23に記載の留め置きの適法性を検討させる問題。
留め置きとは、文字通りその場にとどめておくことという程度の意味しかないので、これが、職務質問の際の「停止させて」なのか、逮捕なのか、というようなことを検討する必要があります。
それによって、許容される程度も異なるからです。
(本問では、逮捕状がありませんので、逮捕であれば違法ということにもなります。)
まず、検討の順序としては、職務質問という行政警察活動なのか、司法警察活動か検討します。
これは、嫌疑、捜査の進行の程度等で判断します。
本問では、事例3の段階で嫌疑が濃厚となり、令状請求されているので、事例2は行政警察活動、事例3は司法警察活動であろうと考えられます。
そこで、事例2は「停止させて」としてなされたものであるため、「停止させて」の限度を論じればいいでしょう。
事例3は捜査であるので、逮捕か否か、つまり、強制処分該当性を検討することとなります。
そのうえで、任意捜査の限界を論じるという、典型的な問題です。
あてはめの際のポイントとしては、事情を拾いきることはもちろん、事例2より、手段の程度は強くなっているものの、嫌疑も高まっているということを表現できれば、点が伸びると思います。
設問2は接見指定の問題です。
予備試験ではまだ出題がありませんので、予備試験を受験される方は注意された方がいいかと思います。
接見指定は、要件が大きく3つあります
1 39条1項の接見の申し出があること
2 操作のため必要があるとき
3 「不当に制限するもの」でないこと
要件を落とすというのは、予備でも、新司でも必ず評価が下がりますので、1を忘れないことが重要です。
2については、判例があるところなので、それに沿って事情をあてはめればいいでしょう
3も、初回接見について判例がありますので、書ける必要があります。
どれも難しいことはありませんが、ここでも、1回目と2回目の接見指定の違いを表現できると点が伸びるかと思います。
(要件の理解を問うだけであれば、わざわざ2つ出題する必要はありません)
具体的には、1回目は現に弁論録取手続きをしている最中であった
2回目は自白を入手することが主たる目的であった
弁護人の了承を得ているか否か
等を拾う必要があるかと思います。
設問3は、伝聞証拠です。
伝聞証拠は、できる人と、できない人が大きく分かれます。
点が伸び悩んでいる人の多くは、論証(伝聞証拠は~①公判廷外における~)を書くだけで、満足している状態であると思います。
再現答案を読んでいると、予備試験もレベルが少しずつ上がっており、当たり前に論証が書ける人はごろごろいます。
重要なのは、あてはめ、伝聞証拠でいうと、要証事実の認定、推認過程を示すことにあります。
本問では、争点が2つ明示されているので、証言が争点とどうかかわるか、その推認過程を示せばいいだけでしょう。
設問4は、元の判例を知っている人は皆無だったと思います。
このような問題で、いかに点を取るかというのが、分かれ目になると思います。
本問では、条文からの思考という基本に戻って、295条1項のどの文言なのか、文言に該当するか、という形式を整えられる能力が必要となります。
具体的には、「相当でないとき」に当たるかが問題となりますので、趣旨から解釈して、あてはめればいいでしょう。
趣旨を考えるにあたっては、乙は、急に戊宅にいたとのアリバイを主張しだしており、これを認めると高判全整理手続で争点を整理したい意味がないのではないかという疑問を活かせると、尚いいかと思います。
メルマガで、この問題を時間内に起案したものを配信しておりますので、宜しければメルマガのバックナンバーをご利用ください。

