草原の奇跡 | Commentarii de AKB Ameba版

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 ああ、うつし世には憂いがつきものが定めとは言え、何だかなあ。
 いろいろな事情はあるんだろうが、繰り返される愚行というか何というか。
 博多の子たちはよく知らなかったけれど、異動してきた指原先輩を戸惑いながらも受け入れていって、ああ、いい子たちだな、いい流れになってきたな、と思った矢先。

 何があったか知らないし、知りたくもないが、みんなフィクションとリアルをちゃんと区別しようよ。

 かくなる上は是非もなし。
 おーい、みんなー。何やってもいいが、ばれるんじゃねえぞー。
 ずる賢く生き残ってくれー。話はそれからだ。

 僕はもう少し現実から逃避しましょうね。

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 馬鹿げた「ルール」のことなど誰も知らなかった頃。
 アンコール3曲目。K3のレギュラーの演目最後の曲。

 普段の舞台では、秋元(オ)がソロで歌い出すのだが、公演DVDが収録されたK3千秋楽、秋元(オ)センター前方でマイクを持つ野呂はこう呼びかけた。
 
 「最後は、みんなで歌いましょう」。
 
 2007年6月22日は、たくさんの「最後」がやって来た日だった。

 K3「脳内パラダイス」公演の最後。
 当時にしてみれば、Team Kとしての活動の最後。
 この日を最後にAKBを去っていくメンバー、すなわち今井と高田とともに舞台に立つ最後。
 ひょっとしたら再起出来ないかも知れない、ひょっとしたら梅田とともに立つ舞台の最後。

 いろんな「最後」を胸に抱いてこの「草原の奇跡」は歌われた。

  君に出会えた奇跡/惹かれあった心
  草原に風が吹いた/愛しい人よ

 秋元先生の詞って、ケッコウそらで引用するのがムズカシイんだよね。「何かこんな感じ」ってイメージはあるんだけどいざ言葉にすると出てこないっていうか。だからどんなによく知ってるつもりでも歌詞を見ずに歌うのが難儀だったりする。
 気を悪くしちゃうかもしれないけど、秋元先生の詞って「言葉の直接の力」ってあんまり強くない。それよりは「言葉が描写する情景の力」が強くて、人の心を捉える感じ。
 詩で言ったら叙情でも叙景でもなく、叙事詩、みたいな印象。

 でもそんな中、この歌は歌詞見なくてもバッチリ歌える(と思う。あ、第1スタンザだけね。カラオケ行かないからわかんないけど)。
 「AKBで好きな曲」ではなく「AKBのことよく知らない人に聞かせたい曲」というアンケートを取ったら、上位に来るんじゃないかな。もっと言うと「AKBを喰わず嫌いしている人」に聞いて貰いたい曲。

 イントロはハモンドオルガン(風のシンセでしょうね、やっぱり)。ちょっとだけプロコル・ハルムを思い出す。もっとも歌詞はあんなにピヨピヨじゃなくて、伝えたいのはとてもストレートなメッセージ。

 曰く「君と出会えた奇跡」。

 ただちょっとイメージが結びにくかったのは、なんで「草原」なんだろう、ってことだった。21世紀の日本に住んでいて、「草原で出会う」ってどういうシチュエーション?
 君たちはハイジとペーターか?

 とひっかかるものを持ちつついた時、誰かの言葉が飛び込んできた。
 ブログだったのか、本だったのか。どこで読んだのか、判然としない。もしご存じの方がいらっしゃったら是非ご教示下さい。

 すなわち「草原とはシアターのこと」。

 たったそれだけの見立てをすることで、全てのピースがキレイにはまるように腑に落ちてしまった。

  ここで起きてる奇跡/信じられる強さ
  草原の風の中に/愛しい人よ

  そこで出会ったのはメンバーたち。
 そしてシアターに通い詰めるヲタたち。
 思いつきで、たまたま見かけて、ちょっと勢いで、応募してしまったオーディション。
 まだ名も知られていない彼女たちに、偶然出会ってしまった連中。

 最初はただの偶然の仕業だと思っていたのに。

 「草原の奇跡」とは、シアターで起きている奇跡のこと。

 いろんな記録を読んでいると、このころのシアターはとホント奇跡のような空間だったように思える。ステージと客席を繋ぐ「いくつもの赤い糸」。

草原の奇跡。
公演前にダディさんが提案した「肩組み」が発動した。
終盤、メンバーが横一列になり手を繋いだり、隣りのメンバーの腰に手を回す場面で、客席も隣同士と肩を組み、左右に体を揺らして合唱した。 途中何度か後ろを振り向き、会場全体を確認した。イス席も立ち見席も、ほとんどの人が肩を組んでいたと思う。実に壮観な眺めであった。 すべての列が同一方向ではなく、ある列は左右、ある列は右左といったようにいい感じでバラけていたことが、より感動的なものにしていたと思う。

(中略)
歌終了後の拍手、いつも以上に一段と大きかった。しばらく鳴りやまなかった。
言葉なんて必要のない、感動的な雰囲気が続いた。

 見知らぬ(まあ常連さんは顔見知りだろうが)人々が肩を組んで左右に揺らす様子は、風が吹き抜ける草原の様だったかも知れない。まあ揺れる草と呼ぶほど可憐なものではなかったろうが、確かにそれは奇跡のような光景だったろう。

 僕はなにも体験しなかった昔話を掘り返して、往時をうらやみたいわけではない。いや、そういう気持ちが全く無いわけではないけどさ。もう二度と見ることの出来ないものもあるし。
 
 でもねえ、「奇跡」は今も至る所で起きてるんだよ。
 ただみんななかなかそれに気がつかないだけ。道端に咲く花に、どれほど奇跡が詰まっているか、ボンクラな僕はまだ知らない。

 ただ何かの拍子にYoutubeであの「ジャガジャーン(Dsus4なんですね、石原P)」に見入ってしまったあの日以来、僕にも小さな奇跡がぽつりぽつりと続いてるような気がしないでもない。

 ね、そういうことなんでしょ、秋元先生。

 今日もシアターでは別の奇跡が起きてるってことですよね。