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映画の感想など書いていきます。

専門家ではないので、単なる自分の感想文です。w

ネタバレ注意!


<ネタバレ注意!>
ヴィクトル・ユゴー作「ああ無情(Les Miserables 1862)」が原作となっている。同原作では、今までに少なくとも10以上の映画作品が作られ、テレビドラマ、アニメなど世界中で広く知られている原作。この原作は長編であるが、この中でも本作同様ジャン・バルジャンにスポットを当てた話が有名である。

本映画は、1980年代にロンドンで制作され、ブロードウェイを含む世界中で愛されてきたミュージカルの映画化である。

パンひとつ。これが大きな罪か。物語は、罪人を罪人と認識するところから始まる。
窃盗。これはまぎれもない罪。罪を犯した彼らは日の目を見ることを許されず、下を向いて生きている。
ジャンバルジャンの罪は窃盗。だが、目的は妹の子を救うため。
これで犯した罪により19年も鎖につながれている。

罪とはなんだ。罰とはなんだ。

正義とは、悪とは。

映画全体を遠して、この二つの対比が常に私たちに付きまとう。

窃盗。これはまぎれもない罪。だが、その罪を罪と思わなくなっている自分に気が付く。

多くの人が登場する。
汚い背景。汚く見える暮らしぶり。

しかし彼らはいう。
私たちは自らの正義に基づき生きているにすぎないと。

テーマはものすごく深い。そして様々な感情が描かれている映画である。
しかしそれと同時に、実はごく当たり前に人々が感じる気持ちや想いを歌い紡いでいるにすぎないのだ、ということを感じた。


では、生きるとはなんだろうか。
死にゆく人々が多く登場したが、そこにはまた次の新たな生が存在している。


映画を通して、

罪と罰
正義と悪
生と死
私と他人
上と下
大人と子供
恋と失恋
男と女
ジャンバルジャンとジャベール
裕福と貧困
喜びと悲しみ
・・・

様々な対比が登場している。そして我々に問う。正解はどれだ、と。
正しい方はどちらか選べとせまってくるが、でもそこに答えはない。
答えをつかんだと思った瞬間、それが間違いであったと気づかされる。
しかし、間違いだと思ったこと自体が正しい保証はどこにもない。


この映画は登場人物がみな気持ちを素直に歌いあげている。そこには悪も罪もない。
ただ、みな自分の信念に基づき生きているにすぎないのだろう。
だが、問うのだ。誰が悪か、どれが罪か、と。


「私は今、感情を伴い生きている」

結局この映画を見終わった時に心の中に明確に残ったのはこれだけであった。
最後に死を見た瞬間、あれだけあった対比は明確な答えをみることなく、いつの間にか生きるという言葉に収束していったのだ。

あなたはこの映画を通して何を感じるのだろう。もしかしたら矛盾した複数の感情を持つことになるかもしれない。でも、それこそがあなたのこの映画に対する「答え」なのかもしれない。


そして今、この答えが正しいかを確かめるべく、また再びこの映画をみたくなるのだ。

汗では流すことのできなかった罪を、血で清め、涙で洗い、そして愛で祝福されたジャン・バルジャン。人を救うために罪を重ねていく彼の「罪」とはいったいなんだったのだろうか。

しかし、本当の正解は永遠にこない、と感じています。