先日、美容院へ行ってきてさっぱりしました。

もう少しで42歳にもなるおっさんの加工なしの写真ですんません。

 

さて、本日読んだ本です。↓

海堂尊さんの「極北クレイマー」は、現実の事件とリンクするようで考えさせられました。

財政破綻寸前の北海道の極北市の市民病院に赴任してきた外科医が主人公です。

意欲のない病院職員、患者さんに床ずれの多発する病棟、問題ぞろいの医療現場に愕然としながら、主人公がなんとか溶けこもうとするなか、過去におこった妊産婦死亡を事件に仕立てあげようと、ジャーナリストや官僚が暗躍し遺族をたきつけることで、産婦人科医は逮捕され、事態は深刻になり、市民病院は閉鎖することになるというあらすじです。

 

主人公は8年目の外科医ですが、僕は8年目の時はもっと短気で荒々しかったなあと思います。主人公の大人ぶりに感心しました。

仕事中毒だった僕も、離婚やいろいろなことを経て、少しは大人になったのかしら。

 

医療は、安く受けられるのが当たり前だという思い込みがある人が多いのも事実です。

出産は、母子ともに健康にうまくいくものと思っている人も多いです。

実は多くの医療スタッフの協力や尽力があって、今日の日本の医療は成り立っているのですが、理解されにくいですね。

たとえば朝8時から勤務開始して、夜中2時過ぎまで手術して、そのあとは実験したり論文書いて、研究室で眠って、次の日の勤務が始まるなんて日がある生活を僕も10年ほど続けました。

 

この作品では、医療の世界の実情を物語仕立てでうまく描いておられます。

保険医療というのは、国の政策の一部ですから、仕方がない部分がありますが、いろいろ苦しいところがあります。

こういった娯楽作品を通じて、人々の医療の世界へのご理解が深まってくれたらいいなと感じました。

 

海堂さんの作品は、すべてつながっているので、時間をおいて読むと新たな発見がありますね。楽しい試みです。