どれだけこのサイトにお世話になったろう。
AKBにはまりたてのド新規の頃(おっと、じゃあもうお前「ド新規」じゃないのかってツッコミはなしね。「ド」はもう取ってもいいよね?)、ずいぶん長い時間をこの「エケ」と過ごした。
遅れててきたヲタの卵だった僕は、さまざまなエピソードをむさぼるように読んだ。フロントの「AKB48とは」からはじまり、リンクからリンクを辿り、気がつくと数時間が過ぎていた、なんてことが何度もあった。
今から思えば、不正確な情報も含まれていたかも知れない。
でもそんなことはどうでもよかった。
神話の世界では起こらなかったことも真実なのだ。
真偽などお構いなしに僕は記事に食らいつき咀嚼し呑み込んでいった。
何のために?
もうその頃には会うのがすっかり困難になってしまっていた「会いに行ける」女神たちに、少しでも近づくためにだ。
僕は彼女たちについて、何でも知りたくて仕方なかったんだ。
ああ、そうだ。そう 君について/話してよ
僕が知ってる以外…/どんなことでもいい「君について」
恋のはじまりだったわけだ。
出会いの熱狂が冷めても、僕は「エケ」に頼りっぱなしだった。
メンバーの生年月日や出身地は?
リクアワ2008からずっとファンに選ばれ続けている曲は何だろう?
「総選挙」でのみ「選抜」に入っていたのは誰?
「7時12分の初恋」が歌われたコンサートは?
これまででイチバン売り上げが少なかったシングルは?
何か調べるべきことに出会ったときには、まず「エケ」に尋ねた。
もちろん裏は取った。
でもテクニカルなデータに関して、ガセにぶつかることはこれまで一度もなかった。
ああ、明日からどうしよう。
「春が来るまでに」が歌われたコンサートは何回あったのだろう。
遅れてきたヲタの1人である僕にとって「エケ」は頼りになる先輩ヲタだった。
特筆すべきは、「エケ」のあの莫大な量のデータを管理していたのがたった1人の「管理人」さんであり、このプロジェクトが利益を第一義にしたものではなかったということだ。
恐らく膨大な時間と労力がこのサイトに費やされていただろう。
「管理人」さんをこのプロジェクトに駆り立てていたものが「愛」であることは、一度でも誰かや何かを愛したことのある人はみんな知っている。
AKBは名も知られていないたくさんの人の愛に支えられて来たことを僕は知っている。そう 愛しさとは
そのすべて/知りたくなることさ
宝物たちを集めて/君が好きと気づく
2013年5月6日、「エケペディア」はお終いになった。
僕を導いてくれた頼りになる先輩の一人は、ネットの海の中に消えてしまった。
その理由はわからない。
願わくは「管理人」さんの愛が完全に喪われたためではなからんことを。
ありがとう、エケペディア。
あなたがいなくなって、これからヲタの世界に迷い込んだ新参は、僕より険しい道を歩まにゃならない。
微力ながら僕はその手助けをしよう。
あなたからのギフトを必ず次の人に手渡そう。
ありがとうございました。