Everyday、カチューシャ | Commentarii de AKB Ameba版

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Tags:季(夏)、片想い、「僕」の歌

 昨日K2をじっくり見ようなんて言ってたくせに、いきなりの寄り道。
 いつもは季節が とっくに過ぎたネタを扱っているのだが(なにしろ2006年とかの話だもんね)、たまには旬のテーマで。

 まあ新譜発売のご祝儀ということで。
 あ、もちろん投票は済ませましたよ。2票だけど。誰に投票したかはナイショ。
 
 「Everyday、カチューシャ」。AKB48通算23枚目(メジャー21枚目)のシングルCD。
 誰が略したか、人呼んでエビカツ。うまいもんだ。

 季節は初夏。「僕」と「君」はまだ友達の間がら。
 「僕」は「君」を、海に誘う。バスに乗って。

太陽が昨日より/眩しく照りつけ始めたら
真っ白なTシャツに/今すぐ着替えて
君を誘いたい

 別冊月刊カドカワでも論考されていたけど、典型的な「男子が片思いの女子について考えている曲だ」。拙ブログのTagで言えば「『僕』の歌」。

 「片思い」「海」それから「バス」。

 秋元の詞にはよく出てくるテーマだ。
 ねえねえ、秋元クンたら、高校の時そういうデートしてたんじゃないの? 

 最近だったら、去年の今頃の「ポニーテールとシュシュ」。この歌の「僕」は教室で「君」の斜め後ろに座ってるんだね。授業中いつも見ている「君」のポニーテール。
 好きな女の子のアレって、引っ張りたくなる衝動に駆られるよね。
 アレを称して「恋の尻尾」とは言い得て妙。引っ張っちゃまずいけど。
 
 去年は、

青い海/波打ち際で
君と会いたい/裸足の水しぶき

 と誘いたい気持ちはたっぷりだったのだけれど、ポニテに見とれるのが精一杯で、一緒にバスに乗るどころじゃなかった。

 で、1年経って、エビカツでリベンジ。
 彼女、今年はシュシュでまとめたポニテじゃなくてカチューシャを使ってるんだね。
 で、何とか誘い出すことには成功。バスで海に行く。

海沿いの国道を/まだまだ空いてるバスに乗り
潮風を追いかけて
誰よりも早く/夏を探すんだ

 よかったよかった。去年よりは一歩前進だ。
 でも

寄せる波/避けるたび
二人の足跡消されてしまった

 うわ、せっかく一緒に来たのに、うまく行かなそうな予感。始まる前に消えてしまうの?

 でもとにかく今年は海に来たことででいっぱいいっぱい。

確かなことなど/何もほしくはないよ
無邪気なままで来年も海に来られたら

 確かなことって、何かな。たとえば、キス?
 
 帰りに、バス停でキスしちゃおうか? 

バスを待ってた/夏の停留所で
急に黙る2人/風が通り過ぎる

 次の瞬間キスをしたのは「チョコレート」。

 でもそんなことしちゃったら、来年は一緒に海に行けなくなっちゃうかも。

海沿いのバス停で/夕暮れに急かされ
時刻表を見てたとき/ふいにキスをされたね

 そして次の年の夏には

友達のままで/バスに乗ってたら
今年も一緒に/あの海に行けた

 と苦い後悔を噛みしめる「ビーチサンダル」。

 だったら友達のままの方が、よかったかなあ。

 せっかく一緒に海辺にいるのに、どうしたらいいかわかんなくなって、遁走しちゃったのが「ごめんね、Summer」。

僕はおどけながら/スニーカーを脱いで
ふいに逃げ出すように/全力で走る

 おーい、どこまで行くんだ?
 バスは出てこないけど、PVでは、松井Rが振り返るバス停が印象的だった。

 さて、たとえ恋が実っても、終わりが来ることもある。今は友人の彼女になってしまった、かつての恋人をバスで誘ってしまったのも、海。

どうしても来たかった/真冬の海辺へ
ガラガラのバスを降り/凍える風の中

 思いを断ち切るため「今日だけ」の二人。
 愚かな愛につき合ってくれてありがとう。
 でもつき合ってくれるってのは、ちょっと脈残ってるぜ、おっさんのジャッジメントだと。

 いろんな恋が海には落ちているわけだ。
 
 ああ、でもやっぱり

君が好きだ/言葉にできないよ
君が好きだ/僕のこの気持ち

 「君」を目の前にしたとき、何も言えなくなる永遠に未熟な「僕」。
 その若さ/未熟さの痕跡に、秋元の海の歌は少しだけ染みる。