前曲に続いて、これもしっとりとした曲。
劇場のこけら落としが12月8日、ちょうどクリスマスシーズンだったんだね。A1自体は2006年3月31日まで続いていたけど、クリスマス以降はこの曲は歌われなかったはず(だよね?)。だからこれを劇場で聞くことができた人はそう多くない。
しかも歌うのは星野&折井。今はもうAKBにはいない二人。星野はキーボードを弾きながらの熱唱(キーボードが生音だったのか否かは不明だけど)。ホント、貴重な一曲だったわけだ。
ちなみにK1も同じセットリストだったが、公演DVDにこの曲は収録されていない。K1は4月から7月までの公演だったから完全にシーズンオフだもんね。ただその年の11月から12月14日までリバイバルされているから、ひょっとしたらこちらでは歌われたかも知れない。Team Kの歌うこの曲を公演で聴いた人はいるだろうか。
A1の公演では暗めの照明の中、客席前方左で、一人のファンがサイリウムを4本指で挟んでゆっくりと、ゆっくりとケチャを打っていた。もちろんどこの誰だかわからないオタの方なれど、うん、こういう人たちが初期のAKBを支えていてくれてたんだな。
ところでSKE48の最初の公演(S1)のセットリストもA1をほぼ踏襲しているのだけれど、公演は2009年10月から2月まで行われていて、ちょうどクリスマスシーズンがかかっていた。だからS1ではきちんとこの曲が歌われており、DVDにも収録されている。それでもやっぱり、クリスマスが終わったら歌われなかったんだろうと思う。
歌ったのは佐藤実絵子&出口陽。キーボードは佐藤。でも彼女はこの後1回研究生に落っこっちゃって、S2には出られなかった(さらにその後team KIIに昇格したのでよかったのだけれど)。だから佐藤は人気バクハツって人ではないらしい。
で、ちょっとびっくりするのはこの曲がSKEのリクエストアワー セットリストベスト30で、デビューシングル曲「強き者よ」を押さえて第3位になったってこと。ただでさえ耳にする回数が少ない曲で、しかも(SKEといえば頼みの)松井JRがかすってもいないのに、この順位。名古屋のファンはどぇりゃー耳が肥えてるでねぇってことなのかしらん。
男の子の紺のコート、秋元センセイ的にはダッフルかピーコートだよね。どんなプレゼントより/あなたの両手に抱かれたかった
紺のコートの胸に/おでこつけたまま ずっと
粉雪が二人を包んで/街の灯ともり初めても
離れたくないよ/この場所から
永遠より一秒長く
で、男の子、どうやらプレゼント持ってきてないのね。でも女の子はそれでもいいって言ってる。だからひょっとしたら、男の子の気持ちは女の子ほど強くないのかも知れない。
でも女の子はそれでもそれでもいいって言ってる。ただこうしているだけでいいって。
ただクリスマスイブを一緒にいられただけでいいって。
しかもこの二人、どこにも行かずにずっと雪の中で立ってるらしい。おじさんはちょっと心配だぞ。風邪引くぞ。
何もなくても、ただ抱き合っていただけでも、そしてそれがほんのわずかの時間でしかなかったとしても
と心から言えるイブなんてのは、一生で一度きりだろうなあ。世界で一番すてきな/クリスマスイブをありがとう
ps.
やはり調べるのは大切だなあ。
今日まで知らなかった僕がマヌケなんだが、AKBを語る上での一次資料中の一次資料、さむ氏のメモリストに遭遇。これぞシュリーマンにおけるロゼッタストーン、仏教研究における敦煌教典、ユダヤ史学における死海文書、江戸時代考証における三田村鳶魚、戦前風俗史における断腸亭日乗の如きものでは! とは大仰だが、おかげでいろいろな疑問に対する答えが得られる。
その1 K1のアンコール公演でこの曲は歌われた(ペアリングは河西智美&野呂佳代、大堀恵&佐藤夏希等々多彩であった)。
その2 A2でも、クリスマス時期にはこの曲は歌われた。「だからこの曲を劇場で聞くことができた人はそう多くない」という上述の分析はマチガイ。
貴重な資料を提供して下さったさむ氏には心から御礼申し上げます。