メドレー | Commentarii de AKB Ameba版

Commentarii de AKB Ameba版

AKBとかその周辺とか

words
video
Tag:N1

 「誰かのために」が終わって、一応ご挨拶があって、幕が閉まって、一呼吸あったり口上があったりしてアンコールがかかる(まあ、見てきたようなことを書くのだが残念ながら生で見たことはまだない)。

 アンコールって、本来はその日のパフォーマンスが良かったことに対する「ご褒美(演者にとっても客にとっても)」のはずなんだけど、今やAKBに限らずたいていの演奏会でもアンコールが掛かることが大前提となってセットリストが構成されているよね。

 余談ながら唯一アンコールと無縁なのがオペラで、カーテンコール十回の伝説はあったり、Bisといって、芝居中あんまり拍手が鳴り止まないので筋とは関係なしに同じアリアをもう1回歌うってのはあるけど、幕が下りてからの演奏ってのは聞いたことがない。
 でも今年来日したボローニャ歌劇場の千秋楽、9月25日の「エルナーニ」で奇跡のアンコールが発動したそうな。
 曲目ははヴェルディ作曲「ナブッコ」から「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」。

行け、想いよ、金色の翼に乗って
行け、斜面に、丘に憩いつつそこでは薫っている。
暖かく柔かい故国の甘いそよ風が!
 …
おお、あんなにも美しく、そして失われた我が故郷!
おお、あんなにも懐かしく、そして酷い思い出!
 …
あるいは主によって美しい響きが惹き起こされ
それが苦痛に耐える勇気を我々に呼び覚ますように!

 故郷を失った人々のつらい思いと、苦しみにあいながらも決して失わない希望と勇気を高らかに歌った合唱。舞台にはスタッフも登場し、背景には「がんばれ、日本」の幕。1000回以上オペラに通った超ベテランも見たことがなかったアンコール。
 そうかあ「行け、わが想いよ…」は「誰かのために」なんだ。
 同じ週、とんでもない台風の中ボローニャの「清教徒」は見たんだけど(会場に行くのすっごく大変だったけどすっごくよかった)、無理してでも千秋楽も行ってりゃよかった。AKBシアターよりはるかにチケット取りやすいんだから…。

 一方、アンコールが起こらないことが「事件」のAKB。概要はレポに詳しいが、あくまでもアンコールはご褒美、演る方も見る方もそれを忘れちゃいかんってことだわね。

 でもそうすると、タイトル曲がアンコール後のセトリはどうすんの。

 KII3の「ラムネの飲み方」公演のタイトル曲はアンコール1曲め(すかして書くとEN1)だってこの間書いたけど、H1「僕の太陽」公演の前例がありましたね。「僕の太陽」なんかEN3で、最後の最後だもの(もっともこの後、その時の最新シングルのショートヴァージョンが歌われる訳だが)。

 こういう状況だから、昨今はアンコールも他のセトリの曲と質的に大差のない曲が並んでいる。

 でも最初のころは「これはアンコール用」って曲があった。
 A1にはなんたって「AKB48」があった。

いとしのAKIBAは石丸・ソフマップ

 今となっては潰れちゃった店も少なくないけど、AKBとアキハバラの結びつきを実感させる数少ない曲(AKB48ってさ、秋葉原にシアターがあってさ、そこに行くとホンモノに会えるんだってさ。知ってた?)。

 A2のEN1は、「未来の扉」。
 この曲、ちょっと聞いただけではアンコールっぽさは感じられない。でもステージ見ると、後半の長い間奏の時、メンバーが2人づつ組になって思い思いの「ごあいさつ」をするところなんか、アンコールっぽい。そう、CinDyとなっちゃんのハグもここ。

 K2のEN1は、「約束よ」。
 「今は別れの時だけれど、必ずもう一度会おう」という約束の歌。そう考えると、公演のオシマイにふさわしい曲なのかもですね。

 で、A3のEN1。
 アンコール用のメドレー。歌われるのは、「会いたかった」「DMT」「桜の花びらたち」「スカート、ひらり」「AKB48」。

 最初のシングル3枚(とc/w)に当時の「テーマソング」。どれもアンコールの定番。
 
 でもアレンジはね、ちょっとアップテンポでヘビメタ風? インダストリアルロック風? とにかくカッコイイ風のリミックス。これもまたA3のテーマ(と僕が勝手に言っている)の「何か違うもの、何か新しいもの」だったんでしょう。

 イントロ、ドラムソロがずいぶん長く続く。12小節くらい?
 その間DVDでは劇場のヲタどもが何かおめいている。Call & responseなんだが、何だろうなあ、と思ってた。ひょっとして、と思ってこの機会にと調べたら、やっぱりそうでした。
 噂には聞いてたおーいぇこと大江朝美謹製、Team A応援歌「Team Aパーセント」。
 ちょっと感動。

勢い止まらず青信号/そのまま自分のみちつっぱしれ
冷静 丁寧 正確に/それがあたしらチームA

 一部省略があって、

No A どっかーん/No Life どっかーん

 さすがヲタ「どっかーん」のとこで尺ぴったり、イントロにギターが被る。

 ライトが錯綜する中上手から下手へ全速ダッシュで駆け抜ける人影。誰だ? 増山か?  
 こんだ下手から上手へ跳ねながら走り去る人影。こりゃあ平嶋だ。

 続いて上手下手かrわらわらメンバーが舞台に走りこんで飛ぶ踊る。とにかく動きの激しいステージだ。このペースのままメドレーが進んで、終盤「AKB48」と「会いたかった」が競うようにミックス。最後は全員の「会いたかったー」で締め。

 DVDでしか見ることのできない僕だが、こういうAKBも好きだなあ。

 ただ好みの分かれるところでもあったらしく「こんなんだったら1曲丸っと歌ったほうがましじゃん」みたいな意見もあった模様。時間も9分以上かかるしMIX打ちにくいし(でもDMTで何とかちゃんと打ってんのね、高速MIX。やはりさすが劇場ヲタ)。

 ちなみにN1のアンコールは、「Beginner」「チャンスの順番」「ポニーテールとシュシュ」「ヘビーローテーション」のショートヴァージョンと、開幕当時のシングル曲を素のままメドレー。

 ま、これなら会場ノリノリでMIXも全開にはなりやすく、ファンに親切な造りになっています。
 で、シメに「NMB48」フルヴァージョン。

愛しのなんばは/グランド花月
居酒屋たこしげ二見の豚まん

 …うむ。
 うまそうではある。