何とも凄い映画です。
人間とは何だろうと、観た後に考えさせられて、観る側にも体力を要求する作品ですね。
映像の美しさに、ため息が出ます。
山や川も戦闘シーンも、光が綺麗に入っていて、執念を感じます。すべてに迫力があります。
音楽は、映像をとにかく邪魔しない形で存在しています。
どれだけフィルムを繰り返し見ながら作ったんだろうと思います。
ここまで映像と細かく同期している、主張しない画音楽は、初めてです。
映像と音楽だけでも、この作品を観てよかったです。
主演のレオナルド・ディカプリオをはじめとした俳優たちの演技の素晴らしさは、圧巻です。
特筆すべきは、主人公の生き抜く様子です。
グリズリーとの格闘や、傷口を焼く場面、馬のからだの中で一夜を明かしたりなど、観ているこちらが痛いような気持ちになります。
生きることは綺麗ごとではなく、さまざまな犠牲の上になりたっているのだと思います。
ネイティブアメリカンと、アメリカに後から入ってきた人びとと関係も、一言で語れるものではないですね。
主人公の息子を殺した男の言い分にも考えさせられてしまいます。
間違いなく素晴らしい作品ですが、観ると疲れちゃう人もいると思うので、万人におすすめできる作品ではないですね。