誰かのために2 | Commentarii de AKB Ameba版

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  A3もそろそろ大詰め。

 これまで公演タイトルの曲は、セットリストの前の方にあったが、A3のタイトル曲であるこの歌は、M-13、すなわち正規のプログラムのフィナーレ(ちなみにKII3のタイトル曲はなんとE-3、アンコールの3曲目。アンコールかからなかったらどうすんだ)。

 えー「制服が邪魔をする」「夏が行っちゃった」「小池」「月のかたち」と4曲続けてお聞きいただきましたけれど、いかがだったでしょーかー。いえーい。ありあとざいまーす。一通りトークがあって、「次は(ま、お約束のアンコールはあるんだけど、それは別として)最後の曲です。聞いて下さい。誰かのために」。
 
 公演もコンサートも、1回も行ったことないけど、この辺の流れはもうすっかり疑似体験しちゃってる気分ですね。僕の脳内シアターのA3、「ライダー」はオリジナルメンバーだし、大島中西成田増山だって健在。
 かてて加えて最近は山田だの山本だのナンバの連中が入れ替わり立ち替わり現れるから賑やかなことこの上ありませんて。
 
 しかしあれだね、ナンバってほんとトークのテンポやキレがいいよね。ま、ソースはN1と「見逃した…」だけなんだけどね。

 AKBのMCって、誰も拾わないボールがステージ上を転々とすることが多いのだけれど(あ、生で見てきたようなこと言ってスイマセン。オンデマで覗いてるだけです)、ナンバは必ず誰かが拾いに行って、弾ませようとする。で、弾まないと踏んだら素早く見切りをつける。

 特段面白い話が多いという訳ではないのだが、「すべった話」の後処理、いわゆるダメージコントロールがうまいのでぐだぐだ感が少ないんだろうなあ。

 AKBの場合、ダメコンという考え方自体が無いというか、致命傷を負った僚艦が沈んでいくのを遠巻きに眺めている風情のことすらあるもんね。それが味わいっちゃ味わいなんだが。

 さて、「誰かのために」。

 A3ではメンバーが白いワンピースに着替えて登場。デコレーションが目立たないそのコスチューム、当時のレポには「ナース風」と書かれたものが多かったが、そう見えなくもない。もっともこんな可愛らしいナースが揃っている病院は見たことがないが。若葉会総合病院だってこんなに粒ぞろいではなかったよね。

 天から降り注ぐ光が、真っ白な少女たちを照らし出す。ナースを思い起こさせる衣装だけではなく、「白衣の天使」という言葉が自然に浮かんでくるような光景。前曲がダークだっただけにコントラストが鮮やかだ。

 曲はじめは手を降ろしているが、イントロが終わると正面を向き両手でマイクを持って歌い始める。その姿は祈りを捧げているようにも見える。

 N1のコスチュームも白だが、A3と違ってノースリーブ。生地にプリーツの入ったサマードレス風で、ナースには見えない。ウエストの細い紐がアクセントになっている。A3よか金かかったおしゃれな衣装だぞ。

 こちらはイントロの間、胸の少し下のところで両手でマイクを持っており、これもお祈りをしているみたい。
 Aもナンバもお祈り風なのは、歌い出しから

神様は人々のその背中/いつでも見ていると聞かされた
そう どこの誰にでも平等に/愛を与える

 と神様が出てくるからなのかもね。
  
 第1スタンザが終わると間奏。思い思いに抱き合ったり、手を繋いだり。A3の峯岸は戸島と何やら話し込んでる。みいちゃん花ちゃん何話してるんだろ。その間にMC居残り組がこそっとステージに登場。

 そういやこのころTeam Aって20人いたんだよね。MC組が抜けてても人数が少ない感じしないわけだ。
 N1だと、MC組が8人いるので、この曲の歌い出しは8人。すごく少ない感じ。
 その代わり間奏の時はおおっぴらに8人が入ってくる。「おかえりー待ってたよ-」みたいな感じでこれはこれでよい演出。
 
 2度目の間奏、メンバーが横一列に整列、下手から思い思いのポーズ。

 この時、A3では、「ライダー」で見られたようなHand on heartや、指を組んでの祈りのポーズなどが多い。CinDyは手のひらを上に向けて揃えて前に伸ばしている。表情は主に真顔。

 一方、N1は笑顔で「うふっ」とか「きゃっ」という擬音が似つかわしいようなカワイいポーズ。足を組み替えたりもしている。
 Aには敬虔な雰囲気があり、ナンバはコケティッシュな印象を受ける。

 どちらがいい、というのは好みの問題になるだろう。
 でも僕の目にはりりしい篠田のHand on heartや、峯岸の黙祷のような祈り、そしてCinDyの手の何かを訴えたげな表情がこの歌にとても似つかわしいものと映った。

誰かのために/人は生きてる
私に何が/できるのでしょう?

 モニターの中からそう尋ねるTeam Aのメンバーたち。

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 この時の彼女たちは、およそ5年後未曾有の大震災が日本を襲い、誰もが「自分に何ができるだろうか」と自らに問いかける日が来るとは知るよしもない。