新たなお仕事に行ってきました。

その総合病院では、3月は皮膚科のドクターが減ってしまい、単純に二倍のお仕事量が予想されるとのことでした。


まずは、外来、たくさんの患者さんがいらっしゃいました。

診察そのものは、まったく苦にならないのですが、今日僕の手を止めたもの、それは電子カルテでした。

直感的にわかる操作法ではなかったので、電子カルテ担当の方に度々お世話になりました。


 

電子カルテの便利さは、大学病院や医療センターでの勤務で知っています。

ただ夢の機械ではありません。 


患者さんの健康や病気の情報は、大事です。

だから、失われることがあってはならないです。


ただ、電子カルテに入力した情報は、大元のサーバーなどがダウンすると失われる危険性があります。そういった事態に備えて、紙カルテの形で、入力した内容を印刷したり、シールに印字したものをカルテに貼るという形で、僕の勤務していた大学では、医師が余分なお仕事をしていました。


今日、僕が電子カルテのおかげで、手間取ってしまったので、こういった持論を展開しているわけではありません。


実際、大学で電子カルテのコンピューターが、一時的に使用不可能になったことがありました。


すると、紙カルテに保存していた情報があったので、すべての方に対して、まったく診察できないわけではなかったのですが、朝一番に受診された方でもお昼前にならないと診察が終わらない、午前の最後に来院された患者さんにいたっては、受診できるのが、夜といった事態を経験しました。

これが、全面的に電子カルテになっていたら、さらに悲惨な事態になっていたと思います。



コンピューターは便利なものですが、頼りすぎては、いざという時に、僕らは何にもできないという事態におちいります。


コンピューターの不測の事態に備えるためには、もったいないのですが、紙カルテの形で、入力した内容を印刷したり、シールに印字したものをカルテに貼るという形で、バックアップを極めて原始的な形で、しておくことが大事だと考えています。


結局、以前からの紙のカルテに比べると、お金が余計にかかります。

資源も無駄遣いしています。


結局、儲かって喜んでいるのは、電子カルテを提供するコンピューターの会社だけだと思います。

 

さらに大事なことは、コンピューターへの入力に医師が追われて、患者さんのほうを見て話す元々少ない時間が、さらに減ってしまうことです。


これをお読みの皆さんも、大きな病院を受診された際に、モニターばかりを見ていて、自分のほうをまったく見てくれない医者に失望されたご経験があるのではないでしょうか?



便利さと、安全性の両立、難しいですね。



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